Profile1
名前:ヒロ(29歳)
職業:医師(内科医)
趣味:読書、カフェ巡り、ランニング
性格:真面目、熱血漢、リーダーシップあり(自称)
一言:
「僕は人の人生を良くするために医者になりました。パートナーには健康的な生活を大切にしてほしいです。価値観が合う人と出会えたら最高です!」

自己PR:
僕は仕事柄、多くの人と接する中で、相手のことを深く理解することの大切さを学びました。家族や健康のことを真剣に考え、誠実なお付き合いをしたいと思っています。
趣味はカフェでのんびり読書をすることや、新しいランニングコースを見つけること。休日は自然の中でリフレッシュしたり、美味しいお店を開拓したりしています。
結婚後は、奥さんが安心して生活できるようにサポートする自信があります。一緒に幸せな家庭を築いていきませんか?

理想の相手:
・明るくポジティブな方
・家庭的で、結婚後は仕事より家庭を優先できる方
・健康や生活習慣に気を使っている方

好きな食べ物:オムライス、サラダバー
休日の過ごし方:
ランニング → カフェで読書 → 新しいお店でランチ → 夜は映画を鑑賞してリラックス

座右の銘:
「健康は最大の資産」 
本文
最近、私はマッチングアプリで29歳のイケメンとマッチした。彼の名前は「ヒロ」。
プロフィール写真は爽やかな笑顔に白いシャツ。「医者」という肩書きが光り輝いていた。趣味は読書とカフェ巡り。まるで少女漫画から抜け出したような男性だった。
「これ、完全に勝ち組男子じゃん!」なんて浮かれていた私。医者×イケメンで趣味も合いそう。これ以上のハイスペックなんて存在しないでしょう?
「もしかして運命の出会いかも?」なんて浮かれ気分でメッセージを続けていたけど、順調だったやり取りが、あんな惨劇に繋がるなんて夢にも思わなかった。

約束の日。待ち合わせ場所の駅前に現れたヒロは、写真通りのイケメンだった。いや、むしろ写真以上!
長身、スタイル抜群、そして爽やかな笑顔。さらに知的な雰囲気が漂っていて、周りの女性たちの視線を独り占めしていた。私は心の中で小さくガッツポーズを決めた。
「初めまして、アヤさん。」
柔らかい声でそう言われ、内心ドキドキ。
会話もスムーズで、距離感も温度感も大人の男性としてとても魅力的だった。見た目よし、中身よし、私は完全に舞い上がっていた。
だけど、この時の私はまだ知らなかった。目の前の彼が “価値観押し付けモンスター” だということを。

ランチはおしゃれなレストラン。
私の意向も伺いつつ、彼が馴染みだというお店に案内してくれた。いい意味で高級すぎず、かといってカジュアルすぎない。ここまでのハードルを越えて来る素敵なチョイスだなと思った。
ここまでは完璧だった。問題は、料理が運ばれてきた直後だ。
「アヤさんって、結婚したら仕事辞める派?」
突然の質問に、一瞬フォークが止まる。初対面でそれ聞く!?
「えっと、まだ考えたことないですけど、辞めたくないかなぁ。」
とりあえず無難に返事をすると、ヒロは眉間にシワを寄せた。
「女性が仕事に固執するのは不幸への近道だよ。結婚したら家庭を守るべきだよ。」

…は?
なんでこの人、いきなり説教モード?それに、「べき」って何?
「それは人それぞれですよね。」
笑顔を装って返す私に、彼はため息をつきながら言った。
「アヤさん、ストレスが幸福度を下げるって知ってる?仕事に追われる生活って本当に体に悪いんだよ。そういう考え方だと幸せになれないよ。」

心の中で「お前が言うな!」と叫びつつ、なんとか話題を変えようとする私。
けれど、彼の「価値観押し付けトーク」は止まらなかった。
「ちなみに、親の病歴とか聞いてもいい?」
…え、なんで?初対面だよね?病院の問診じゃないんだけど。
「えっと、それはちょっとプライベートすぎません?」
そうやんわり断ると、今度は真顔でこう言われた。
「俺、結婚相手の遺伝子とかめっちゃ大事にするタイプなんだよね。職業柄、遺伝子の大切さを知ってるからね。健康的な家系じゃないと、将来的に苦労するのは明白だからさ。」

遺伝子!?
この人、結婚相談所の査定員か何か? いや、ただのマッチングアプリの相手なんだけど!
この時点で私は完全に警戒モード。話せば話すほど地雷が発掘されていく感じ。
さらに、彼の価値観押し付けは加速していく。
「アヤさんって、仕事を生きがいにしてるタイプ?」
「そうかもしれませんね。楽しいので。」
と答えると、彼はまたもや真顔で一言。
「仕事を生きがいにしてる人って、正直終わってるよね。」
終わってるのはどっちだよ!と叫びたい衝動をグッと堪える私。
この時点で、私の中の「帰りたいメーター」は振り切れていた。
…もう限界。ごめんなさい、誰かこの状況から私を救い出して!

何とか食事を終え、解散した私は即座にスマホを取り出した。アプリを開き、ヒロのアカウントをブロックしようとしたその時。
「プルルル…」
通知が一件。送り主はヒロだった。
「アヤさん、俺さっきアプリで他の女の子に告られたんだけど、どうする?」

…どうする、って何!?
知らんがな!! 勝手にその女の子と幸せになれ!
私は頭を抱えた。なんだこの人?どうしてこんなに自信満々なの?
しかも、私に選択肢を与えたつもりでいるあたりが、余計に腹立つ。
怒りを通り越して、呆れ果てる私。

即座に「もうブロックしますね」と返事を打ち込もうとしたけど、冷静になってやめた。こんな人に何を言っても無駄。私は無言で彼のアカウントをブロックした。
これで一件落着。と思いきや、数時間後にSNSで共通の趣味グループからフォローリクエストが届いていた。送り主はもちろんヒロ。

その後、友人にこの話をしたら、爆笑されながらもこう言われた。
「アヤ、めっちゃ貴重な体験したね!そいつ漫画のキャラみたいじゃん!」
確かにそうだ。笑い話にできるなら、これはこれで悪くないのかもしれない。

でも、ヒロみたいな価値観押し付け男にもう二度と出会いたくない。私の心からの願いだ。

結局、今回のマッチングアプリ体験は散々だったけど、今では笑い話のネタとして活躍中だ。人生、何が起きるかわからない。でも、そんなハプニングも楽しめるくらいの心の余裕を持てたのは、あの地獄のようなランチのおかげかもしれない。