とある月曜日のジャーナル ~城咲~

 きたみ―は面白い。
 佐久間も言ってたけど、とにかく何て言うか、真面目。
 根っからのいい加減体質な私とは全然違う。
 でも私はきたみ―が好きだ。
 何て言うか、素直で可愛い。それに私の事何だかんだでいつも助けてくれる。
 今日も成績落としてけっこーヘコんで生徒会の仕事やる気出なくて仕事溜めたけど、きたみ―が代わりにやってくれた。
 別に次の活動時間でやるって言ったんだけど。
 私のいい加減さがきたみーには我慢ならないみたいだ。
 でも少なくとも佐久間よりはきたみーの方が優しいと思う。
 佐久間は有能ではあるけど、けっこードライ。
 それが私にとっては付き合いやすい所もあるにはあるから、何だかんだで生徒会の会計を頼まれた時にも引き受けた。
 まさか自分が生徒会に入るなんて思ってなかった。
 あ、でもそれを言うなら、私がこの帝東高校に入れた事自体が奇跡みたいなものなのかも。
 今でも驚きだ。
 何せ私は中学二年の頃までは本当に不真面目なだけの女子生徒だった。
 成績はもちろん下から数えた方が圧倒的に早いレベルで、そんなんだから家でも結構な冷たい視線浴びてた。
 何せお兄ちゃんが絵に書いた様な真面目優等生でだったから。
 いつもいつも面倒になる位比較されて私の繊細な心はとっっても傷ついた。
 毎日毎日枕を涙で濡らして、どうして私ばかりこんな目に……と嘆いて嘆いて……
 ――なんて、ごめん、嘘。大噓。
 私は根っこの性格がこんなんだからほぼほぼそんな両親やお兄ちゃんからの冷たい目なんて気にならなかった。
 それが余計に苛立たせてたのかもしれない。
 そんなこんなで、家族との関係が良好になる兆しも無く、私は中学生活を毎日謳歌していた。
 転機が起こったのは、中学三年の時。
 たまたま担任になってくれた先生(担当教科国語)が、私と波長の合う人で。
 触発されて何となくちゃんと勉強するようになったら、何だか知らないけど成績それなりに上がっていって。
 気付いたら真面目に取り組んでて、帝東に合格してた。
 いや、一期一会ってこういう事なんだね。自分でもびっくりしてる。
 まさかあの勉強嫌いだった自分がねー。しかも進学クラスに入っているし。
 そんで、今こうして何の縁か、生徒会までやってて。
 人生って本当に分からない。
 とにかく、そんな行き当たりばったり見たいな感じで毎日を過ごしていた私にとっては、きたみ―の生き方はとても興味深い。
 きたみーの事を人間としてもっと知りたいと思ってしまう。
 でも、それは無理かもしれない。
 だって私、きたみーと初めて会った時に既に地雷を踏んじゃってるからね。
 今更取り返しがつかない。
 それでも、私はきたみーの事が好きだ。
 何て言うか憎めないよね、ちょっと失礼な所はあるけど。
 まあそれは私も人の事言えない。
私も似たようなものだから。うん。