なんでこんなに晴れてるんだろう。わたしの心とは正反対だ。
 屋上の扉を開けると、眩しいほどの光が隙間からこぼれて、スポットライトのようにわたしに降り注いだ。

「お、どーした」

 きっと彼はいると思っていた。
 なのになんで来てしまったんだろう。よりによってこんな時に、なんで。

「お昼……食べようと思って」

 潤んでいる瞳を見せないように、下を見ながら端の方へ移動する。
 壁に沿って座ると、わたしは静かに弁当を食べ始めた。

 冷めたご飯を食べてると、なんだか無性に悲しくなってくる。
 食べてるうちに、口に運ぶ箸のスピードが落ち、いよいよ味気もしなくなってきた。

 ご飯を無理やり口に入れて、やっとのことで飲み込む。


 弁当箱をしまうと、膝を抱えてそこに顔をうずめた。
 
 こんなに苦しいのはなんでだろう。

 

 涙が静かに、でも確実に溢れ出してきた。
 目の前がぼやけ、視界が涙で濡れる。肩が小さく震えていることに気づいた。


「黙ってれば気づいてくれるとでも思ってんのー?」


 聞き慣れた声だった。
 
 おそらく、目の前に彼がいる。
 こんな泣き顔をさらすわけにはいかず、顔は伏せたままだから、本当のことはわからないけど。


「ま、俺はいーけどさ。しっかり言葉で言ってみ?」