放課後、藍ちゃんと一緒に帰ることもできなくて、わたしはひとりで静かに教室を出てきた。
外は暖かそうだし、せっかくなら中庭で読書してから帰ろうと思い、階段を降りようとしたとき、下から声がした。
嫌な予感がした。
「そうそう、やっぱりそう思うよね? 霜月さんって出しゃばりすぎてない? 内申点稼いでるのかな」
「わかる~。でも頼んだらやってくれるし、使いやすいよね。そう思わない、藍ちゃん」
「あはは……そうかな? でも真面目すぎて心配になっちゃうなあ」
ははっ。わたしったら、こんなに言われてたのに何で今まで気づかなかったんだろ。
一回気づいたら全部気になっちゃうね。自然と嫌なことまで耳に流れてくる。
ここまでくると、自分でももうわからなくて、ふっと自嘲的な笑いをこぼした。
おかしいなあ。何がいけなかったんだろうな。
目元が塗れていることに気づいて、わたしはそっと手で拭った。
三人は中庭に向かっているようだった。付いて行くわけにはいかず、くるりと反対方向を向く。
わたしはそれ以上聞かないように、逃げるように屋上へ向かった。
窓の外を見ると、燦燦と太陽が校舎の壁を照らしていた。
外は暖かそうだし、せっかくなら中庭で読書してから帰ろうと思い、階段を降りようとしたとき、下から声がした。
嫌な予感がした。
「そうそう、やっぱりそう思うよね? 霜月さんって出しゃばりすぎてない? 内申点稼いでるのかな」
「わかる~。でも頼んだらやってくれるし、使いやすいよね。そう思わない、藍ちゃん」
「あはは……そうかな? でも真面目すぎて心配になっちゃうなあ」
ははっ。わたしったら、こんなに言われてたのに何で今まで気づかなかったんだろ。
一回気づいたら全部気になっちゃうね。自然と嫌なことまで耳に流れてくる。
ここまでくると、自分でももうわからなくて、ふっと自嘲的な笑いをこぼした。
おかしいなあ。何がいけなかったんだろうな。
目元が塗れていることに気づいて、わたしはそっと手で拭った。
三人は中庭に向かっているようだった。付いて行くわけにはいかず、くるりと反対方向を向く。
わたしはそれ以上聞かないように、逃げるように屋上へ向かった。
窓の外を見ると、燦燦と太陽が校舎の壁を照らしていた。
