「わー! 昴ありがと!」
お姉ちゃんがマイバックの中を覗き込みながら、わたしにそう言った。
それから、あれ?と首を傾げた。
「昴、なにか買った? 自分の欲しいもの」
買ったものを冷蔵庫にしまっていたらしいお姉ちゃんが疑問に思ったようだ。
せっかくあげたんだから使ってよー、と唇を尖らせている。
わたしはにっこりと微笑んで、お姉ちゃんにその笑顔を向けた。
「ううん、また使うね。ありがとう」
「もー、貯金するの? 偉いなあ。お姉ちゃんなんかもらったらすぐ使っちゃうからなあ、アハハッ!」
頭をぐるぐると撫でられて、髪が無造作にはねた。
「ご飯はどうする? パスタでいい?」
「うん」
お姉ちゃんに言われて、わたしは首を縦に振る。
お姉ちゃんの作るパスタは、だいたい決まってミートソース。
キッチンに二人で立って、二人で作業を進めていく。
こんなの、いつぶりだろう?
あんまり、お姉ちゃんと二人で料理を作ることはなかった。
いつもお母さんに作ってもらっていたので、料理自体が久しぶりだった。
料理を作っている間、会話は少ない。
でも、それが今のわたしには一番うれしい対応だった。
徐々に鼻腔をくすぐるおいしそうなトマトのにおいがしてくる。
見た目なんか無視して、適当にお皿に盛りつける。
フォークを用意して二人で向かい合って「いただきます」と手を合わせた。
出来上がったミートソースパスタの味は、心の芯から温めてくれて、どこかホッとすることができる優しい味だった。
お姉ちゃんがマイバックの中を覗き込みながら、わたしにそう言った。
それから、あれ?と首を傾げた。
「昴、なにか買った? 自分の欲しいもの」
買ったものを冷蔵庫にしまっていたらしいお姉ちゃんが疑問に思ったようだ。
せっかくあげたんだから使ってよー、と唇を尖らせている。
わたしはにっこりと微笑んで、お姉ちゃんにその笑顔を向けた。
「ううん、また使うね。ありがとう」
「もー、貯金するの? 偉いなあ。お姉ちゃんなんかもらったらすぐ使っちゃうからなあ、アハハッ!」
頭をぐるぐると撫でられて、髪が無造作にはねた。
「ご飯はどうする? パスタでいい?」
「うん」
お姉ちゃんに言われて、わたしは首を縦に振る。
お姉ちゃんの作るパスタは、だいたい決まってミートソース。
キッチンに二人で立って、二人で作業を進めていく。
こんなの、いつぶりだろう?
あんまり、お姉ちゃんと二人で料理を作ることはなかった。
いつもお母さんに作ってもらっていたので、料理自体が久しぶりだった。
料理を作っている間、会話は少ない。
でも、それが今のわたしには一番うれしい対応だった。
徐々に鼻腔をくすぐるおいしそうなトマトのにおいがしてくる。
見た目なんか無視して、適当にお皿に盛りつける。
フォークを用意して二人で向かい合って「いただきます」と手を合わせた。
出来上がったミートソースパスタの味は、心の芯から温めてくれて、どこかホッとすることができる優しい味だった。
