八章
北の地までは飛行機を使って向かう事にした。節約重視で乗った事が無かったけれども、今は時間がとにかく惜しかった。
空港は鳥井の祖母が住んでいる隣の県にあり、幸いな事にすぐに行ける場所にあった。
電車を使って一時間程度で到着するも、すでに夕刻となっていた。
空き状況を確認すると、当日分はほとんど席が埋まっていたが、奇跡的に最終便のみ残っていたので、それを迷わず買う事にする。
慣れない手続きや検査で戸惑いながらも、時間はたっぷりあったので無事に終える事が出来き、数時間待たなければいけなかったので空港内にある本屋さんで新しい文庫本を買い、無数にある席の一つを占領し、読みふけった。
旅の中で常にあった不安が不思議と無くなっていて、気持ちが落ち着いていた。終わりが近いのを感じているからかもしれない。
出発時刻が近づくと全てに余裕をもって行動し、機内の指定された席に収まる。四十分のフライトを終えると無事、北の地に到着した。
荷物を回収して、空港の外に出る頃にはすでに日付が変わりそうな深夜となっていた。ここが目的地ではなく、まだまだ電車で移動しなければならないが、確認するとすでに終電は終わっており、どうにもならないので近くのネットカフェで一泊し、早朝からまた移動を始める事とする。
次の日、鳥井と再会する日は冴えない曇り空だった。今にも雨が降りそうな程に暗く、そうならない事を祈った。
ネットカフェを出て、電車とバスを使って三時間程移動し鳥井が指定する北の中央辺りにある少し大きめの湖へと向かう。上手く乗り継ぎが出来ず、到着した時には昼手前の時刻となってしまっていた。
そこの観光名所となっている遊覧船乗り場に鳥井は何をしているわけもなく俺の事を待っていた。
「久しぶり」
鳥井の第一声はこれだった。そのまま湖の方を指差しなら続ける。
「見て、不思議な景色だよ」
湖周辺には濃い霧が発生していて、灰色に近い白で奥まで確認出来ない。水だけが何処か浮いていた。この天候のせいか、辺りに観光客はおらず、閉ざされた空間にいるみたいだった。
「ああ、そうだな」
俺は肯定してみせたが、それで鳥井は満足しなかった。
「相変わらず、反応が悪いのね」
確かに反応が悪いのは認める。それは余計な事を口走らないように気をつけていたからだ。でももう隠す事が無いのに気が付いた。ならば、普通に話して大丈夫だろう。
「そうだな、幻想的で面白いな」
俺の返答に鳥井は小さく笑った。
北の地までは飛行機を使って向かう事にした。節約重視で乗った事が無かったけれども、今は時間がとにかく惜しかった。
空港は鳥井の祖母が住んでいる隣の県にあり、幸いな事にすぐに行ける場所にあった。
電車を使って一時間程度で到着するも、すでに夕刻となっていた。
空き状況を確認すると、当日分はほとんど席が埋まっていたが、奇跡的に最終便のみ残っていたので、それを迷わず買う事にする。
慣れない手続きや検査で戸惑いながらも、時間はたっぷりあったので無事に終える事が出来き、数時間待たなければいけなかったので空港内にある本屋さんで新しい文庫本を買い、無数にある席の一つを占領し、読みふけった。
旅の中で常にあった不安が不思議と無くなっていて、気持ちが落ち着いていた。終わりが近いのを感じているからかもしれない。
出発時刻が近づくと全てに余裕をもって行動し、機内の指定された席に収まる。四十分のフライトを終えると無事、北の地に到着した。
荷物を回収して、空港の外に出る頃にはすでに日付が変わりそうな深夜となっていた。ここが目的地ではなく、まだまだ電車で移動しなければならないが、確認するとすでに終電は終わっており、どうにもならないので近くのネットカフェで一泊し、早朝からまた移動を始める事とする。
次の日、鳥井と再会する日は冴えない曇り空だった。今にも雨が降りそうな程に暗く、そうならない事を祈った。
ネットカフェを出て、電車とバスを使って三時間程移動し鳥井が指定する北の中央辺りにある少し大きめの湖へと向かう。上手く乗り継ぎが出来ず、到着した時には昼手前の時刻となってしまっていた。
そこの観光名所となっている遊覧船乗り場に鳥井は何をしているわけもなく俺の事を待っていた。
「久しぶり」
鳥井の第一声はこれだった。そのまま湖の方を指差しなら続ける。
「見て、不思議な景色だよ」
湖周辺には濃い霧が発生していて、灰色に近い白で奥まで確認出来ない。水だけが何処か浮いていた。この天候のせいか、辺りに観光客はおらず、閉ざされた空間にいるみたいだった。
「ああ、そうだな」
俺は肯定してみせたが、それで鳥井は満足しなかった。
「相変わらず、反応が悪いのね」
確かに反応が悪いのは認める。それは余計な事を口走らないように気をつけていたからだ。でももう隠す事が無いのに気が付いた。ならば、普通に話して大丈夫だろう。
「そうだな、幻想的で面白いな」
俺の返答に鳥井は小さく笑った。

