本日、訳あり軍人の彼と結婚します~ド貧乏な軍人伯爵さまと結婚したら、何故か甘く愛されています~

「お前が嫁ぐのは、桐ケ谷の当主である律哉さんだ」
「……桐ケ谷……って、伯爵家の……?」
「あぁ、そうだ」

 父はなんてことない風にそう言うが、桐ケ谷といえば真白でも知っているほどの名家だ。

 なんでも、持つ人脈が素晴らしいとか、なんとか……。

(けれど、そんなおうちのお方がどうしてこんな商家と……)

 もしかして、なにか裏があるのだろうか――?

 と思った真白の疑問は、あっさりと解決することになる。

「それから。桐ケ谷は現在わけあってかなり貧しい暮らしをしている」
「……は?」
「まぁ、お前のようなのんきな娘ならば、対して苦にもならんだろう」

 あっさりと吐き捨てられた、超がつくほどの重大事項。それに、真白は空いた口がふさがりそうになかった。

(た、確かに、私はのんきだけれど……!)

 かといって。なにも、実の父親がそんなことを吐き捨てなくてもいいだろう。

 それが、真白の気持ちだった。