増える動物愛護への嫌がらせ 関係者「続けていくことが難しい」
「これ以上の参加は難しい──」記者がインタビューした関係者から零れた言葉だ。善意で行われている動物愛護の活動に強い敵意を向けている何者かがいる。
取材したのは子ども食堂「まんぷく屋」を営んでいる滝川 洋さん(72)だ。滝川さんは経済的に困窮している子どもたちに食事を振舞う子ども食堂を営みながら、NPOの地域猫プロジェクトに参加し、1日3回の猫の餌付けと地域猫用のトイレ設置を行っている。滝川さんはプロジェクト開始当初から活動に参加していた。
「食堂の運営が軌道に乗ってきた辺りで打診がありましてね。店先を設置場所の1つとして使用させてくれないかと。ボランティア活動には関心がありましたし、猫、動物全般も好きでしたから、その申し出を受けました」
それから3年間、滝川さんは子ども食堂を営みながら地域猫活動に参加していた。
「猫の拠点としての活動は結構よかったですね。特に夕方の餌付けの時間帯は児童のクラブ活動の帰宅時間に被っていたので、子どもたちも見に来てくれる。子ども食堂では食堂の存在を知らない子どもたちや、遠慮したり恥ずかしく思うような子どもたちにどうリーチするかが課題です。その点猫が集まってくることで、自然と子供たちの憩いの場所のようになりました。猫も私もウィンウィンのような形でした」
しかし、ある時から食堂に嫌がらせが続くようになったという。
「店先に猫の死体が投げ込まれたりだとか、猫用トイレの砂がぶちまけられたりということが続くようになりました。監視カメラの設置も行ったのですが、今度は屋根の上に猫の死体をがあるのが見つかって……」
様々な対策を講じたが、嫌がらせを止めることはできなかったそうだ。
「こういうことが続くと子どもたちも寄り付かないようになってしまいます。嫌がらせは猫に対する設備のみだったので、苦肉の策ではありますが団体にプロジェクトからの撤退を申し出ました」
地域猫活動から撤退した直後、嫌がらせ行為は止んだ。
「こうした嫌がらせ行為に屈するのは非常に悔しいですが、主軸で行っている子ども食堂へ影響が出てはいけないと思い、苦渋の決断をしました」
そう語る滝川さんは俯いた顔から強い悔しさをにじませていた。近年広まった概念であるアニマルライツへの逆風は未だ強い──
(文責: 本田 翔太)
「これ以上の参加は難しい──」記者がインタビューした関係者から零れた言葉だ。善意で行われている動物愛護の活動に強い敵意を向けている何者かがいる。
取材したのは子ども食堂「まんぷく屋」を営んでいる滝川 洋さん(72)だ。滝川さんは経済的に困窮している子どもたちに食事を振舞う子ども食堂を営みながら、NPOの地域猫プロジェクトに参加し、1日3回の猫の餌付けと地域猫用のトイレ設置を行っている。滝川さんはプロジェクト開始当初から活動に参加していた。
「食堂の運営が軌道に乗ってきた辺りで打診がありましてね。店先を設置場所の1つとして使用させてくれないかと。ボランティア活動には関心がありましたし、猫、動物全般も好きでしたから、その申し出を受けました」
それから3年間、滝川さんは子ども食堂を営みながら地域猫活動に参加していた。
「猫の拠点としての活動は結構よかったですね。特に夕方の餌付けの時間帯は児童のクラブ活動の帰宅時間に被っていたので、子どもたちも見に来てくれる。子ども食堂では食堂の存在を知らない子どもたちや、遠慮したり恥ずかしく思うような子どもたちにどうリーチするかが課題です。その点猫が集まってくることで、自然と子供たちの憩いの場所のようになりました。猫も私もウィンウィンのような形でした」
しかし、ある時から食堂に嫌がらせが続くようになったという。
「店先に猫の死体が投げ込まれたりだとか、猫用トイレの砂がぶちまけられたりということが続くようになりました。監視カメラの設置も行ったのですが、今度は屋根の上に猫の死体をがあるのが見つかって……」
様々な対策を講じたが、嫌がらせを止めることはできなかったそうだ。
「こういうことが続くと子どもたちも寄り付かないようになってしまいます。嫌がらせは猫に対する設備のみだったので、苦肉の策ではありますが団体にプロジェクトからの撤退を申し出ました」
地域猫活動から撤退した直後、嫌がらせ行為は止んだ。
「こうした嫌がらせ行為に屈するのは非常に悔しいですが、主軸で行っている子ども食堂へ影響が出てはいけないと思い、苦渋の決断をしました」
そう語る滝川さんは俯いた顔から強い悔しさをにじませていた。近年広まった概念であるアニマルライツへの逆風は未だ強い──
(文責: 本田 翔太)
