ファウンド・フッテージ 観てはいけない映画のレビュー

PART 1
(ブログ「MOJIの映画レビュー」より)
映画「ファウンド・フッテージ」を観ました
2023-12-09 23:09
テーマ:ホラー映画
ファウンド・フッテージ(2023 日本)
監督/編集:大森昇
出演:田沼葉子、北川茂、三浦康二、山口ゆか、直江忠嗣、宇田川蓮
1:廃村のロケーションに感心
ホラー映画を撮るために山奥の廃村を訪れた映画学校の生徒6人。カメラを回しながら村を探索していくと、村のあちこちで奇妙な呪文の落書きや、不気味な藁人形が飾られているのを見ます。
やがて一人が姿を消し、探しているうちに夕刻へ。村で夜を越すことになりますが、それからも一人また一人と消えていきます。残されたヨウコとシゲルは村から逃げ出そうとしますが、なぜかどうしても出て行くことができません。
深夜に大勢が走り回る足音を聞いたシゲルはヨウコがいないことに気づき、山へ向かう松明の明かりを追いかけていきます。闇に響くヨウコの悲鳴。やがて、シゲルは不気味な洞窟に辿り着きます……。
手持ちカメラの映像による、モキュメンタリー形式のホラー映画です。
モキュメンタリーとは、ドキュメンタリーを装ったフィクションのこと。
上記のあらすじからもお分かりの通り、思いっきり「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を意識しています。
本当に最初から最後まで手持ちのハンディカム一台で撮った映像のみで構成されていて、その点では非常に潔い、ストレートなモキュメンタリー作品と言えます。
6人の学生たちは行方不明になったということで、カメラは現場となった廃村に遺留品として残されていたという設定です。その時点で、映画のオチがどうなるかまで分かっちゃう訳ですが。
低予算感はありありなのですが、感心したのはロケーションです。
山間の寂れた農村を舞台にしてるのですが、本当に廃村に見えるんですよね。
いい具合に生活感の残った、でもやっぱり荒れ果てた家屋のすさんだ雰囲気がとてもリアル。もしかして、実際に廃墟の村で撮ったのかな……?
家の中や納屋や倉庫、畑やビニールハウス、村役場とか公民館など。結構いろんな場所を舞台にしていて、映画に奥行きをもたらしています。
許可とか大丈夫だったのかな?と心配になったりもしますが。
2:なかなかリアルなモキュメンタリー
映像は基本、カット割りのないダラ撮りです。そこはまあ、モキュメンタリーなのでいいと思います。
たまにモキュメンタリーを銘打っておきながら、セリフごとにきれいにカットを割ったり、突発的な出来事をカメラが100%おさえていたりする作品があるんですよね。そういうのは嘘くさくて、萎えます。
本作ではその点はリアルなのだけど、一方でストレスもあります。ダラダラとただ移動するだけのカットが続いたり、セリフが被ったり、セリフを喋ってる人がフレームに入っていなかったりします。
その辺を見ると、普通の映画がいかに観やすく工夫されているかが分かりますね。
出演者はみんな知らない人たちでした(失礼!)。
もしかしたら本当に学生なのかな?とも思います。演技はあまり褒められたもんじゃない……正直言って。特に前半で消える三人は。
後半生き残る三人、特にヨウコを演じていた人は上手かったですね。僕が知らないだけで、活躍されている女優さんなのかもしれません。
上手いと言っても、終盤はひたすら悲鳴をあげてるばっかりなんですが。
3:何も見せないホラー演出
リアリティを重視してか、基本的に派手なことは起こらないホラーです。怪異を直接的に見せることは最後までなく、ただ不穏な雰囲気と、思わせぶりなカメラワークで「何かがいそうなムード」を演出しています。
そこは予算と技術の制約だと思いますが。できることが限られていそうな中で、本作のホラー演出はなかなか健闘してると感じました。
ところによっては、お金のかかったメジャー級の作品よりも真に迫って感じられたくらいで。
そう感じたからこそ、こんな無名な映画をあえて紹介している訳ですが。
映像は手持ちのハンディカムなので、常に主観映像なんだけど、「視界の端に何か見えたかもしれない」という演出が上手いんですよね。
村の中を歩いていく。視界の端の方の家の影に、何かがちらっと見えた気がする。ビクッとしてカメラをそっちに向けるけれど、何もない。
でも確かに、何かがいたような不穏な空気は残っている……。
というような、怖い気分になってる時のあの感じ。
何か決定的なものが見えた訳でもないのに、やけに過敏になってしまって、必要以上にビクビク、キョロキョロしてしまって、そのことでかえってますます怖くなってしまう……。
怯えてる人が陥りがちなそんな心理状態に、思わずシンクロさせられてしまいます。
で、この「気配」がだんだん近づいてきて、確かに何かが追ってくる。必死で走って逃げるけれど、やがて追い付かれ、捕まってしまう。
……というところも、肝心なものは何も見せない。追ってくるものも見せないし、捕まってどうなったかも(カメラが落ちてあらぬ方向を向いちゃうので)分からない。
実際に映るものは何もないんですけどね。それでもちゃんと怖いんですよ。
本作は基本この繰り返しなので、単調になりそうなものだけど、村のロケーションの中で場所を変えることで、上手くバリエーションをつけて飽きない作りになっています。
4:巧みな「分からない怖さ」
観ていてあらためて思ったのだけど、「怖い」って何か見た目の怖いモノが実際に出現するから怖い訳じゃなくて。
実際に怖いモノが出てくる前の、何かが出てくるかもしれない、出てきそう……っていう時がいちばん怖いんですよね。
実際に出てきてしまったら、どう対処するかという現実的な思考に切り替わる訳なので。本当に怖いのは、何と出会うことになるのかまだ分からない間だけ。
怖いというのは、分からないこと。
だから、暗闇が怖い。曲がり角が怖い。閉じたドアが怖い。
幽霊が怖いのも、正体が分からないからこそであって。
分からない怖さの究極が、「死」ということになるでしょうか。死んだらどうなるか、誰にも絶対に分からないですからね。
5:ラストシーンは魅力的!
終盤はヨウコが何者かに連れ去られ、シゲルが(カメラを構えて)追いかけていくことになります。
深夜の山道を進んでいくシーンは画面は暗いし揺れは激しいし、めちゃくちゃ観にくいのは否めないのですが。
でも、異様な迫力があるんですよね。見えないけれど、何かいる。人間ではない何かに、周りを取り囲まれている感覚。じっと見られているというぞわぞわするような視線。
そういうものを、画面越しでも確かに感じる。怖いです、本当に。
ずっとシゲル自身は映らず、カメラの主観が続くので、観ている自分がその場にいてヨウコを追いかけているような気持ちにされてしまうんですね。早くヨウコを助けなきゃ、という気持ちにまんまとされてしまう。
感情移入度が高いです。不安や焦燥感といった感情にどっぷりとハマる。
山上の神社の奥にしめ縄が張られた洞窟があって、シゲルは(カメラは)その中へ入っていきます。
そこから先は更に画面が暗くなって、正直何が何やらよく分かりません。
ずっと怪異を直接に映さない作品なのだけど、この闇の中の混乱のシーンで一瞬だけ、異様な白い男の姿がフラッシュのように映ります。
異様に痩せて頭髪もなく全身が白い、ゾンビか餓鬼のような不気味な男。
これが彼らを襲っていた魔物ということでしょうか。何となくは分かるけど、やっぱり説明不足ですね。せっかくここまで怪異を直接映さずに来たのに、ここで見せちゃうのもどうかな。
どうせなら最後まで何も見せないままでも良かったような気もします。
洞窟の奥には不気味な池があって、その前の祭壇にヨウコが横たえられている。
助けようとしたシゲルが池に引き込まれて消える。以降はヨウコ一人になります。
悲鳴をあげて死に物狂いで逃げるヨウコが、それでもシゲルが落としたカメラを拾って行くのはご愛嬌……ですね。
……なのだけど、ラストシーンは割と好きでしたよ。
ヨウコが洞窟を出ると朝日が昇っているんですよね。朝焼けの真っ赤な光の中で髪を振り乱し汚れた顔のヨウコを捉えたシーンは、ハッとするところがありました。
たぶん、「悪魔のいけにえ」のラストシーンのオマージュ。悪くない、美しさを感じるシーンでした。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
映画「ファウンド・フッテージ」について補足
2023-12-11 23:45
テーマ:ホラー映画
すみません今日は新作映画のレビューではなく、先日に書いた記事についての補足です。
12月9日更新の、映画「ファウンド・フッテージ」レビュー記事について。
これは相当マイナーな映画だったと思うのですが、当ブログでは異例なほど多くのコメントがつきました。
その中にいくつか、気になるご意見があったので……今回はそれについて、回答という形で書いておきたいと思います。
「ファウンド・フッテージ」という映画は本当に実在しているのか? 存在しない映画ではないのか?
……というご質問をいくつかいただきました。
これはちょっとびっくりでした! このブログではこれまでも、マイナーな作品もたくさんレビューしてきましたが、映画の存在自体を疑われたのはこれが初めてです。
僕が「MOJIの映画レビュー」だけでなく、海藤文字の名前で小説を書く活動もしてるので、その辺疑われたみたいです。
「ファウンド・フッテージ」は実在していますよ! 僕は12月8日に、大阪のヌーヴェル・シネマにて、レイトショー上映で観ました。
「NOBODY KNOWS! 誰も知らないホラー映画たち2023」という特集上映の1本でした。キャッチコピー通り、本当に誰も知らなかったという。
たまたま時間があった(そしてちょっと面白そうだった)のを観たので全然気づかなかったのですが、実は僕が観たその日限り、1回限りの上映だったようです。
僕以外のお客さんは……10人くらいだったでしょうか。少なくともその人たちは、実在を証明してくれるはずなんですが。
今回この指摘を受けてネットで検索してみたんですが、確かに全然情報が引っかかりませんでした。
大抵どんな作品でも、映画ドットコムとかナタリーとかFilmarksとかで情報が見つかるんですけどね。本当に、全然ない。
唯一引っかかったのは、上記「NOBODY KNOWS!」の紹介ページだけでした。
一応、そのリンクを掲載しておきます。
(リンクURL省略)
その紹介記事にしても情報は最小限しかなくて、簡単なあらすじだけ。スタッフ・キャストもレビュー記事に書いた監督と出演者6名の名前だけです。
そして、このスタッフ・キャストの名前で検索してもまったく何一つヒットしません。
これもちょっと驚きですよね……映画業界で活動している人なら、何らかの形でヒットするだろうと思うのですが。
ここから考えられるのは、次の二つの可能性ですね。
一つは、出演者たちは本当にまったくの素人であるということ。
本当に映画学校の学生で、本当にホラー映画を撮るつもりで廃村に出かけて、本当にそこで行方不明になって、本当にテープがファウンド・フッテージとして残された。
……とまではさすがに思いませんが! まあ、ちゃんとシナリオと演出があって、ただ映画を初めて撮る人たちが頑張ってそれらしく作り上げたのだろうとは、思いますが。
もう一つは、わざと素性を隠して、情報が出ないようにしているということ。
映画として割とよく出来ていたので、やっぱりある程度キャリアのある人が作ってるんじゃないかと思ったのです。たぶん発表されてる監督もキャストもみんな偽名なんじゃないかな。
そして、映画紹介サイトなどにも情報が出ないようにしている。(……ということが可能なのかどうか、よく分からないですが。詳しい人は教えて欲しい)
そして、口コミで評判が広がることを狙っているんじゃないかな。
徹底して「映画」であることを隠すことで、あたかも本当に「ファウンド・フッテージ」であるような……ホンモノの「発見されたテープ」であるように見せようとしている。
昔、よくありましたよね。心霊写真とかで、「他は偽物でも、これだけはホンモノらしい」なんてまことしやかな噂で回ってくるやつが。
いわゆるモキュメンタリー・ホラーがこれだけ流行ってる中で、それでも「どうやらこいつはホンモノらしい」という評判が盛り上がっていくことに挑戦してるんじゃないか。
そう考えないと、この情報の少なさは現代においてはむしろ不自然なのではないか……! なんてことを思ったりしたのです。どうなんでしょ。
もしそうだとしたら、当ブログの書きようは極めて不適切で。
本来なら、「検索しても情報がない! これはホンモノということでは!」というトーンで記事を書くべきだったのかもしれない。
空気読めてないのかな……もしそうだったらすみません。
いずれにせよ、俺も「ファウンド・フッテージ」を観たよ!という方、あるいは監督や出演者についての情報をお持ちの方、もしおられたら、またDMやコメント欄などで知らせていただけると嬉しいです。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
映画「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」ネタバレあり
2023-12-15 22:56
テーマ:ホラー映画
Talk to Me(2022 オーストラリア)
監督:ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ
出演:ソフィー・ワイルド
1:ドラッグ/ネットの暗喩としての憑霊
女子高生のミア(ソフィー・ワイルド)は、友達のジェイド、その弟のライリーと共にパーティーに参加。仲間内で流行っていた「90秒憑依チャレンジ」を体験します。それは呪物の「死者の手」を握って「トーク・トゥ・ミー」と呼びかけることで、死者の霊を呼び寄せ自らの体に憑依させるというもの。ただし90秒以内にやめないと、霊は出ていかなくなってしまうという危険な遊びでした…。
オーストラリア製のホラー映画。アメリカではA24による配給で、思わぬ大ヒットを記録した作品です。
カンガルーも出てきます! オーストラリアらしい映画としても楽しめます。
パリピと降霊術の組み合わせはなかなか新鮮ですが、本作における憑依はドラッグの暗喩ではあるんでしょうね。
興味本位で手を出して、心も体もボロボロになり、人生台無しにしてしまう……。
なんでわざわざこんな気持ち悪い死霊に自分から取り憑かれようとするのか……と思うけど、そもそも若者は意味のない危険なことを好きこのんでやりたがるものです。
悪ぶってみたり、酒やタバコ、ドラッグもそうですね。盗んだバイクで走り出したり。今だと自己顕示欲のあまりSNSで暴言を吐いたり、ネットで炎上しちゃうのも、似たような心理なのかもしれない。
「死ぬなんて怖くない」と粋がって見せるのは、自分からもっとも遠いものである(と思える)死への関心の現れでしょうか。
でも実際には死は思いのほか近くにあって、直面して初めてビビることになるわけですが。
2:世界が反転するホラーらしいオチ
本作は「オチのあるホラー」。
「ミステリーゾーン」的というか、「世にも奇妙な物語」的というか。
全体のプロットに絡めたからくりがあって、どんでん返し的な逆転があって、最後に皮肉の効いたブラックなオチが決まって、スッキリする…(あるいはホラーなのでいや〜な気分になる)のを楽しむ、そんな作品です。
具体的にどういうオチかは、書きませんが!
上手いですね。最後にグルンと、世界の見え方が反転する。
因果が閉じて、闇に落ちる。そこで初めて、それまで見ていたすべてが伏線だったことに気づく。
非常にホラーらしいダークで気の悪いオチで、これはなかなか良かった。ホラー映画として満足のいく「いや〜な後味」を味あわせてくれました。
3:最後の仕掛けは蛇足?
基本的にすごく面白かったのだけど、終盤、最近観たマイナーな日本映画「ファウンド・フッテージ」を思わせる場面があってちょっとびっくりしました。
最後の方で主人公が追い詰められてさまよってるシーンで、画面に一瞬だけ「白い男」が現れます。ちょうど「ファウンド・フッテージ」と同じような、痩せた陰気な白い男の姿が暗闇に浮かぶ。本当に、一瞬だけですが。
観ていてびっくりしたのだけど、これ映画の展開と何の関係もないんですよね。まあ、ミアが呼び出してしまった悪霊の顔であるということなんだろうけど。
この後に伏線回収される訳でもないので、本当に観客をびっくりさせるだけの、こけおどしでしかない。
これはいらんのじゃないかな……と思いましたよ。「ファウンド・フッテージ」に続いてだから、日米を超えて流行ってるんでしょうか。
※
(「MOJIの映画レビュー」12月15日記事のコメント欄より)
2023-12-18 16:11
SUZU Wrote
いつも楽しく読ませていただいています。
私も映画ブログをやってる、SUZUと言います。初めてコメントします。
「トーク・トゥ・ミー」私も観ました!
MOJIさんの記事を読んで観たいな〜と思って観に行きました。そんなに怖くはなかったけど、とても面白かったです!
ただ、MOJIさんが書いていた終盤に一瞬だけ映るという「白い男」なんですが。私は見つけられませんでした!
何も知らずに観たなら見落としもあるかと思うのですが、あらかじめMOJIさんの記事を読んで、結構楽しみに待っていたので。見落とすはずがないと思うんですよね。
それで思ったのですが、もしかして件の白い男って、MOJIさんだけに見えてるなんてことはないですか?
って、それは冗談ですけど! 何だか不思議に思ったので、報告させていただきました。
「ファウンド・フッテージ」もすごく観たいのですが、私の地元の名古屋では上映がないみたいで残念です。
それでは、また次の映画レビューを楽しみにしています!
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
お詫びと訂正:先日の「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の記事について
2023-12-22 21:44
テーマ:日記
すみません今回はお詫びです!
先日書いたホラー映画「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」のレビュー記事において、「終盤に一瞬だけ白い男が現れるシーンがある」と(批判的に)書いたのですが、そういうシーンはありませんでした。
どうやら、僕の思い違いだったみたいです。申し訳ありませんでした。
前回記事を発表後、いくつかコメントをいただきまして。いずれも「そんなシーンはないんじゃないか」というご指摘でした。(コメントいただいた皆さん、ありがとうございます!)
どういうわけか、僕はすっかり見たと思い込んでいたので、逆に皆さんが見落としているのだと最初思ったのです。
たくさんご指摘をいただいたので、何だよ、みんなちゃんと映画を観てないなあ!と思ってしまって。
何だか無性に気になってしまったので、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」2回目観てきましたよ!
予定してなかったのだけど。どうしてもそのシーンを確認して、「ほら見ろ!」と言いたかったので。
間をおかずの2回目なんでさすがに眠かったですけどね。必死で目を覚まして、目を凝らして画面を睨んでました。
特に終盤、この辺りだったはず……というところは、本当にまばたきもせずに観ていたんですが。
……なかったです。白い男なんて出てきませんでした!
どうやら本当に、僕の勘違いだったみたいです。
勘違いから勝手な濡れ衣を着せて、映画自体も批判しちゃっていました。大変失礼いたしました。
自分でも不思議なのですが、本当に見たと思い込んでいたんですよね。かなり強く信じていた。これは何なのか……と思うのですが。
自分が「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の中で見たと思ったのは、「ファウンド・フッテージ」に出てきた白い男の記憶だったんでしょうね。
似たようなホラーのシチュエーションで、連想することで「見えて」しまったのかもしれない。
レイトショーだったのでね。半分寝そうになって、うっすら夢を見てるような状態になってたのかも。
どうだったのか、真相は分かりませんが!
いずれにせよ、自分で思っていた以上に、「ファウンド・フッテージ」に強い影響を受けちゃっていたのかもしれません。
なんか悔しいんですが。あんな低予算の、インディーズ映画なのに!
あらためて、「ファウンド・フッテージ」すごいな!と思った次第でした。
※
(「MOJIの映画レビュー」12月11日記事のコメント欄より)
2023-12-23 22:45
ルルー Wrote
ファウンド・フッテージ、11月に東京で観ましたが、白い男の出てくるシーンなんてなかったと思います。映画は面白かったですが、ありもしないシーンがあるように書くのはどうかと思います。ステマでしょうか?
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
緊急アンケート:「ファウンド・フッテージ」の白い男について
2023-12-26 00:17
テーマ:日記
今回も映画レビューじゃないです! たびたびすみません。
ちょっとややこしいので、これまでの経緯をまず説明しますと……。
まず、12月9日に映画「ファウンド・フッテージ」のレビュー記事を書きました。
これは日本のホラー映画なんですがどうも自主制作らしくて、上映回数も非常に少なく、観た人が非常に少ない映画です。もはや「幻の映画」と言っていいくらい。
この映画の中に「一瞬だけ白い男が映るシーン」があって、そのことについてもレビューで書いていました。
それから、オーストラリアのホラー映画「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」がありました。
僕はこの映画の中にも「白い男」を見た気がしてしまって、記事にもそう書いたんですよ。そしたら、多くの人からコメントでお叱りを受けまして。
もう一度映画を観直してみたら、そんなシーンはなかった……という。
どうやら「ファウンド・フッテージ」の影響で、ありもしない場面を見たと思い込んでしまったようだ……ということになったのですが。
……という経緯だったのですが、今度は「ファウンド・フッテージ」のコメント欄に読者の方からコメントがありまして。
「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」だけでなく「ファウンド・フッテージ」にも、白い男の出てくるシーンなんてなかった!というのです。
ステマではないか?とまで言われてしまったのですが。
断じてステマなどではないです! 僕はこの映画と何の利害関係もないですし。
白い男のシーンを僕は確かに見て、その記憶を元にして前の記事を書いたのです。それ以外に他意は決してありませんでした。
なのですが、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」でも僕はありもしないシーンを見ちゃっているようなので。実は映画と関係なく、僕が個人的に呪われてるのかもしれない。
……って、それちょっと怖すぎるんですけど。
という訳で、あらためて緊急アンケートをとりたいと思います!
「ファウンド・フッテージ」を観たという方、「白い男」のシーンがあったかなかったか、ぜひ情報をお寄せいただければと思います。
その際に、いつ、どこの上映で観たかもあわせて教えていただければ、と。
該当シーンは映画の終盤、カメラがヨウコを追いかけて神社の奥の洞窟に入って、闇の中を進んでいくシーンにあるはずです。
一瞬ですがサブリミナルというほど極端に短いものではなく、はっきりと見えたので、見落とすことは少ないと思うのですが。
という訳で、この謎が解けないと怖くて夜も眠れないので!
どうかご協力を、よろしくお願いいたします。
※
(「MOJIの映画レビュー」12月26日記事のコメント欄より)
2023-12-26 22:10
通りすがり Wrote
こんにちは!ぼく自身は「ファウンド・フッテージ」まだ観られていないのですが、観た方のブログを見つけましたよ。
結構な酷評ですが!
この記事の中に、「白い男」の話が出てきます。
参考になるかもなので、のぞいてみてください。それではこれからもがんばってください!
(該当ブログへのリンクURLを省略)
※
(ブログ「コロ助のシネマ談義」より)
2023年11月28日更新
「ファウンド・フッテージ」
結局何も起こらない、思わせぶりなだけのクソ映画 10点
いや〜ひさびさに正真正銘のクソ映画に当たってしまった。
大抵のクソ映画は、面白いところもあるけどここはヒドイとか、全体的にヒドイけど光るものもあるとか、言えるもんだけど。
この映画は、いいところひとつもなし! あえて言おう、ゴミであると。
今はやりのモキュメンタリー形式。映画を撮りにきた若者たちが行方不明になって、彼らが撮ったビデオの映像だけが残されたという設定なのだが、それって「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の丸パクリだ。
パクリでも、新しい工夫が何かあればいいのだが。これはただパクっただけ。何の新しさも見当たらない。
ニセドキュメンタリー形式なので、映像はすべて手持ちのビデオカメラで撮った画像だ。これがもう、ものすごく見づらい。
手持ちだから手ブレしまくりだし、画質も粗く、観ているうちに気持ち悪くなってくる。
それでお話が面白ければまだ我慢もしていられるが、とにかくつまらない。何も起こらない若者たちのやりとりがダラダラと続くだけ。
書いていても腹が立ってくるが、これはもう映画の体をなしていない。素人のホームビデオの方がまだ観られるくらいじゃないだろうか。
話はあってないようなものだ。個性のない、見分けもつかないような連中が、一人ずつ何かに襲われ、行方不明になっていく。
その「何か」は最後まで画面に映ることはなく、何が起きてるのかもわからない。
カメラを持った奴が何やら怪しい気配を感じ、逃げ始めて、そこらを走り回り、やがて追い付かれて捕まる……という繰り返しなのだが、設定に縛られて違う見せ方もできない。ひたすら同じことを人数分繰り返すだけだ。
残されたカメラは別の人物が拾い上げ、今度はそいつが視点人物になって、そして次はそいつが襲われる。それをリレーみたいに繰り返して、カメラをバトンタッチしていく。設定上そうするしかないのだが、いくらなんでも不自然だ。
最後の方は生き残った女の子が何者かに連れ去られ、もう一人残った男が助けようと追いかけるという展開になって、多少は盛り上がるかと思わせるが、それも虚しい。そんな必死な状況なのに、律儀にカメラを離さず撮影をやめない。自分で作った設定にハマって、矛盾になってしまってる。
女の子がさらわれるところでは、人間の集団がさらったかのような描写になっているのに、後の方になるとそんなことは忘れられて、異世界の魔物がいるような話になってしまう。話が一貫していない。
神社の奥の洞窟が異世界と繋がっていて、魔物はそこから出て来たと言いたいようだが、伏線もなく説得力がない。カメラが洞窟の中に入ると真っ暗で、いよいよ何が何やら分からない。
この闇の中で、一瞬だけこっちに向かってくる何者かが見えた時はちょっとドキッとしたけど。
いや、何だか全裸の真っ白な男がこっちに向かって走ってくるのが一瞬だけ映るのだけど。伏線もへったくれもない。これだけ引っ張ったあげくに出現するのが全裸の変態男では、いくらなんでもあんまりだ。
一瞬だったのでよく見えなかったけど、大事なところまで映っちゃっていたのでは?
この男にしても、映るのは一瞬だけなので、何者だったのか謎のまま。
何の真相も明かさないままギャーギャー逃げまどったあげく、最後に残った女も洞窟を出たところで倒れ、カメラは放り出され、まさにほったらかしで映画は終わってしまう。
なめるな!と叫びそうになったよ。数人しかいない客はみんな同じ気持ちだっただろうから、叫んでも怒られなかったと思うけどね。
最後まで、まったくいいとこなしだった。なぜこれを映画館で上映しようと思ったのか……。
神社に入っていくところとか、平気で土足で踏み荒らしていたし、洞窟の祭壇でもお札やお供え物を踏みにじっていた。
どこでロケしてるのか知らないけど、これバチが当たるんじゃないだろうか。
というか、バチが当たって欲しい。
唯一良かったのは、最後に残る女を演じていた女優がまあまあかわいかったことくらいだ。
それでどうにかオマケの10点。映画自体は0点だな。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
続報:「ファウンド・フッテージ」の緊急アンケートについて
2024-01-04 01:09
テーマ:ファウンド・フッテージ
皆さんあけましておめでとうございます。今年もぼちぼち映画を観て、感想を書いていこうと思っております。どうぞよろしくお願いします。
……なのですが、去年からの宿題を抱えたまま、年越ししてしまいました!
まずはこれを片付けないと、新年の気分にもなれない。
という訳で、新年一発目からで恐縮ですが、「ファウンド・フッテージ」の記事になります。
アンケートにご協力ありがとうございました。いくつか、有力な情報が寄せられました。
まず、「ファウンド・フッテージ観たよ!」という報告は14人。
これが多いのか少ないのか……まあ、もっとたくさんのフォロワーを持つ人がSNSで聞いたら、はるかに多くの情報が寄せられそうな気はしますが。
あるいは、そうでもないのかな。何しろ観た人の絶対数が少なそうなので。
うち8人は2023年11月8日、東京での上映を観た方でした。
どうやら、東京でも上映はその一回だけだったみたいです。だから本当に、観た人が少ない。
6人は僕と同じ、12月8日大阪での上映を観た方でした。
で、問題の「一瞬だけ映る白い男」なんですが。
「そんなものは見なかった」という人が、14人中11人。
ただし「たぶん見なかったと思う」「見たかどうか覚えていない」「途中から寝ていたので分からん」という方も含みます。
「それらしいものを見た」という人が3人。
miu777さん「東京での上映で、白い男のようなものを見た気がします。一瞬だったので、あまり自信はありませんが、MOJIさんの記事を読んでそう言われれば男だったかも……と思ったのです」
名無しの権兵衛さん「東京で観た。白い男を見たと思う。普通に映画の一部だと思っていたので、見えない人もいると聞いてびっくり」
村上さん「たぶん男を見た気がしますが定かではありません。白い女だったかも。映画を観たのは大阪です」
更に、前回記事のコメント欄で教えていただいたブログがあります。
「コロ助のシネマ談義」という、10年以上の歴史を持つ老舗の映画ブログです。「ファウンド・フッテージ」の今のところ当ブログ以外で発見できた唯一のレビュー記事なのですが。
この著者の方も、「白い男」を見たと書いておられるのですよ。
見た箇所も同じ、内容もほぼ同じであるようなので、僕と同じものを見ている人が少なくとも一人はいる訳です。
記事の日付から考えて、11月8日東京での上映を観た方と思われます。
ブログの著者の方にメッセージを送ってみたのですが、今のところ返答はないです。
どうも、まだまだ謎の多い感じです。「ファウンド・フッテージ」でこんなに引っ張ることになるとは思わなかった。
そんなに気になるなら、作った人に聞いてみては?というご意見もいただくのですが。この映画に関しては、作った人の情報もほとんどないんですよ。前に書いたように分かっているのは監督とキャストの名前くらいだし、その名前で検索してもまるっきりヒットしない。
どなたか、この映画の制作者につながる情報をお持ちの方も、お知らせいただけると嬉しいです。こうなったら、ちょっと頑張って調べていきたいと思ってるので!
考えすぎるせいか、あの後何本か映画を観てるんですけど、そこにも「白い男」が出てきちゃっているんですよ。
ホラー映画ならまだしもなんですが。カウリスマキの「枯れ葉」やヴェンダースの「PERFECT DAYS」にまで……となると、嫌でしょう、かなり。
という訳で、映画館からも足が遠のいてしまっています。またアレを見ちゃったら……と思うと。
早めに疑問を解消して、呪い?から解放されたいと思います。引き続き情報をお待ちしています!
※
(「MOJIの映画レビュー」1月4日記事のコメント欄より)
2024-01-04 20:18
SUZU Wrote
MOJIさん、あけましておめでとうございます! SUZUです。
今年もよろしくお願いします!
なんだか大変なことになってきましたね。
役に立つか分からないのですが「ファウンド・フッテージ」の製作会社と思われるものを見つけました。
NOBODY Incという会社です。
(ホームページへのリンクあり)
「ファウンド・フッテージ」を上映した大阪の映画館(MOJIさんが記事に書いてたので)に問い合わせたところ、教えてもらえましたよ。
ホームページに窓口があったので、メールで問い合わせてみてはと思います。
もうご存知だったらすみません! 早く解決して、また楽しい映画レビューを読めるのを楽しみにしています。
※
(コメントへの返信)
2024-01-04 23:05
MOJI Wrote
SUZUさん、あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます!
制作会社についての情報提供、ありがとうございました。
わざわざ映画館で聞いていただいたんですね。本当に感謝です!
メールを出して尋ねてみようと思います。
※
(「MOJIの映画レビュー」1月4日記事のコメント欄より)
2024-01-05 10:55
通りすがり Wrote
これ、MOJIさんじゃないですか?
(リンクURL)
※
Dr.井桁の心の悩み相談室(2023.12.22更新)
【#0249】全裸の男に追われています
Q: 40代男性です。趣味は映画鑑賞です。
ここ最近、私を追いかけてくるものがあります。それは全裸の白い男性です。おそらくは洞窟にいた男と同一人物と思われますが、必ずしもはっきりとは姿を現さず、映画のスクリーンの中にいて、ライトの届かない暗闇や柱や看板の影などに隠れているので定かではありません。しかしそれが存在するのは確実で、その証拠に映画のストーリーはめちゃくちゃになってしまいます。ホラーを観る時だけでなく、ドラマ映画でも恋愛映画でも、何でも出てくるのでノイローゼになりそうです。かといって映画を観るのをやめると、全裸の男に私が気づいていると知られてしまうので、映画館に行かないわけにもいきません。そうこうするうちにだんだん近づいてきている気がします。そろそろスクリーンから出てきそうです。私を捕まえようとしているのが分かります。逃れるためには、私は洞窟に行かなければならないでしょうか。
A: あなたは統合失調症だと思います。洞窟に行く必要はありません。精神科を受診して治療を受ければ、あなたの感じている状況は改善します。なるべく早く受診して、担当の先生にありのままの体験を話してみることをおすすめします。そうすれば、心おきなく映画を観ることができるようになるでしょう。
※
2024年1月5日に発送されたメール
NOBODY Inc ご担当者様
突然のご連絡、失礼いたします。
私は映画レビューブログ「MOJIの映画レビュー」を執筆しております、MOJI(海藤文字)と申します。
実は、御社が製作・配給された映画「ファウンド・フッテージ」についてどうしてもお伺いしたいことがありまして、メールをさせていただきました。
私は2023年12月8日に、大阪のヌーヴェル・シネマで20時50分より上映された「ファウンド・フッテージ」を観ました。
その際、映画終盤の洞窟内のシーンで、一瞬だけ「白い男」がインサートされる場面があったと記憶しております。
奇妙な話なのですが……実はそれ以来、別の映画を観ても、映画の中で一瞬だけ「白い男」が現れるという現象に悩まされているのです。
信じられないと思いますが、嘘ではないのです!
本気で悩んでおります。映画を観ることを何よりの趣味とする者にとって、観る映画のすべてに一瞬とはいえ「関係ないシーンが現れる」ことを想像していただくと、いかに最悪な事態であるか、分かっていただけるのではないかと思います。
「ファウンド・フッテージ」以降、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」「みなに幸あれ」「枯れ葉」「PERFECT DAYS」と4本の映画で、この現象に見舞われてしまっております。
なぜこのような現象が起きているのか、正直まったく分かりません。
ブログでアンケートをとってみたところ、私と似たものを見ていると思われる方が数人、見つかりました。
なので、私の個人的な問題であるとは言い切れない、と思っているのですが。
不安を解消するためにも、いくつか質問に答えていただけるとありがたいと思っております。
質問1
「ファウンド・フッテージ」終盤(ヨウコが洞窟に入ってから、祭壇のある空間に出るまでの間)において、「闇の中に浮かぶ白い男」が一瞬だけ映るシーンは、実在しているでしょうか?
質問2
「ファウンド・フッテージ」にサブリミナル効果などの、見るものに暗示をもたらす仕掛けがされているということはあるでしょうか?
質問3
「ファウンド・フッテージ」が製作された経緯を教えていただくことは可能でしょうか?
スタッフまたはキャストの方のどなたかに、話をお聞きすることが可能であれば、ぜひお願いしたいと思っています。
映画の戦略上、明らかにできないこともあるのかもしれないですが。
伏せておくべき事柄でしたら、その旨をお伝えいただければブログには掲載しないようにします。
あらためて書いてみると、信じられない奇妙な話なのですが。本人としては、かなり本気で悩んでおりまして、恥ずかしながらこのようなメールを出させていただいた次第です。
お忙しい中お手数ですが、可能なところだけでもご返答いただければと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
※
1月4日記事のコメント欄より
2024-01-06 02:58
名なし Wrote
「ファウンド・フッテージ」にかかわるのはやめた方がいい。
あれは映画ではない。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
続報その2:「ファウンド・フッテージ」について
2024-01-08 01:41
テーマ:ファウンド・フッテージ
このところ、まともに映画レビューが書けていません……楽しみにされている方(もしいたら!ですが)申し訳ありません。
前回の更新以降、映画自体はいくつか観てるんですが。なんとそのいずれにも、例の「白い男」が現れておりまして。
(「白い男」が何のことか分からない方は一連の「ファウンド・フッテージ」記事をご覧ください)
正直、映画に集中できない。没頭してても我に返っちゃうし、気になるとそればっかり待ち構えて映画の筋が分からなくなってしまいます。
観た映画、どれもいい映画だった気がするんですが。うろ覚えで、まともなレビューは書けそうもない感じです。
何人かの方にコメント欄で言っていただいているのですが(リアルでも、親とか友人とか周囲の者に言われてしまってますが)、精神科を受診すべきなのかな……とは思います。
ただ、精神症状であるとしたら、「映画を観ているときだけ発症する」というのはちょっと奇妙じゃないかとも思うのですよね。
何らかの精神疾患だとしたら、映画を観てるときだけに限らず、普段からおかしなものが見えるのではないかと。
じゃあ何なんだ……ということになるのですが、ふと思ったのは、これは暗示なのではないかと思ったのです。
「ファウンド・フッテージ」という映画には、何か人に強い影響を与えるような、強力な暗示効果が込められていたんじゃないか。
サブリミナル効果ってありますよね。意識に止まらないような一瞬の映像を混ぜることで潜在意識に働きかけて、ものを買わせたりする。
「白い男」はサブリミナルというよりははっきりと見える映像でしたが。
でも、目に見えた映像以外にも、実は何かが仕掛けられていたのかもしれない。
サブリミナル効果は、テレビなどでは禁止されてるそうですが。でも「ファウンド・フッテージ」はインディーズ映画ですからね。話題作りのために、そういうこともやるかもしれない。
そんなふうに思うのは、僕以外にも「ファウンド・フッテージ」を観たことで同じ症状に悩んでいる人がいるようだからです。
以前の記事で少し触れた、映画レビューブログ「コロ助のシネマ談義」の人です。この方は「白い全裸の男」という表現をされてますが、僕と同じものを見ているものと思われます。
この方によるものと思われる投稿を、別のサイトで発見したのです。「Dr.井桁の心の悩み相談室」という、精神科医がメールで悩みに答えるサイトなのですが。
そこに「白い全裸の男が迫ってくる」という相談があったんですよ。
「現実じゃなくて、映画のスクリーンの中に出現して追いかけてくる」ということを真剣に相談してる。
実はこれ、読者の方に「これMOJIさんじゃないですか?」って教えてもらった相談です。僕ではなくて、たぶん上記ブログのコロ助さんだと思うんですよね。「全裸の男」という表現が一致するので。
心配なのは、この方がかなり心のバランスを崩してしまっているように見えることです。精神科医の方には「統合失調症だから病院へ行け」って言われてしまってる。
「コロ助のシネマ談義」もずっと更新が止まったままです。コメントやDMで連絡を取ろうとしているのですが、今のところまだ返答はもらえていません。
もし本当に映画に何か仕掛けられているのだとしたら、実際に影響を受けて病んでしまってる人がいるので、これはかなり問題です。
それで現在、「ファウンド・フッテージ」の製作元と思われる映画会社に問い合わせをしています。こちらも、まだ返事はもらえていませんが……。
この会社にしても、簡単なホームページしかなく、ほぼ情報がないのが現状です。
いろいろと、だんだん洒落にならない状況になってきたので、頑張って食い下がって調べていこうと思っております。
「ファウンド・フッテージ」について、またその製作者のどなたかについて、情報をお持ちの方はお知らせいただければありがたいです。引き続きよろしくお願いします。
※
(「MOJIの映画レビュー」1月8日記事のコメント欄より)
2024-01-11 03:49
名なし Wrote
「ファウンド・フッテージ」にかかわるのはやめた方がいい。
あれは映画ではない。
※
2024年1月12日に発送されたメール
MOJI様
いつも大変お世話になっております。
NOBODY Inc 営業部の坂内と申します。
平素は弊社の映画作品をご鑑賞いただき、誠にありがとうございます。
弊社配給作品「ファウンド・フッテージ」に関してのお問い合わせについて、可能な範囲でお答えさせていただきます。
「ファウンド・フッテージ」なのですが、こちらは実は純粋な弊社製作作品ではございません。
完成品の形で外部から持ち込まれた作品です。そしてそれは、実際に現場に遺棄されていた映像を回収したものとされております。
つまり、映画の中で紹介したそのままであるということです。「ファウンド・フッテージ」はドキュメンタリーなのです。
……というのが、この映像を弊社に持ち込んだ人物の主張するところになっております。
その真偽は、申し訳ありませんが、弊社でも把握はしていないというのが現状になります。
こういう、モキュメンタリー作品というのはプロレス的な性質もありまして。創作であるかそうでないか、犯罪的な事象が記録されていたり、盗作であったりしない限りは特に気にしないというのが正直なところです。
本作品が現在のところ限定的な公開にとどまっているのは、そのような事情にもよるものです。
本作品を持ち込んだ人物とは現在定常的な連絡がとれていない状態です。従って、今のところ今後の上映の目処も立っておりません。
ご質問にありました「瞬間的なインサートシーンの有無」「サブリミナル的な仕掛けの有無」につきましては、そのようなものは確認していないというのが弊社の立場になります。
私自身、本作品は鑑賞していますが、ご指摘のようなシーンは記憶にございません。
ただ、上記のように製作者と連絡がつかない状況なので、サブリミナルのような知覚できないレベルの仕掛けに関しては、もしあったとしても分からないというのが回答になります。
MOJI様におきましては、映画鑑賞に支障をきたす事態になっているとのことで、ご心痛をお察しいたします。
ただ、その因果関係は弊社には予測のしようもなく、実際に関係あるかどうかも分からないとしか言えないことをご了承いただきたく存じます。
最後に勝手なお願いなのですが、本メールの内容につきましては、ブログ等での公開はお控えいただきますようお願いいたします。
それでは、今後もますますのお引き立てをよろしくお願い申し上げます。
NOBODY Inc
映画営業部 坂内翔太
※
(ブログ「SUZUの映画館に行こう!」より)
突撃! 謎の映画会社 の巻
2024-01-15 17:12
テーマ:日記
みなさんこんにちは! SUZUです。ドキドキ映画ライフ、楽しんでいますか?
今回はいつもと変則的なんですが、謎の映画会社に突撃〜!してきたので、そのリポートを書きたいと思います。
謎の……というのは、NOBODY Incという映画製作会社です。
なぜ謎か?ということに関しては、「MOJIの映画レビュー」さんの記事を見ていただくと分かると思います。
MOJIさんは私が愛読している映画レビュアーのブロガーの方です。
「ファウンド・フッテージ」という映画を観て以来、謎の現象に悩まされているのです。どんな映画を観ても、「全身真っ白の男」が一瞬、画面に現れるという現象です。
MOJIさんの身に何が起きているのか謎で、本当に心配なのです。
「ファウンド・フッテージ」はネット上に全然情報が出ていない映画なのですが、上映された映画館に聞いて、製作会社を突き止めることができました。
それがNOBODY Incという会社です。NOBODY……誰でもない? 社名からも謎の匂いがぷんぷんしますね。
MOJIさんにお伝えして、MOJIさんもメールで問い合わせをされたようなのですが、返事はもらえていないようです。
で、ほとんど何も書いていないホームページをよく見たら、この会社は名古屋にあるじゃないですか!
偶然にも、私の近所。生活圏内です。
これはもう、行くしかあるまい!ということで、果敢に一人で突撃取材をぶちかましてきました。
(MOJIさんには内緒で行動してしまいました! 勝手な行動をしてすみません!)
NOBODY IncさんはJR鶴舞駅から歩いて十分ほどの、住宅街のごく普通のマンションの一室にありました。
ピンポンして事情をお話しして、かなり怪しまれたんですが、どうにか通していただいて、お話をお聞きすることができました。
お話をお聞きしたのは、営業部のSさん。
NOBODY Incさんは「震える指」「因習村リビングデッド」「アンダーグラウンド・リチュアル」などのインディーズホラー映画を製作されている会社だそうです。(どれも未見ですが……)
ただ、その中で問題の「ファウンド・フッテージ」だけは、自社製作ではなく外部からの持ち込み作品であるということです。
ここで、驚きの事実が判明しました!
なな、なんと……!「ファウンド・フッテージ」は正真正銘、本物のファウンド・フッテージだった!
……ややこしいですね。要は作られた劇映画ではなく、本当に現場に残されていたビデオカメラに残っていた映像であるということですね。
みんな、偽のドキュメンタリー……いわゆる「モキュメンタリー」だと思って観ていたのだけど、実は本当に本物の、嘘のないドキュメンタリー映像だったというのです。
ということは、映像に映っていた6人の人たちは本当に失踪したことになる訳ですが。
そんな事件が本当にあったのか……までは、Sさんも把握されていないようでした。
私も帰ってからニュースを検索したりしてみたのですが、まだ調べきれていないです。この点については、引き続き調べてみたいと思っています。
「ファウンド・フッテージ」が本物の怪奇現象を捉えた映像なのだとしたら、そこに映っていた「白い男」も本物の悪霊ということになりますよね。
映画の登場人物たちを襲った悪霊が、録画された映像の中に入ってしまって、それを観たMOJIさんに取り憑いて、映画のスクリーン越しに近づいてきている……?
そうだとしたら、MOJIさんはかなりヤバイのでは……?
映像を持ち込んだという人が、どうやって映像を手に入れたのか。
あの村や洞窟はどこにあるのか。
詳しいことを聞きたかったのですが、Sさんも知らないみたいでした。
かえって謎が増えた感もありますが、この件についてはまだまだ追及していきたいと思います。ご期待ください!
※
(ダイレクトメッセージ:MOJI→SUZU)
2024-01-15 21:30
SUZUさんこんにちは! 今回はDM機能で失礼します。
ブログを見て、びっくりしました。NOBODYさんの会社に直接行かれたんですね。すごい行動力!
本来こちらでやるべきことを代わりにやっていただいてるようで、恐縮です。
お伝えしなければいけないのは、実はこちらもNOBODY Incさんから返事をいただいていたということです。
「ファウンド・フッテージ」が持ち込み作品であること、本当に遺棄された映像だった(というテイである)ことも、教えてもらっていました。
公表しないよう言われていたので、ブログも書かなかったし、SUZUさんにもお伝えしていませんでした。すみません!
ただちょっと、細かいニュアンスは違っていたような。
「ファウンド・フッテージ」が本物であるとして持ち込まれたのは事実ですが、NOBODY Incさんはそれについては半信半疑というか。
まあ、作り物であることは分かった上で、相手の言い分に乗ってるって感じでしたよ。担当者さんは「プロレス」って書いてました。
あと、僕は「ブログでの公開は控えてくれ」と言われたんですが、SUZUさんはそう言われませんでしたか?
公開しちゃって大丈夫でしょうか……すいませんちょっと気になったので!
※
(ダイレクトメッセージ SUZU→MOJI)
2024-01-15 23:15
MOJIさんありがとうございます〜!
お気遣いありがとうございます。なるべく公表して欲しくない的なことはやんわりと言われた気がしますが、でもそれは別に強制力ないですよね。
というかMOJIさんが今まともに映画が観られずレビューも書けない状態になっちゃっているのは「ファウンド・フッテージ」のせいなので、彼らはどうこう言える立場じゃないですよね。
私はMOJIさんに元のようにレビューを書いて欲しいんです!
それに自分でもかなり好奇心が出てきてしまってるので。別にMOJIさんのためだけで動いてる訳ではないのでお気遣いなく。
また何か分かったらお知らせします!
※
ブログ「コロ助のシネマ談義」より
2024年1月22日更新
読者の皆さま
当ブログ管理人コロ助の妻です。
当ブログ管理人のコロ助ですが、1月14日に急逝いたしましたことをお知らせいたします。
皆さま驚かれるかと思いますが、映画鑑賞中の突然死でした。あまりにも突然のことで深い悲しみに暮れていますが、何よりも映画を観ることを愛した主人らしい最期だったとも思います。
当ブログをご愛読いただき、生前に主人と親交を結んでいただいた皆さま、誠にありがとうございました。
なお、コメント欄は勝手ながら閉鎖させていただきます。しばらく後に、このブログは削除させていただきます。
※
2024年1月24日に発送されたメール
MOJI様
バタバタしていて、ようやくメールに気づきました。失礼しました。
ブログでお知らせしました通り、「コロ助のシネマ談義」ブログ管理人であった主人は1月14日に急逝しました。
映画館の座席に座ったままの突然死で、他の観客の方も誰も異常に気づかず、映画が終わった後に映画館スタッフの方に発見されるという最期でした。
検死によれば、死因は心臓発作であるとのことでした。
MOJI様のお尋ねでした「白い男」は、確かにこの一ヶ月ほど、主人の悩みの種になっていました。
どの映画を観ても、一瞬だけ白い裸の男が映っているのだと主人は言っていました。非常に嫌がっている様子でしたが、それでも映画館通いはやめませんでした。
唯一の趣味なので止めませんでしたが、今となっては悔やまれます。
「白い男」ですが、主人は「ハクソウシン」という呼び方をしていました。ネットや図書館などで熱心に調べて、あれはそういうものであるとの結論に至ったようです。
私はそれを主人の妄想だと考えていましたが、MOJI様が同じ症状を体験しておられると知って驚きました。しかも、同じ映画を観たことがきっかけなのですね。
私には訳が分かりませんが、もし「ハクソウシン」が何なのかお分かりになりましたら、ぜひ教えていただきたいです。
主人の死に何らかの原因があったのであれば、知りたいと思っています。
※
(Wikipediaより)
白痩神
白痩神(はくそうしん)とは、日本に伝わる伝承で、黄泉の国の門番を務める死者の神。現生と黄泉の国との境界を乱した者を追いかけ、黄泉の国に連れ戻すとされる。
^概要
白痩神に関する最古の表記は平安時代に成立した日本霊異記に見られる。その多くは古事記のイザナギ・イザナミ神話からの派生である。死んだ妻に会うために黄泉国を訪れ、振り返ってはならないという禁を犯して、妻の腐敗した姿を見てしまったために追われるというイザナギ・イザナミ神話によく似た形のいくつもの説話が見られるが、その中で黄泉の門を超えて現世まで追いかけてくる役割を果たすのが白痩神である。
死体のような真っ白な体を持ち、骨と皮のように痩せこけている。その肌は弾力がなく、指で押すと凹んだまま戻らない。死・疫病・老化・腐敗などあらゆるタナトスの化身。生ける者に強い嫉妬の念を抱いており、激しい憎悪を持って生者を死の世界に引き摺り込もうとする。
白痩神は多くの説話で「見るなの禁」と共に描写されており、逆に言えば「見てしまう」ことがなければ狙われることはない。この説話構造には、死を直視することを禁忌とし視界から遠ざけることで穢れを避けようとする当時の考え方が反映されていると考えられる。疫病から距離をとらせるための経験則的な知恵であるとの説もある。
あらゆるものに神を見い出す日本人だが、白痩神は死体の神格化ということができる。
^出典:「白痩神と地方の怨霊信仰」(1994 山下篤郎)


PART 1
(ブログ「MOJIの映画レビュー」より)
映画「ファウンド・フッテージ」を観ました
2023-12-09 23:09
テーマ:ホラー映画
ファウンド・フッテージ(2023 日本)
監督/編集:大森昇
出演:田沼葉子、北川茂、三浦康二、山口ゆか、直江忠嗣、宇田川蓮
1:廃村のロケーションに感心
ホラー映画を撮るために山奥の廃村を訪れた映画学校の生徒6人。カメラを回しながら村を探索していくと、村のあちこちで奇妙な呪文の落書きや、不気味な藁人形が飾られているのを見ます。
やがて一人が姿を消し、探しているうちに夕刻へ。村で夜を越すことになりますが、それからも一人また一人と消えていきます。残されたヨウコとシゲルは村から逃げ出そうとしますが、なぜかどうしても出て行くことができません。
深夜に大勢が走り回る足音を聞いたシゲルはヨウコがいないことに気づき、山へ向かう松明の明かりを追いかけていきます。闇に響くヨウコの悲鳴。やがて、シゲルは不気味な洞窟に辿り着きます……。
手持ちカメラの映像による、モキュメンタリー形式のホラー映画です。
モキュメンタリーとは、ドキュメンタリーを装ったフィクションのこと。
上記のあらすじからもお分かりの通り、思いっきり「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を意識しています。
本当に最初から最後まで手持ちのハンディカム一台で撮った映像のみで構成されていて、その点では非常に潔い、ストレートなモキュメンタリー作品と言えます。
6人の学生たちは行方不明になったということで、カメラは現場となった廃村に遺留品として残されていたという設定です。その時点で、映画のオチがどうなるかまで分かっちゃう訳ですが。
低予算感はありありなのですが、感心したのはロケーションです。
山間の寂れた農村を舞台にしてるのですが、本当に廃村に見えるんですよね。
いい具合に生活感の残った、でもやっぱり荒れ果てた家屋のすさんだ雰囲気がとてもリアル。もしかして、実際に廃墟の村で撮ったのかな……?
家の中や納屋や倉庫、畑やビニールハウス、村役場とか公民館など。結構いろんな場所を舞台にしていて、映画に奥行きをもたらしています。
許可とか大丈夫だったのかな?と心配になったりもしますが。
2:なかなかリアルなモキュメンタリー
映像は基本、カット割りのないダラ撮りです。そこはまあ、モキュメンタリーなのでいいと思います。
たまにモキュメンタリーを銘打っておきながら、セリフごとにきれいにカットを割ったり、突発的な出来事をカメラが100%おさえていたりする作品があるんですよね。そういうのは嘘くさくて、萎えます。
本作ではその点はリアルなのだけど、一方でストレスもあります。ダラダラとただ移動するだけのカットが続いたり、セリフが被ったり、セリフを喋ってる人がフレームに入っていなかったりします。
その辺を見ると、普通の映画がいかに観やすく工夫されているかが分かりますね。
出演者はみんな知らない人たちでした(失礼!)。
もしかしたら本当に学生なのかな?とも思います。演技はあまり褒められたもんじゃない……正直言って。特に前半で消える三人は。
後半生き残る三人、特にヨウコを演じていた人は上手かったですね。僕が知らないだけで、活躍されている女優さんなのかもしれません。
上手いと言っても、終盤はひたすら悲鳴をあげてるばっかりなんですが。
3:何も見せないホラー演出
リアリティを重視してか、基本的に派手なことは起こらないホラーです。怪異を直接的に見せることは最後までなく、ただ不穏な雰囲気と、思わせぶりなカメラワークで「何かがいそうなムード」を演出しています。
そこは予算と技術の制約だと思いますが。できることが限られていそうな中で、本作のホラー演出はなかなか健闘してると感じました。
ところによっては、お金のかかったメジャー級の作品よりも真に迫って感じられたくらいで。
そう感じたからこそ、こんな無名な映画をあえて紹介している訳ですが。
映像は手持ちのハンディカムなので、常に主観映像なんだけど、「視界の端に何か見えたかもしれない」という演出が上手いんですよね。
村の中を歩いていく。視界の端の方の家の影に、何かがちらっと見えた気がする。ビクッとしてカメラをそっちに向けるけれど、何もない。
でも確かに、何かがいたような不穏な空気は残っている……。
というような、怖い気分になってる時のあの感じ。
何か決定的なものが見えた訳でもないのに、やけに過敏になってしまって、必要以上にビクビク、キョロキョロしてしまって、そのことでかえってますます怖くなってしまう……。
怯えてる人が陥りがちなそんな心理状態に、思わずシンクロさせられてしまいます。
で、この「気配」がだんだん近づいてきて、確かに何かが追ってくる。必死で走って逃げるけれど、やがて追い付かれ、捕まってしまう。
……というところも、肝心なものは何も見せない。追ってくるものも見せないし、捕まってどうなったかも(カメラが落ちてあらぬ方向を向いちゃうので)分からない。
実際に映るものは何もないんですけどね。それでもちゃんと怖いんですよ。
本作は基本この繰り返しなので、単調になりそうなものだけど、村のロケーションの中で場所を変えることで、上手くバリエーションをつけて飽きない作りになっています。
4:巧みな「分からない怖さ」
観ていてあらためて思ったのだけど、「怖い」って何か見た目の怖いモノが実際に出現するから怖い訳じゃなくて。
実際に怖いモノが出てくる前の、何かが出てくるかもしれない、出てきそう……っていう時がいちばん怖いんですよね。
実際に出てきてしまったら、どう対処するかという現実的な思考に切り替わる訳なので。本当に怖いのは、何と出会うことになるのかまだ分からない間だけ。
怖いというのは、分からないこと。
だから、暗闇が怖い。曲がり角が怖い。閉じたドアが怖い。
幽霊が怖いのも、正体が分からないからこそであって。
分からない怖さの究極が、「死」ということになるでしょうか。死んだらどうなるか、誰にも絶対に分からないですからね。
5:ラストシーンは魅力的!
終盤はヨウコが何者かに連れ去られ、シゲルが(カメラを構えて)追いかけていくことになります。
深夜の山道を進んでいくシーンは画面は暗いし揺れは激しいし、めちゃくちゃ観にくいのは否めないのですが。
でも、異様な迫力があるんですよね。見えないけれど、何かいる。人間ではない何かに、周りを取り囲まれている感覚。じっと見られているというぞわぞわするような視線。
そういうものを、画面越しでも確かに感じる。怖いです、本当に。
ずっとシゲル自身は映らず、カメラの主観が続くので、観ている自分がその場にいてヨウコを追いかけているような気持ちにされてしまうんですね。早くヨウコを助けなきゃ、という気持ちにまんまとされてしまう。
感情移入度が高いです。不安や焦燥感といった感情にどっぷりとハマる。
山上の神社の奥にしめ縄が張られた洞窟があって、シゲルは(カメラは)その中へ入っていきます。
そこから先は更に画面が暗くなって、正直何が何やらよく分かりません。
ずっと怪異を直接に映さない作品なのだけど、この闇の中の混乱のシーンで一瞬だけ、異様な白い男の姿がフラッシュのように映ります。
異様に痩せて頭髪もなく全身が白い、ゾンビか餓鬼のような不気味な男。
これが彼らを襲っていた魔物ということでしょうか。何となくは分かるけど、やっぱり説明不足ですね。せっかくここまで怪異を直接映さずに来たのに、ここで見せちゃうのもどうかな。
どうせなら最後まで何も見せないままでも良かったような気もします。
洞窟の奥には不気味な池があって、その前の祭壇にヨウコが横たえられている。
助けようとしたシゲルが池に引き込まれて消える。以降はヨウコ一人になります。
悲鳴をあげて死に物狂いで逃げるヨウコが、それでもシゲルが落としたカメラを拾って行くのはご愛嬌……ですね。
……なのだけど、ラストシーンは割と好きでしたよ。
ヨウコが洞窟を出ると朝日が昇っているんですよね。朝焼けの真っ赤な光の中で髪を振り乱し汚れた顔のヨウコを捉えたシーンは、ハッとするところがありました。
たぶん、「悪魔のいけにえ」のラストシーンのオマージュ。悪くない、美しさを感じるシーンでした。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
映画「ファウンド・フッテージ」について補足
2023-12-11 23:45
テーマ:ホラー映画
すみません今日は新作映画のレビューではなく、先日に書いた記事についての補足です。
12月9日更新の、映画「ファウンド・フッテージ」レビュー記事について。
これは相当マイナーな映画だったと思うのですが、当ブログでは異例なほど多くのコメントがつきました。
その中にいくつか、気になるご意見があったので……今回はそれについて、回答という形で書いておきたいと思います。
「ファウンド・フッテージ」という映画は本当に実在しているのか? 存在しない映画ではないのか?
……というご質問をいくつかいただきました。
これはちょっとびっくりでした! このブログではこれまでも、マイナーな作品もたくさんレビューしてきましたが、映画の存在自体を疑われたのはこれが初めてです。
僕が「MOJIの映画レビュー」だけでなく、海藤文字の名前で小説を書く活動もしてるので、その辺疑われたみたいです。
「ファウンド・フッテージ」は実在していますよ! 僕は12月8日に、大阪のヌーヴェル・シネマにて、レイトショー上映で観ました。
「NOBODY KNOWS! 誰も知らないホラー映画たち2023」という特集上映の1本でした。キャッチコピー通り、本当に誰も知らなかったという。
たまたま時間があった(そしてちょっと面白そうだった)のを観たので全然気づかなかったのですが、実は僕が観たその日限り、1回限りの上映だったようです。
僕以外のお客さんは……10人くらいだったでしょうか。少なくともその人たちは、実在を証明してくれるはずなんですが。
今回この指摘を受けてネットで検索してみたんですが、確かに全然情報が引っかかりませんでした。
大抵どんな作品でも、映画ドットコムとかナタリーとかFilmarksとかで情報が見つかるんですけどね。本当に、全然ない。
唯一引っかかったのは、上記「NOBODY KNOWS!」の紹介ページだけでした。
一応、そのリンクを掲載しておきます。
(リンクURL省略)
その紹介記事にしても情報は最小限しかなくて、簡単なあらすじだけ。スタッフ・キャストもレビュー記事に書いた監督と出演者6名の名前だけです。
そして、このスタッフ・キャストの名前で検索してもまったく何一つヒットしません。
これもちょっと驚きですよね……映画業界で活動している人なら、何らかの形でヒットするだろうと思うのですが。
ここから考えられるのは、次の二つの可能性ですね。
一つは、出演者たちは本当にまったくの素人であるということ。
本当に映画学校の学生で、本当にホラー映画を撮るつもりで廃村に出かけて、本当にそこで行方不明になって、本当にテープがファウンド・フッテージとして残された。
……とまではさすがに思いませんが! まあ、ちゃんとシナリオと演出があって、ただ映画を初めて撮る人たちが頑張ってそれらしく作り上げたのだろうとは、思いますが。
もう一つは、わざと素性を隠して、情報が出ないようにしているということ。
映画として割とよく出来ていたので、やっぱりある程度キャリアのある人が作ってるんじゃないかと思ったのです。たぶん発表されてる監督もキャストもみんな偽名なんじゃないかな。
そして、映画紹介サイトなどにも情報が出ないようにしている。(……ということが可能なのかどうか、よく分からないですが。詳しい人は教えて欲しい)
そして、口コミで評判が広がることを狙っているんじゃないかな。
徹底して「映画」であることを隠すことで、あたかも本当に「ファウンド・フッテージ」であるような……ホンモノの「発見されたテープ」であるように見せようとしている。
昔、よくありましたよね。心霊写真とかで、「他は偽物でも、これだけはホンモノらしい」なんてまことしやかな噂で回ってくるやつが。
いわゆるモキュメンタリー・ホラーがこれだけ流行ってる中で、それでも「どうやらこいつはホンモノらしい」という評判が盛り上がっていくことに挑戦してるんじゃないか。
そう考えないと、この情報の少なさは現代においてはむしろ不自然なのではないか……! なんてことを思ったりしたのです。どうなんでしょ。
もしそうだとしたら、当ブログの書きようは極めて不適切で。
本来なら、「検索しても情報がない! これはホンモノということでは!」というトーンで記事を書くべきだったのかもしれない。
空気読めてないのかな……もしそうだったらすみません。
いずれにせよ、俺も「ファウンド・フッテージ」を観たよ!という方、あるいは監督や出演者についての情報をお持ちの方、もしおられたら、またDMやコメント欄などで知らせていただけると嬉しいです。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
映画「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」ネタバレあり
2023-12-15 22:56
テーマ:ホラー映画
Talk to Me(2022 オーストラリア)
監督:ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ
出演:ソフィー・ワイルド
1:ドラッグ/ネットの暗喩としての憑霊
女子高生のミア(ソフィー・ワイルド)は、友達のジェイド、その弟のライリーと共にパーティーに参加。仲間内で流行っていた「90秒憑依チャレンジ」を体験します。それは呪物の「死者の手」を握って「トーク・トゥ・ミー」と呼びかけることで、死者の霊を呼び寄せ自らの体に憑依させるというもの。ただし90秒以内にやめないと、霊は出ていかなくなってしまうという危険な遊びでした…。
オーストラリア製のホラー映画。アメリカではA24による配給で、思わぬ大ヒットを記録した作品です。
カンガルーも出てきます! オーストラリアらしい映画としても楽しめます。
パリピと降霊術の組み合わせはなかなか新鮮ですが、本作における憑依はドラッグの暗喩ではあるんでしょうね。
興味本位で手を出して、心も体もボロボロになり、人生台無しにしてしまう……。
なんでわざわざこんな気持ち悪い死霊に自分から取り憑かれようとするのか……と思うけど、そもそも若者は意味のない危険なことを好きこのんでやりたがるものです。
悪ぶってみたり、酒やタバコ、ドラッグもそうですね。盗んだバイクで走り出したり。今だと自己顕示欲のあまりSNSで暴言を吐いたり、ネットで炎上しちゃうのも、似たような心理なのかもしれない。
「死ぬなんて怖くない」と粋がって見せるのは、自分からもっとも遠いものである(と思える)死への関心の現れでしょうか。
でも実際には死は思いのほか近くにあって、直面して初めてビビることになるわけですが。
2:世界が反転するホラーらしいオチ
本作は「オチのあるホラー」。
「ミステリーゾーン」的というか、「世にも奇妙な物語」的というか。
全体のプロットに絡めたからくりがあって、どんでん返し的な逆転があって、最後に皮肉の効いたブラックなオチが決まって、スッキリする…(あるいはホラーなのでいや〜な気分になる)のを楽しむ、そんな作品です。
具体的にどういうオチかは、書きませんが!
上手いですね。最後にグルンと、世界の見え方が反転する。
因果が閉じて、闇に落ちる。そこで初めて、それまで見ていたすべてが伏線だったことに気づく。
非常にホラーらしいダークで気の悪いオチで、これはなかなか良かった。ホラー映画として満足のいく「いや〜な後味」を味あわせてくれました。
3:最後の仕掛けは蛇足?
基本的にすごく面白かったのだけど、終盤、最近観たマイナーな日本映画「ファウンド・フッテージ」を思わせる場面があってちょっとびっくりしました。
最後の方で主人公が追い詰められてさまよってるシーンで、画面に一瞬だけ「白い男」が現れます。ちょうど「ファウンド・フッテージ」と同じような、痩せた陰気な白い男の姿が暗闇に浮かぶ。本当に、一瞬だけですが。
観ていてびっくりしたのだけど、これ映画の展開と何の関係もないんですよね。まあ、ミアが呼び出してしまった悪霊の顔であるということなんだろうけど。
この後に伏線回収される訳でもないので、本当に観客をびっくりさせるだけの、こけおどしでしかない。
これはいらんのじゃないかな……と思いましたよ。「ファウンド・フッテージ」に続いてだから、日米を超えて流行ってるんでしょうか。
※
(「MOJIの映画レビュー」12月15日記事のコメント欄より)
2023-12-18 16:11
SUZU Wrote
いつも楽しく読ませていただいています。
私も映画ブログをやってる、SUZUと言います。初めてコメントします。
「トーク・トゥ・ミー」私も観ました!
MOJIさんの記事を読んで観たいな〜と思って観に行きました。そんなに怖くはなかったけど、とても面白かったです!
ただ、MOJIさんが書いていた終盤に一瞬だけ映るという「白い男」なんですが。私は見つけられませんでした!
何も知らずに観たなら見落としもあるかと思うのですが、あらかじめMOJIさんの記事を読んで、結構楽しみに待っていたので。見落とすはずがないと思うんですよね。
それで思ったのですが、もしかして件の白い男って、MOJIさんだけに見えてるなんてことはないですか?
って、それは冗談ですけど! 何だか不思議に思ったので、報告させていただきました。
「ファウンド・フッテージ」もすごく観たいのですが、私の地元の名古屋では上映がないみたいで残念です。
それでは、また次の映画レビューを楽しみにしています!
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
お詫びと訂正:先日の「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の記事について
2023-12-22 21:44
テーマ:日記
すみません今回はお詫びです!
先日書いたホラー映画「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」のレビュー記事において、「終盤に一瞬だけ白い男が現れるシーンがある」と(批判的に)書いたのですが、そういうシーンはありませんでした。
どうやら、僕の思い違いだったみたいです。申し訳ありませんでした。
前回記事を発表後、いくつかコメントをいただきまして。いずれも「そんなシーンはないんじゃないか」というご指摘でした。(コメントいただいた皆さん、ありがとうございます!)
どういうわけか、僕はすっかり見たと思い込んでいたので、逆に皆さんが見落としているのだと最初思ったのです。
たくさんご指摘をいただいたので、何だよ、みんなちゃんと映画を観てないなあ!と思ってしまって。
何だか無性に気になってしまったので、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」2回目観てきましたよ!
予定してなかったのだけど。どうしてもそのシーンを確認して、「ほら見ろ!」と言いたかったので。
間をおかずの2回目なんでさすがに眠かったですけどね。必死で目を覚まして、目を凝らして画面を睨んでました。
特に終盤、この辺りだったはず……というところは、本当にまばたきもせずに観ていたんですが。
……なかったです。白い男なんて出てきませんでした!
どうやら本当に、僕の勘違いだったみたいです。
勘違いから勝手な濡れ衣を着せて、映画自体も批判しちゃっていました。大変失礼いたしました。
自分でも不思議なのですが、本当に見たと思い込んでいたんですよね。かなり強く信じていた。これは何なのか……と思うのですが。
自分が「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の中で見たと思ったのは、「ファウンド・フッテージ」に出てきた白い男の記憶だったんでしょうね。
似たようなホラーのシチュエーションで、連想することで「見えて」しまったのかもしれない。
レイトショーだったのでね。半分寝そうになって、うっすら夢を見てるような状態になってたのかも。
どうだったのか、真相は分かりませんが!
いずれにせよ、自分で思っていた以上に、「ファウンド・フッテージ」に強い影響を受けちゃっていたのかもしれません。
なんか悔しいんですが。あんな低予算の、インディーズ映画なのに!
あらためて、「ファウンド・フッテージ」すごいな!と思った次第でした。
※
(「MOJIの映画レビュー」12月11日記事のコメント欄より)
2023-12-23 22:45
ルルー Wrote
ファウンド・フッテージ、11月に東京で観ましたが、白い男の出てくるシーンなんてなかったと思います。映画は面白かったですが、ありもしないシーンがあるように書くのはどうかと思います。ステマでしょうか?
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
緊急アンケート:「ファウンド・フッテージ」の白い男について
2023-12-26 00:17
テーマ:日記
今回も映画レビューじゃないです! たびたびすみません。
ちょっとややこしいので、これまでの経緯をまず説明しますと……。
まず、12月9日に映画「ファウンド・フッテージ」のレビュー記事を書きました。
これは日本のホラー映画なんですがどうも自主制作らしくて、上映回数も非常に少なく、観た人が非常に少ない映画です。もはや「幻の映画」と言っていいくらい。
この映画の中に「一瞬だけ白い男が映るシーン」があって、そのことについてもレビューで書いていました。
それから、オーストラリアのホラー映画「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」がありました。
僕はこの映画の中にも「白い男」を見た気がしてしまって、記事にもそう書いたんですよ。そしたら、多くの人からコメントでお叱りを受けまして。
もう一度映画を観直してみたら、そんなシーンはなかった……という。
どうやら「ファウンド・フッテージ」の影響で、ありもしない場面を見たと思い込んでしまったようだ……ということになったのですが。
……という経緯だったのですが、今度は「ファウンド・フッテージ」のコメント欄に読者の方からコメントがありまして。
「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」だけでなく「ファウンド・フッテージ」にも、白い男の出てくるシーンなんてなかった!というのです。
ステマではないか?とまで言われてしまったのですが。
断じてステマなどではないです! 僕はこの映画と何の利害関係もないですし。
白い男のシーンを僕は確かに見て、その記憶を元にして前の記事を書いたのです。それ以外に他意は決してありませんでした。
なのですが、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」でも僕はありもしないシーンを見ちゃっているようなので。実は映画と関係なく、僕が個人的に呪われてるのかもしれない。
……って、それちょっと怖すぎるんですけど。
という訳で、あらためて緊急アンケートをとりたいと思います!
「ファウンド・フッテージ」を観たという方、「白い男」のシーンがあったかなかったか、ぜひ情報をお寄せいただければと思います。
その際に、いつ、どこの上映で観たかもあわせて教えていただければ、と。
該当シーンは映画の終盤、カメラがヨウコを追いかけて神社の奥の洞窟に入って、闇の中を進んでいくシーンにあるはずです。
一瞬ですがサブリミナルというほど極端に短いものではなく、はっきりと見えたので、見落とすことは少ないと思うのですが。
という訳で、この謎が解けないと怖くて夜も眠れないので!
どうかご協力を、よろしくお願いいたします。
※
(「MOJIの映画レビュー」12月26日記事のコメント欄より)
2023-12-26 22:10
通りすがり Wrote
こんにちは!ぼく自身は「ファウンド・フッテージ」まだ観られていないのですが、観た方のブログを見つけましたよ。
結構な酷評ですが!
この記事の中に、「白い男」の話が出てきます。
参考になるかもなので、のぞいてみてください。それではこれからもがんばってください!
(該当ブログへのリンクURLを省略)
※
(ブログ「コロ助のシネマ談義」より)
2023年11月28日更新
「ファウンド・フッテージ」
結局何も起こらない、思わせぶりなだけのクソ映画 10点
いや〜ひさびさに正真正銘のクソ映画に当たってしまった。
大抵のクソ映画は、面白いところもあるけどここはヒドイとか、全体的にヒドイけど光るものもあるとか、言えるもんだけど。
この映画は、いいところひとつもなし! あえて言おう、ゴミであると。
今はやりのモキュメンタリー形式。映画を撮りにきた若者たちが行方不明になって、彼らが撮ったビデオの映像だけが残されたという設定なのだが、それって「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の丸パクリだ。
パクリでも、新しい工夫が何かあればいいのだが。これはただパクっただけ。何の新しさも見当たらない。
ニセドキュメンタリー形式なので、映像はすべて手持ちのビデオカメラで撮った画像だ。これがもう、ものすごく見づらい。
手持ちだから手ブレしまくりだし、画質も粗く、観ているうちに気持ち悪くなってくる。
それでお話が面白ければまだ我慢もしていられるが、とにかくつまらない。何も起こらない若者たちのやりとりがダラダラと続くだけ。
書いていても腹が立ってくるが、これはもう映画の体をなしていない。素人のホームビデオの方がまだ観られるくらいじゃないだろうか。
話はあってないようなものだ。個性のない、見分けもつかないような連中が、一人ずつ何かに襲われ、行方不明になっていく。
その「何か」は最後まで画面に映ることはなく、何が起きてるのかもわからない。
カメラを持った奴が何やら怪しい気配を感じ、逃げ始めて、そこらを走り回り、やがて追い付かれて捕まる……という繰り返しなのだが、設定に縛られて違う見せ方もできない。ひたすら同じことを人数分繰り返すだけだ。
残されたカメラは別の人物が拾い上げ、今度はそいつが視点人物になって、そして次はそいつが襲われる。それをリレーみたいに繰り返して、カメラをバトンタッチしていく。設定上そうするしかないのだが、いくらなんでも不自然だ。
最後の方は生き残った女の子が何者かに連れ去られ、もう一人残った男が助けようと追いかけるという展開になって、多少は盛り上がるかと思わせるが、それも虚しい。そんな必死な状況なのに、律儀にカメラを離さず撮影をやめない。自分で作った設定にハマって、矛盾になってしまってる。
女の子がさらわれるところでは、人間の集団がさらったかのような描写になっているのに、後の方になるとそんなことは忘れられて、異世界の魔物がいるような話になってしまう。話が一貫していない。
神社の奥の洞窟が異世界と繋がっていて、魔物はそこから出て来たと言いたいようだが、伏線もなく説得力がない。カメラが洞窟の中に入ると真っ暗で、いよいよ何が何やら分からない。
この闇の中で、一瞬だけこっちに向かってくる何者かが見えた時はちょっとドキッとしたけど。
いや、何だか全裸の真っ白な男がこっちに向かって走ってくるのが一瞬だけ映るのだけど。伏線もへったくれもない。これだけ引っ張ったあげくに出現するのが全裸の変態男では、いくらなんでもあんまりだ。
一瞬だったのでよく見えなかったけど、大事なところまで映っちゃっていたのでは?
この男にしても、映るのは一瞬だけなので、何者だったのか謎のまま。
何の真相も明かさないままギャーギャー逃げまどったあげく、最後に残った女も洞窟を出たところで倒れ、カメラは放り出され、まさにほったらかしで映画は終わってしまう。
なめるな!と叫びそうになったよ。数人しかいない客はみんな同じ気持ちだっただろうから、叫んでも怒られなかったと思うけどね。
最後まで、まったくいいとこなしだった。なぜこれを映画館で上映しようと思ったのか……。
神社に入っていくところとか、平気で土足で踏み荒らしていたし、洞窟の祭壇でもお札やお供え物を踏みにじっていた。
どこでロケしてるのか知らないけど、これバチが当たるんじゃないだろうか。
というか、バチが当たって欲しい。
唯一良かったのは、最後に残る女を演じていた女優がまあまあかわいかったことくらいだ。
それでどうにかオマケの10点。映画自体は0点だな。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
続報:「ファウンド・フッテージ」の緊急アンケートについて
2024-01-04 01:09
テーマ:ファウンド・フッテージ
皆さんあけましておめでとうございます。今年もぼちぼち映画を観て、感想を書いていこうと思っております。どうぞよろしくお願いします。
……なのですが、去年からの宿題を抱えたまま、年越ししてしまいました!
まずはこれを片付けないと、新年の気分にもなれない。
という訳で、新年一発目からで恐縮ですが、「ファウンド・フッテージ」の記事になります。
アンケートにご協力ありがとうございました。いくつか、有力な情報が寄せられました。
まず、「ファウンド・フッテージ観たよ!」という報告は14人。
これが多いのか少ないのか……まあ、もっとたくさんのフォロワーを持つ人がSNSで聞いたら、はるかに多くの情報が寄せられそうな気はしますが。
あるいは、そうでもないのかな。何しろ観た人の絶対数が少なそうなので。
うち8人は2023年11月8日、東京での上映を観た方でした。
どうやら、東京でも上映はその一回だけだったみたいです。だから本当に、観た人が少ない。
6人は僕と同じ、12月8日大阪での上映を観た方でした。
で、問題の「一瞬だけ映る白い男」なんですが。
「そんなものは見なかった」という人が、14人中11人。
ただし「たぶん見なかったと思う」「見たかどうか覚えていない」「途中から寝ていたので分からん」という方も含みます。
「それらしいものを見た」という人が3人。
miu777さん「東京での上映で、白い男のようなものを見た気がします。一瞬だったので、あまり自信はありませんが、MOJIさんの記事を読んでそう言われれば男だったかも……と思ったのです」
名無しの権兵衛さん「東京で観た。白い男を見たと思う。普通に映画の一部だと思っていたので、見えない人もいると聞いてびっくり」
村上さん「たぶん男を見た気がしますが定かではありません。白い女だったかも。映画を観たのは大阪です」
更に、前回記事のコメント欄で教えていただいたブログがあります。
「コロ助のシネマ談義」という、10年以上の歴史を持つ老舗の映画ブログです。「ファウンド・フッテージ」の今のところ当ブログ以外で発見できた唯一のレビュー記事なのですが。
この著者の方も、「白い男」を見たと書いておられるのですよ。
見た箇所も同じ、内容もほぼ同じであるようなので、僕と同じものを見ている人が少なくとも一人はいる訳です。
記事の日付から考えて、11月8日東京での上映を観た方と思われます。
ブログの著者の方にメッセージを送ってみたのですが、今のところ返答はないです。
どうも、まだまだ謎の多い感じです。「ファウンド・フッテージ」でこんなに引っ張ることになるとは思わなかった。
そんなに気になるなら、作った人に聞いてみては?というご意見もいただくのですが。この映画に関しては、作った人の情報もほとんどないんですよ。前に書いたように分かっているのは監督とキャストの名前くらいだし、その名前で検索してもまるっきりヒットしない。
どなたか、この映画の制作者につながる情報をお持ちの方も、お知らせいただけると嬉しいです。こうなったら、ちょっと頑張って調べていきたいと思ってるので!
考えすぎるせいか、あの後何本か映画を観てるんですけど、そこにも「白い男」が出てきちゃっているんですよ。
ホラー映画ならまだしもなんですが。カウリスマキの「枯れ葉」やヴェンダースの「PERFECT DAYS」にまで……となると、嫌でしょう、かなり。
という訳で、映画館からも足が遠のいてしまっています。またアレを見ちゃったら……と思うと。
早めに疑問を解消して、呪い?から解放されたいと思います。引き続き情報をお待ちしています!
※
(「MOJIの映画レビュー」1月4日記事のコメント欄より)
2024-01-04 20:18
SUZU Wrote
MOJIさん、あけましておめでとうございます! SUZUです。
今年もよろしくお願いします!
なんだか大変なことになってきましたね。
役に立つか分からないのですが「ファウンド・フッテージ」の製作会社と思われるものを見つけました。
NOBODY Incという会社です。
(ホームページへのリンクあり)
「ファウンド・フッテージ」を上映した大阪の映画館(MOJIさんが記事に書いてたので)に問い合わせたところ、教えてもらえましたよ。
ホームページに窓口があったので、メールで問い合わせてみてはと思います。
もうご存知だったらすみません! 早く解決して、また楽しい映画レビューを読めるのを楽しみにしています。
※
(コメントへの返信)
2024-01-04 23:05
MOJI Wrote
SUZUさん、あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます!
制作会社についての情報提供、ありがとうございました。
わざわざ映画館で聞いていただいたんですね。本当に感謝です!
メールを出して尋ねてみようと思います。
※
(「MOJIの映画レビュー」1月4日記事のコメント欄より)
2024-01-05 10:55
通りすがり Wrote
これ、MOJIさんじゃないですか?
(リンクURL)
※
Dr.井桁の心の悩み相談室(2023.12.22更新)
【#0249】全裸の男に追われています
Q: 40代男性です。趣味は映画鑑賞です。
ここ最近、私を追いかけてくるものがあります。それは全裸の白い男性です。おそらくは洞窟にいた男と同一人物と思われますが、必ずしもはっきりとは姿を現さず、映画のスクリーンの中にいて、ライトの届かない暗闇や柱や看板の影などに隠れているので定かではありません。しかしそれが存在するのは確実で、その証拠に映画のストーリーはめちゃくちゃになってしまいます。ホラーを観る時だけでなく、ドラマ映画でも恋愛映画でも、何でも出てくるのでノイローゼになりそうです。かといって映画を観るのをやめると、全裸の男に私が気づいていると知られてしまうので、映画館に行かないわけにもいきません。そうこうするうちにだんだん近づいてきている気がします。そろそろスクリーンから出てきそうです。私を捕まえようとしているのが分かります。逃れるためには、私は洞窟に行かなければならないでしょうか。
A: あなたは統合失調症だと思います。洞窟に行く必要はありません。精神科を受診して治療を受ければ、あなたの感じている状況は改善します。なるべく早く受診して、担当の先生にありのままの体験を話してみることをおすすめします。そうすれば、心おきなく映画を観ることができるようになるでしょう。
※
2024年1月5日に発送されたメール
NOBODY Inc ご担当者様
突然のご連絡、失礼いたします。
私は映画レビューブログ「MOJIの映画レビュー」を執筆しております、MOJI(海藤文字)と申します。
実は、御社が製作・配給された映画「ファウンド・フッテージ」についてどうしてもお伺いしたいことがありまして、メールをさせていただきました。
私は2023年12月8日に、大阪のヌーヴェル・シネマで20時50分より上映された「ファウンド・フッテージ」を観ました。
その際、映画終盤の洞窟内のシーンで、一瞬だけ「白い男」がインサートされる場面があったと記憶しております。
奇妙な話なのですが……実はそれ以来、別の映画を観ても、映画の中で一瞬だけ「白い男」が現れるという現象に悩まされているのです。
信じられないと思いますが、嘘ではないのです!
本気で悩んでおります。映画を観ることを何よりの趣味とする者にとって、観る映画のすべてに一瞬とはいえ「関係ないシーンが現れる」ことを想像していただくと、いかに最悪な事態であるか、分かっていただけるのではないかと思います。
「ファウンド・フッテージ」以降、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」「みなに幸あれ」「枯れ葉」「PERFECT DAYS」と4本の映画で、この現象に見舞われてしまっております。
なぜこのような現象が起きているのか、正直まったく分かりません。
ブログでアンケートをとってみたところ、私と似たものを見ていると思われる方が数人、見つかりました。
なので、私の個人的な問題であるとは言い切れない、と思っているのですが。
不安を解消するためにも、いくつか質問に答えていただけるとありがたいと思っております。
質問1
「ファウンド・フッテージ」終盤(ヨウコが洞窟に入ってから、祭壇のある空間に出るまでの間)において、「闇の中に浮かぶ白い男」が一瞬だけ映るシーンは、実在しているでしょうか?
質問2
「ファウンド・フッテージ」にサブリミナル効果などの、見るものに暗示をもたらす仕掛けがされているということはあるでしょうか?
質問3
「ファウンド・フッテージ」が製作された経緯を教えていただくことは可能でしょうか?
スタッフまたはキャストの方のどなたかに、話をお聞きすることが可能であれば、ぜひお願いしたいと思っています。
映画の戦略上、明らかにできないこともあるのかもしれないですが。
伏せておくべき事柄でしたら、その旨をお伝えいただければブログには掲載しないようにします。
あらためて書いてみると、信じられない奇妙な話なのですが。本人としては、かなり本気で悩んでおりまして、恥ずかしながらこのようなメールを出させていただいた次第です。
お忙しい中お手数ですが、可能なところだけでもご返答いただければと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
※
1月4日記事のコメント欄より
2024-01-06 02:58
名なし Wrote
「ファウンド・フッテージ」にかかわるのはやめた方がいい。
あれは映画ではない。
※
(「MOJIの映画レビュー」より)
続報その2:「ファウンド・フッテージ」について
2024-01-08 01:41
テーマ:ファウンド・フッテージ
このところ、まともに映画レビューが書けていません……楽しみにされている方(もしいたら!ですが)申し訳ありません。
前回の更新以降、映画自体はいくつか観てるんですが。なんとそのいずれにも、例の「白い男」が現れておりまして。
(「白い男」が何のことか分からない方は一連の「ファウンド・フッテージ」記事をご覧ください)
正直、映画に集中できない。没頭してても我に返っちゃうし、気になるとそればっかり待ち構えて映画の筋が分からなくなってしまいます。
観た映画、どれもいい映画だった気がするんですが。うろ覚えで、まともなレビューは書けそうもない感じです。
何人かの方にコメント欄で言っていただいているのですが(リアルでも、親とか友人とか周囲の者に言われてしまってますが)、精神科を受診すべきなのかな……とは思います。
ただ、精神症状であるとしたら、「映画を観ているときだけ発症する」というのはちょっと奇妙じゃないかとも思うのですよね。
何らかの精神疾患だとしたら、映画を観てるときだけに限らず、普段からおかしなものが見えるのではないかと。
じゃあ何なんだ……ということになるのですが、ふと思ったのは、これは暗示なのではないかと思ったのです。
「ファウンド・フッテージ」という映画には、何か人に強い影響を与えるような、強力な暗示効果が込められていたんじゃないか。
サブリミナル効果ってありますよね。意識に止まらないような一瞬の映像を混ぜることで潜在意識に働きかけて、ものを買わせたりする。
「白い男」はサブリミナルというよりははっきりと見える映像でしたが。
でも、目に見えた映像以外にも、実は何かが仕掛けられていたのかもしれない。
サブリミナル効果は、テレビなどでは禁止されてるそうですが。でも「ファウンド・フッテージ」はインディーズ映画ですからね。話題作りのために、そういうこともやるかもしれない。
そんなふうに思うのは、僕以外にも「ファウンド・フッテージ」を観たことで同じ症状に悩んでいる人がいるようだからです。
以前の記事で少し触れた、映画レビューブログ「コロ助のシネマ談義」の人です。この方は「白い全裸の男」という表現をされてますが、僕と同じものを見ているものと思われます。
この方によるものと思われる投稿を、別のサイトで発見したのです。「Dr.井桁の心の悩み相談室」という、精神科医がメールで悩みに答えるサイトなのですが。
そこに「白い全裸の男が迫ってくる」という相談があったんですよ。
「現実じゃなくて、映画のスクリーンの中に出現して追いかけてくる」ということを真剣に相談してる。
実はこれ、読者の方に「これMOJIさんじゃないですか?」って教えてもらった相談です。僕ではなくて、たぶん上記ブログのコロ助さんだと思うんですよね。「全裸の男」という表現が一致するので。
心配なのは、この方がかなり心のバランスを崩してしまっているように見えることです。精神科医の方には「統合失調症だから病院へ行け」って言われてしまってる。
「コロ助のシネマ談義」もずっと更新が止まったままです。コメントやDMで連絡を取ろうとしているのですが、今のところまだ返答はもらえていません。
もし本当に映画に何か仕掛けられているのだとしたら、実際に影響を受けて病んでしまってる人がいるので、これはかなり問題です。
それで現在、「ファウンド・フッテージ」の製作元と思われる映画会社に問い合わせをしています。こちらも、まだ返事はもらえていませんが……。
この会社にしても、簡単なホームページしかなく、ほぼ情報がないのが現状です。
いろいろと、だんだん洒落にならない状況になってきたので、頑張って食い下がって調べていこうと思っております。
「ファウンド・フッテージ」について、またその製作者のどなたかについて、情報をお持ちの方はお知らせいただければありがたいです。引き続きよろしくお願いします。
※
(「MOJIの映画レビュー」1月8日記事のコメント欄より)
2024-01-11 03:49
名なし Wrote
「ファウンド・フッテージ」にかかわるのはやめた方がいい。
あれは映画ではない。
※
2024年1月12日に発送されたメール
MOJI様
いつも大変お世話になっております。
NOBODY Inc 営業部の坂内と申します。
平素は弊社の映画作品をご鑑賞いただき、誠にありがとうございます。
弊社配給作品「ファウンド・フッテージ」に関してのお問い合わせについて、可能な範囲でお答えさせていただきます。
「ファウンド・フッテージ」なのですが、こちらは実は純粋な弊社製作作品ではございません。
完成品の形で外部から持ち込まれた作品です。そしてそれは、実際に現場に遺棄されていた映像を回収したものとされております。
つまり、映画の中で紹介したそのままであるということです。「ファウンド・フッテージ」はドキュメンタリーなのです。
……というのが、この映像を弊社に持ち込んだ人物の主張するところになっております。
その真偽は、申し訳ありませんが、弊社でも把握はしていないというのが現状になります。
こういう、モキュメンタリー作品というのはプロレス的な性質もありまして。創作であるかそうでないか、犯罪的な事象が記録されていたり、盗作であったりしない限りは特に気にしないというのが正直なところです。
本作品が現在のところ限定的な公開にとどまっているのは、そのような事情にもよるものです。
本作品を持ち込んだ人物とは現在定常的な連絡がとれていない状態です。従って、今のところ今後の上映の目処も立っておりません。
ご質問にありました「瞬間的なインサートシーンの有無」「サブリミナル的な仕掛けの有無」につきましては、そのようなものは確認していないというのが弊社の立場になります。
私自身、本作品は鑑賞していますが、ご指摘のようなシーンは記憶にございません。
ただ、上記のように製作者と連絡がつかない状況なので、サブリミナルのような知覚できないレベルの仕掛けに関しては、もしあったとしても分からないというのが回答になります。
MOJI様におきましては、映画鑑賞に支障をきたす事態になっているとのことで、ご心痛をお察しいたします。
ただ、その因果関係は弊社には予測のしようもなく、実際に関係あるかどうかも分からないとしか言えないことをご了承いただきたく存じます。
最後に勝手なお願いなのですが、本メールの内容につきましては、ブログ等での公開はお控えいただきますようお願いいたします。
それでは、今後もますますのお引き立てをよろしくお願い申し上げます。
NOBODY Inc
映画営業部 坂内翔太
※
(ブログ「SUZUの映画館に行こう!」より)
突撃! 謎の映画会社 の巻
2024-01-15 17:12
テーマ:日記
みなさんこんにちは! SUZUです。ドキドキ映画ライフ、楽しんでいますか?
今回はいつもと変則的なんですが、謎の映画会社に突撃〜!してきたので、そのリポートを書きたいと思います。
謎の……というのは、NOBODY Incという映画製作会社です。
なぜ謎か?ということに関しては、「MOJIの映画レビュー」さんの記事を見ていただくと分かると思います。
MOJIさんは私が愛読している映画レビュアーのブロガーの方です。
「ファウンド・フッテージ」という映画を観て以来、謎の現象に悩まされているのです。どんな映画を観ても、「全身真っ白の男」が一瞬、画面に現れるという現象です。
MOJIさんの身に何が起きているのか謎で、本当に心配なのです。
「ファウンド・フッテージ」はネット上に全然情報が出ていない映画なのですが、上映された映画館に聞いて、製作会社を突き止めることができました。
それがNOBODY Incという会社です。NOBODY……誰でもない? 社名からも謎の匂いがぷんぷんしますね。
MOJIさんにお伝えして、MOJIさんもメールで問い合わせをされたようなのですが、返事はもらえていないようです。
で、ほとんど何も書いていないホームページをよく見たら、この会社は名古屋にあるじゃないですか!
偶然にも、私の近所。生活圏内です。
これはもう、行くしかあるまい!ということで、果敢に一人で突撃取材をぶちかましてきました。
(MOJIさんには内緒で行動してしまいました! 勝手な行動をしてすみません!)
NOBODY IncさんはJR鶴舞駅から歩いて十分ほどの、住宅街のごく普通のマンションの一室にありました。
ピンポンして事情をお話しして、かなり怪しまれたんですが、どうにか通していただいて、お話をお聞きすることができました。
お話をお聞きしたのは、営業部のSさん。
NOBODY Incさんは「震える指」「因習村リビングデッド」「アンダーグラウンド・リチュアル」などのインディーズホラー映画を製作されている会社だそうです。(どれも未見ですが……)
ただ、その中で問題の「ファウンド・フッテージ」だけは、自社製作ではなく外部からの持ち込み作品であるということです。
ここで、驚きの事実が判明しました!
なな、なんと……!「ファウンド・フッテージ」は正真正銘、本物のファウンド・フッテージだった!
……ややこしいですね。要は作られた劇映画ではなく、本当に現場に残されていたビデオカメラに残っていた映像であるということですね。
みんな、偽のドキュメンタリー……いわゆる「モキュメンタリー」だと思って観ていたのだけど、実は本当に本物の、嘘のないドキュメンタリー映像だったというのです。
ということは、映像に映っていた6人の人たちは本当に失踪したことになる訳ですが。
そんな事件が本当にあったのか……までは、Sさんも把握されていないようでした。
私も帰ってからニュースを検索したりしてみたのですが、まだ調べきれていないです。この点については、引き続き調べてみたいと思っています。
「ファウンド・フッテージ」が本物の怪奇現象を捉えた映像なのだとしたら、そこに映っていた「白い男」も本物の悪霊ということになりますよね。
映画の登場人物たちを襲った悪霊が、録画された映像の中に入ってしまって、それを観たMOJIさんに取り憑いて、映画のスクリーン越しに近づいてきている……?
そうだとしたら、MOJIさんはかなりヤバイのでは……?
映像を持ち込んだという人が、どうやって映像を手に入れたのか。
あの村や洞窟はどこにあるのか。
詳しいことを聞きたかったのですが、Sさんも知らないみたいでした。
かえって謎が増えた感もありますが、この件についてはまだまだ追及していきたいと思います。ご期待ください!
※
(ダイレクトメッセージ:MOJI→SUZU)
2024-01-15 21:30
SUZUさんこんにちは! 今回はDM機能で失礼します。
ブログを見て、びっくりしました。NOBODYさんの会社に直接行かれたんですね。すごい行動力!
本来こちらでやるべきことを代わりにやっていただいてるようで、恐縮です。
お伝えしなければいけないのは、実はこちらもNOBODY Incさんから返事をいただいていたということです。
「ファウンド・フッテージ」が持ち込み作品であること、本当に遺棄された映像だった(というテイである)ことも、教えてもらっていました。
公表しないよう言われていたので、ブログも書かなかったし、SUZUさんにもお伝えしていませんでした。すみません!
ただちょっと、細かいニュアンスは違っていたような。
「ファウンド・フッテージ」が本物であるとして持ち込まれたのは事実ですが、NOBODY Incさんはそれについては半信半疑というか。
まあ、作り物であることは分かった上で、相手の言い分に乗ってるって感じでしたよ。担当者さんは「プロレス」って書いてました。
あと、僕は「ブログでの公開は控えてくれ」と言われたんですが、SUZUさんはそう言われませんでしたか?
公開しちゃって大丈夫でしょうか……すいませんちょっと気になったので!
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(ダイレクトメッセージ SUZU→MOJI)
2024-01-15 23:15
MOJIさんありがとうございます〜!
お気遣いありがとうございます。なるべく公表して欲しくない的なことはやんわりと言われた気がしますが、でもそれは別に強制力ないですよね。
というかMOJIさんが今まともに映画が観られずレビューも書けない状態になっちゃっているのは「ファウンド・フッテージ」のせいなので、彼らはどうこう言える立場じゃないですよね。
私はMOJIさんに元のようにレビューを書いて欲しいんです!
それに自分でもかなり好奇心が出てきてしまってるので。別にMOJIさんのためだけで動いてる訳ではないのでお気遣いなく。
また何か分かったらお知らせします!
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ブログ「コロ助のシネマ談義」より
2024年1月22日更新
読者の皆さま
当ブログ管理人コロ助の妻です。
当ブログ管理人のコロ助ですが、1月14日に急逝いたしましたことをお知らせいたします。
皆さま驚かれるかと思いますが、映画鑑賞中の突然死でした。あまりにも突然のことで深い悲しみに暮れていますが、何よりも映画を観ることを愛した主人らしい最期だったとも思います。
当ブログをご愛読いただき、生前に主人と親交を結んでいただいた皆さま、誠にありがとうございました。
なお、コメント欄は勝手ながら閉鎖させていただきます。しばらく後に、このブログは削除させていただきます。
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2024年1月24日に発送されたメール
MOJI様
バタバタしていて、ようやくメールに気づきました。失礼しました。
ブログでお知らせしました通り、「コロ助のシネマ談義」ブログ管理人であった主人は1月14日に急逝しました。
映画館の座席に座ったままの突然死で、他の観客の方も誰も異常に気づかず、映画が終わった後に映画館スタッフの方に発見されるという最期でした。
検死によれば、死因は心臓発作であるとのことでした。
MOJI様のお尋ねでした「白い男」は、確かにこの一ヶ月ほど、主人の悩みの種になっていました。
どの映画を観ても、一瞬だけ白い裸の男が映っているのだと主人は言っていました。非常に嫌がっている様子でしたが、それでも映画館通いはやめませんでした。
唯一の趣味なので止めませんでしたが、今となっては悔やまれます。
「白い男」ですが、主人は「ハクソウシン」という呼び方をしていました。ネットや図書館などで熱心に調べて、あれはそういうものであるとの結論に至ったようです。
私はそれを主人の妄想だと考えていましたが、MOJI様が同じ症状を体験しておられると知って驚きました。しかも、同じ映画を観たことがきっかけなのですね。
私には訳が分かりませんが、もし「ハクソウシン」が何なのかお分かりになりましたら、ぜひ教えていただきたいです。
主人の死に何らかの原因があったのであれば、知りたいと思っています。
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(Wikipediaより)
白痩神
白痩神(はくそうしん)とは、日本に伝わる伝承で、黄泉の国の門番を務める死者の神。現生と黄泉の国との境界を乱した者を追いかけ、黄泉の国に連れ戻すとされる。
^概要
白痩神に関する最古の表記は平安時代に成立した日本霊異記に見られる。その多くは古事記のイザナギ・イザナミ神話からの派生である。死んだ妻に会うために黄泉国を訪れ、振り返ってはならないという禁を犯して、妻の腐敗した姿を見てしまったために追われるというイザナギ・イザナミ神話によく似た形のいくつもの説話が見られるが、その中で黄泉の門を超えて現世まで追いかけてくる役割を果たすのが白痩神である。
死体のような真っ白な体を持ち、骨と皮のように痩せこけている。その肌は弾力がなく、指で押すと凹んだまま戻らない。死・疫病・老化・腐敗などあらゆるタナトスの化身。生ける者に強い嫉妬の念を抱いており、激しい憎悪を持って生者を死の世界に引き摺り込もうとする。
白痩神は多くの説話で「見るなの禁」と共に描写されており、逆に言えば「見てしまう」ことがなければ狙われることはない。この説話構造には、死を直視することを禁忌とし視界から遠ざけることで穢れを避けようとする当時の考え方が反映されていると考えられる。疫病から距離をとらせるための経験則的な知恵であるとの説もある。
あらゆるものに神を見い出す日本人だが、白痩神は死体の神格化ということができる。
^出典:「白痩神と地方の怨霊信仰」(1994 山下篤郎)
