44.


加藤が本当に亡くなったのかを確かめるため、彼から聞いていた自宅の住所を訪ねました。

しかし、そこに広がっていたのは住宅どころか、ただの荒れた空き地でした。

胸の奥が凍りつくような感覚を覚えました。

彼は何者だったのか、何のために私に近づいてきたのか―――。

彼は死んだのか? それとも死んでいないのか? ならば、なぜ彼は自らの死を偽装したのか?

すべての意図が分からず、不安と恐怖が日に日に増していきます。


さらに、ホテルに戻った際、フロントで手紙を預かっていると言われました。

誰も私の宿泊先を知るはずがないのに。

手紙を手に取った瞬間、底知れぬ恐怖が全身を駆け巡りました。

怖くて開けることができませんでした。

代わりにその手紙を阿刀さん宛てに送らせていただきます。

もしも、この中に16文字の漢字が書かれていたら、絶対に読まないようにしてください。

絶対に読まないようにしてください。


絶対に、です。

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※この手紙とともに、署名のない一通の封筒が同封されていました