「十六字」およ び「百足」の関連資料集成(仮)

1.あめつちの詞

あめつちの詞(あめつちのことば)とは、仮名48字からなる誦文のこと。
単に「あめつち」ともいう。
今日までの国語学・言語学における研究では平安時代初期に作られたとされている

【解説】
あめつちの詞が出てくるもっとも古い例は、 源順(911年 - 983年)の私家集『源順集』である。
その中に、あめつちの詞の仮名を以下のようにはじめと終りに置いて詠んだ「あめつちの歌」があり、和歌の内容を春・夏・秋・冬・思・恋の構成としてそれぞれ8首、合わせて48首が収められている。

あらさじと うちかへすらし をやまだの なはしろみづに ぬれてつくるあ
めもはるに ゆきまもあをく なりにけり いまこそのべに わかなつみてめ
………

以下は略すが、これによってあめつちの詞を"復元"すると次のようになる。

あめ つち ほし そら
やま かは みね たに 
くも きり むろ こけ
ひと いぬ うへ すゑ 
ゆわ さる おふせよ えの𛀁を なれゐて

(※𛀁は、旧字体で[ye]に該当する仮名文字)

見られるようにおおむね2音節の言葉を連ねており、冒頭から「さる」までは、
天 地 星 空 山 川 峰 谷
雲 霧 室 苔 人 犬 上 末 硫黄(?) 猿
という言葉を並べたものとみられるが、

それ以降の「おふせよ えの𛀁を なれゐて」は意味不明な語の羅列になっていて、形式的にも破綻している。

==== ==== ==== ====

「あめつちの詞」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
2024年11月14日 (木) 19:35 UTC、
URL: https://w.wiki/Cn59






2.掲示板「深夜のダム湖底橋を見てきた」【画像あり】

1 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:27:16.78 ID:XXXXXX
ダム湖にある赤い橋、見てきた
23:30現在、車は路肩駐車
橋がぼんやり見えてる
つ 画像.jpg

2 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:28:45.12 ID:YYYYYY
>>1
こんな時間に何してんだよw
そこ照明皆無だろ、気い付けろよ

3 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:31:22.45 ID:XXXXXX
外灯が数個あるけど大して明るくない
懐中電灯持って歩いてく
誰もいねぇ…

4 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:32:55.89 ID:ZZZZZZ
赤い橋ってアレか
昼間は普通なんだけどな…夜やばいって噂

5 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:34:17.23 ID:XXXXXX
橋のフレーム太いな
塗装剥げてサビサビ
ワイヤーの張り具合が怪しい気がする

6 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:35:42.91 ID:DDDDDD
その辺、昔は石橋だったらしいぞ
今は湖底に沈んでるって
ソースは地元民

7 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:37:08.56 ID:XXXXXX
橋の入口来た
ワイヤーがキシキシ鳴ってる
風ないのに揺れてね?

8 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:38:33.78 ID:YYYYYY
>>7
マジで無理はすんなよ
深夜のダムは想像以上にやべーから

9 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:40:12.34 ID:XXXXXX
中央目指す
湖面真っ暗で足元ヤバい
ライト頼りでゆっくり進む

10 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:42:55.67 ID:XXXXXX
床板腐ってる箇所多すぎ
靴にサビの粉付いた
支柱の色もヤバい感じ

11 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:44:21.90 ID:ZZZZZZ
昼夜で別物だよなそこ
何か見える?

12 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:46:48.12 ID:XXXXXX
中央っぽい
欄干にライト当てたら手形見つけた
数箇所あるんだが生々しい
つ 手形.jpg

13 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:48:15.45 ID:DDDDDD
>>12
手形の噂マジだったのか
近くで見るとやっぱキツい?

14 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:50:33.21 ID:XXXXXX
ゾワゾワする
写真撮った、後で確認する
橋が振動してて変な音する

15 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:52:08.90 ID:YYYYYY
湖見てみろよ
満月なら石橋見えるかも

16 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:54:27.67 ID:XXXXXX
懐中電灯じゃ無理
月出てきた
水底にアーチっぽいの見える?

17 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(木) 23:56:42.34 ID:XXXXXX
白い影が…見間違い?
怖くなってきた
橋揺れるし足場ヤバい

18 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(木) 23:58:15.78 ID:ZZZZZZ
>>17
マジでヤバイって
白い影多いらしいぞその辺
さっさと戻れ

19 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(金) 00:00:33.56 ID:XXXXXX
戻る
心臓バクバクする
足滑りそう 床抜けてるとこある

20 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(金) 00:02:18.90 ID:XXXXXX
入口まであと少し
後ろ見れない
ワイヤーの音でかくなってきた

21 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(金) 00:04:45.23 ID:XXXXXX
橋から降りた
街灯見えて安心
車まで走る 後ろ怖い

22 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(金) 00:06:12.45 ID:YYYYYY
お疲れ
その白い影って沈んだ集落の人の霊らしいな

23 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(金) 00:08:37.89 ID:DDDDDD
白いワンピースの女よく目撃されるよな
橋の下とか管理事務所とか

24 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(金) 00:10:55.67 ID:XXXXXX
車の中
ドアロックした
月明かりで人影見えた気がする…

25 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(金) 00:12:23.90 ID:ZZZZZZ
>>24
マジかよ
体調大丈夫か?

26 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(金) 00:14:48.12 ID:XXXXXX
汗が止まらん
手形とか影とか全部ヤバかった
そろそろ帰る

27 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(金) 00:16:15.34 ID:YYYYYY
安全運転な
山道見通し悪いし
後ろから何か来ても振り返んなよ

28 :闇の探索者 ★:20XX/XX/XX(金) 00:18:42.56 ID:XXXXXX
サンクス
ゆっくり帰る
また何かあったら書く
落ちます

29 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(金) 00:20:15.78 ID:DDDDDD
気をつけろよ
白い影マジであるって噂だったけど
まさか見るとはな…

[3日後]

918 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(月) 08:15:33.67 ID:AAAAAA
うわ、マジかよ…
ttp://www.xxx-news.co.jp/xxxx/
>〇月〇日未明、県内山間部のダム周辺で
>乗用車が湖に転落、男性(20代)死亡

919 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(月) 08:17:42.21 ID:BBBBBB
>>918
まさか>>1か?
深夜に一人で行くもんじゃねーよな…

920 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(月) 08:19:55.34 ID:CCCCCC
白い影見たって書き込みしてたよな…
ガチだったのか…

921 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(月) 08:21:27.89 ID:DDDDDD
マジで胸糞…
あの橋、管理事務所で働いてた婆ちゃんが
「夜は絶対に行っちゃダメ」って言ってたの思い出した

922 :名無しさん@驚愕:20XX/XX/XX(月) 08:23:45.12 ID:EEEEEE
これ以上スレ伸ばすのもアレだし、dat落ち待ちでいいんじゃね…
ご冥福をお祈りします














3.序文

はじめまして、阿刀恵と申します。

私は、普段はフリーライターとして活動している者です。今回この場をお借りして、とても興味深い仕事についてお話ししたいと思います。それは、戸黒正彰さんという方から託された、膨大な資料の整理と再編に関するものです。

戸黒さんは民俗学を趣味として研究されていた方で、地域の伝承や文化に深い関心を寄せていました。
そのため、彼が収集した資料には、さまざまな情報が詰まっています。
手書きのメモや古い写真、地域の歴史を記した文書など、多岐にわたる内容が雑然と積み上げられていました。
その膨大な資料を前にして、どれが重要で、どのような意図が込められているのかを見極めるのは容易なことではありません。

さらに難しい点は、戸黒さんから直接お話を伺う機会がほとんどなかったことです。
彼がどのような視点で資料を収集し、どんなテーマを追求していたのか、具体的な手がかりが十分には得られない状態でした。
そのため、私は資料の整理を手探りで進めていくことになりました。

まず、膨大な資料を一つひとつ丁寧に目を通し、可能な限り分類し直しました。
それらの中から浮かび上がる共通点やテーマを探り、戸黒さんが追求していたであろう意図を自分なりに再構築してみました。
この作業は単なる整理に留まらず、私自身が考察を深める貴重な機会となりました。

資料に目を通す中で、戸黒さんが資料を収集した背景には、何かを探し求めるような意図が感じられました。
それが具体的に何であるのかははっきりしませんでしたが、断片的ながら一定のテーマや法則が見え隠れしており、それが戸黒さんの中での答えを探る手がかりだったのかもしれません。
私はこれらを整理しながら、自身の視点を加えて読者の方にも理解しやすい形で伝えることを心がけたいと思います。

なお、ここで取り上げる資料については、特定の地名や人名を極力伏せるよう配慮しました。
また、今回紹介する内容は膨大な資料全体の中から重要と思われる部分を抜粋したものであり、実際にはその10倍以上の量があります。
それらを精査した上で選び抜き、資料に記されていない情報については、必要に応じて補足を加えました。

この作業を進める中で、戸黒さんが探していたのは、古い時代から現代にかけて続く何か不思議なものではないかと感じられる瞬間がありました。
資料に綴られた言葉や記録は、単なる過去の記録ではなく、時代を超えて流れる謎めいた連続性を示唆しているようにも思えます。
それらは当時の空気感や人々の暮らしを鮮明に描き出し、胸を打つだけでなく、何か大きな問いを提示しているように感じられます。
その一つ一つが、私にとって新たな発見であり、学びでもあります。

この資料群を読んだ方々に、同じ思いを感じてもらえればと願いつつ、戸黒さんから最初にいただいた手紙を、そのままここに掲載させていただき、序文の締めの言葉とかえさせていただこうと思います。


==== ==== ==== ====

拝啓 阿刀恵様

寒さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。

この度は、私の資料編纂に際し、多大なるご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

まず、今回お送りした資料が大量であり、またその内容が煩雑であったこと、深くお詫び申し上げます。
長年にわたり収集してきたこれらの資料は、それぞれが異なる背景と価値を持つため、整理が難航していた次第でございます。どうかご容赦いただけますと幸いです。

これらの資料の中でも特に、「あめつちの詞」が持つ不思議な魅力と謎には目を見張るものがあります。
それ単体でも十分に心を惹きつける力を持ち、古の言葉が生み出す世界観がいかに豊かであるか、またその裏に秘められた謎めいた要素がいかに深いかを感じていただけることでしょう。
この詞が持つ言霊の力は、私たちの想像を超えた広がりを秘めており、それを共有できることに大きな喜びを感じております。

最後になりますが、編纂された資料が、貴女のお名前にございます「恵」のように、私たちにとっても大きな恵となることを心より願っております。

これからも変わらぬご指導とご助力を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴女様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

敬具

令和四年二月二十六日

戸黒正彰




4.昭和35年 診察記録

医療機関名:○○大学病院精神科
患者氏名:Mさん
年齢:42歳
ご職業:トンネル工事の作業員
診断名:精神分裂病
記録者:精神科医 加藤元樹

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【第1回目の診察(昭和35年4月15日)】

主訴/
Mさんは数週間前から鏡を見るたびに自分の背後に巨大なムカデが映ると訴え来院。
実際には周囲にムカデの存在は確認されておらず、彼自身も「それが現実ではない」と理解しているものの、幻覚が引き起こす強烈な不安により日常生活に支障をきたしている。

診察内容/
Mさんは冷静で、話し方も一見論理的。
しかし、話題がムカデに及ぶと異様な興奮を見せ、「あれはただの虫ではない」と断言する。
彼の話によると、最初にムカデを見たのは数カ月前。夜中に目を覚まし、ふと鏡を見ると、背後の壁をムカデが這っていたという。
その時は気のせいだと思い再び眠ったが、翌朝も鏡に同じムカデが映っていた。
以降、ムカデは日に日に存在感を増し、氏の背後に常にいるようになったという。

Mさんは職場(ダム開発に伴う周辺道路の整備現場)で作業中も、同僚の背後にムカデが見えることがあると語る。
そのため集中力を欠き、業務上のミスが増えたことが職場でのトラブルにつながったと説明している。

「鏡の中だけでなく、目を閉じても見えるんです」と彼は語る。
「それが近づいてくると、全身が硬直して動けなくなる。皮膚の感覚まであるんですよ。触られているような感覚が。」

手記の提出/
Mさんは幻覚の詳細を記録した手記を診察時に持参した。その内容は極めて生々しく、特に次の一節が印象的である:

―――鏡の中でうごめく黒い足。それが私に何かを語りかけている。初めは意味不明な言葉だった。それなのに、その言葉が頭の中で鳴り続け、不安な気持ちでいっぱいになる。そしてその音と言葉を忘れることができない。それが何度も繰り返されるたびに、私は拒否しようとするが、鏡の中のムカデはじわじわとこちらに迫ってくる。やがて鏡の表面を超えて、私の背後に実体化した。私はその冷たい足の感触を忘れることができない。

治療方針/
初診時にはリスペリドンを処方し、1週間後の再診を指示。

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【第2回目の診察(昭和35年4月22日)】

診察内容/
Mさんは「ムカデの出現頻度は減ったが完全には消えていない」と報告。
睡眠の質は多少改善されたものの、依然として幻覚が現れると不安で眠れなくなるという。

再診時、Mさんは新たな手記を提出。その内容には更なる進展が記されていた。

―――私だけではない。このムカデは他の人間にも映る。ある夜、同僚の加藤君を部屋に呼び、鏡を見せた。すると彼は一瞬怯えた表情を見せた後、「何もないじゃないか」と言った。しかし、私は彼の目に映る恐怖を見逃さなかった。彼も見たのだ。ただ、それを認めることができないだけだ。ムカデは私だけではなく、他者にも干渉を始めた。

所見/
Mさんの主張には奇妙な説得力があり、他者を巻き込んだ可能性について慎重に検討する必要がある。
幻覚の内容がますます具体化しており、彼の孤立感が深まっている様子が見受けられる。

治療方針/
引き続きリスペリドンの投与を継続し、次回の診察までの間に幻覚の記録を詳細に取るよう指示。
また、家族への状況説明と協力を求める予定。

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【総括】
Mさんの症状は精神分裂病による幻覚と診断されるが、その内容の異様さと他者への影響を考慮し、さらなる治療と経過観察が必要とされる。
治療の進展に応じて適切な心理療法の導入を検討する。

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【最終所見】
昭和35年5月、Mさんに対する定期的な診察が行われる予定であったが、連絡が途絶えた。
その後、職場関係者や家族の証言により、Mさんは一部の症状が悪化している可能性が指摘された。
詳細な状況は不明であるが、最終的に彼の生存が確認されることはなかった。
これらの出来事を受け、幻覚や孤立感が彼の心理的・身体的状況に大きく影響を与えたものと推察される。




5.中世祭祀における"あめつちの詞"の再考──○○神社所蔵写本を中心に──

【はじめに】
中世の日本では、「あめつちの詞」という名称で知られる文献が、祝詞や呪文としての性格をもつ一方、字母歌(じもか)として仮名学習の教材になるなど、多面的に機能していたと考えられます。
従来の研究では、主に源順(みなもと の したごう)作と伝わる字母歌型の「あめつちの詞」が注目されてきましたが、近年は各地の神社や寺院に伝えられる異本が確認されつつあります。
なかでも、ここで取り上げる○○神社(所在地:仮称・上州国○○郡)に所蔵される写本は、祭儀用の文書としての「あめつちの詞」の性格を強く示す点で興味深い資料です。
本稿では、この写本の形態と内容を整理し、従来の字母歌系「あめつちの詞」との相違を考察します。


1. ○○神社所蔵「天之地之詞(あめつちのことば)」写本の概要

1.1 写本の来歴
○○神社の写本は、宝永年間(1704〜1711)に同社神主の子孫が江戸の好事家へ貸し出した後、所在が分からなくなっていましたが、近年になって地元の旧家で発見されました。
表題には墨書で「天之地之詞(あめつちのことば)」とあり、単なる字母歌というよりも、祝詞的な祭文の要素を強く含む作品であると判断されます。

1.2 物質的特徴
紙の質は鳥の子紙に近いものの、後世に補修を施された形跡があるため、判読が困難な部分が見受けられます。
本文は主に楷書体で書かれていますが、一部に変体仮名が混在しており、複数人の手で書き写された可能性が指摘されています。
奥書には「此ノ詞ハ、天神地祇ヲ寿グ(ことほぐ)モノナリ」との注が添えられており、明確に祭祀・儀礼用の目的で作成された写本であると分かります。

2. 内容構成と特徴

2.1 「字母歌」との相違点
源順作とされる字母歌型の「あめつちの詞」は、当時の仮名48文字(あるいはそれに近い音数)を重複なく用いることを重視していたようです。
しかし、○○神社の写本では、五十音の完全な網羅は行われておらず、同じ文字が繰り返されたり、異体仮名が用いられたりしているのが特徴的です。こうした点から、この写本は字母歌としての性格よりも、祝詞や祭文の要素に比重を置いた別系統のテクストと考えられます。

2.2 祭文的要素の含意

写本の冒頭部分(書き下し体)には、次のような文言が記されています。

あめ つち の はじまり ひろき ところ
かみ を いわい まつり うやまひ つつしむ
ゆわさる おふせよ えの𛀁を なれゐて
こころ の すき きよき は ひと の みち なり

とくに、第3行目にある「ゆわさる おふせよ えの𛀁を なれゐて」という一節は、源順作とされる字母歌型の「あめつちの詞」にもある表現ですが、この祭文の中でも、より言霊的な力を感じさせるものの、やはり意味がはっきりしないところが注目されます。
祭儀や祈祷の動作を連想させる表現にも思えますが、現存する文献からはその正確な意図を解明するのは難しいのが現状です。

このように不可解なフレーズが含まれる背景には、本写本が字母歌としての教育的役割と、神道儀礼の祭文としての性格を重ね合わせた伝承の産物である可能性が考えられます。
おそらくは、後世に加筆や改変を行う過程で、独特の呪詞や祭文表現が組み込まれていったのではないかと推測されます。

こうした経緯から、本写本が示す「あめつちの詞」は、一般的な字母歌とは一線を画す部分をもっており、その代表例ともいえるのが、今述べた「ゆわさる おふせよ えの𛀁を なれゐて」という不可思議なフレーズです。
こうした言葉の詳しい分析が進めば、中世における神道儀礼や呪術的思考の一端が、より明らかになると期待されます。

3. 中世祭祀と「あめつちの詞」の受容関係

中世の神道行事では、「あめつちのはじめ」を讃える表現が祭文のなかでしばしば用いられました。
これらの表現は古代の祝詞に由来すると考えられますが、一部の詞章が書き写されていくうちに、歌のような形式を帯びるようになった可能性があります。
○○神社に伝わる写本も、こうした流れのなかで字母歌としての「あめつちの詞」と、神道的な祭文が融合し、現在の姿になったのかもしれません。


【結論】
本稿で取り上げた○○神社所蔵の「あめつちの詞」は、祭祀文としての性格が強い一方、字母歌の伝統とも関わりをもつ複合的なテクストといえます。
従来の源順作「あめつちの詞」とは異なる要素を含みつつ、「ゆわさる おふせよ えの𛀁を なれゐて」などの、意味が判然としないフレーズが共通して採用されている点は大きな特徴です。
こうした資料を他の異本と比較・検証することで、「あめつちの詞」が中世の宗教や文化の文脈のなかでどのように変容・展開してきたかについて、より具体的な解明が進むと考えられます。

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出典/
・加藤雅之『中世神道祝詞と字母歌の交錯──○○神社所蔵写本の再検討──』東京学芸出版、1955年.

参考文献/
・山本玲奈「神事における漢字仮名交じり文の機能」『日本宗教史研究』第28号、1958年、23-45頁.
・佐藤弘「あめつちと祭文の系譜」『仮名文学と神道儀礼』平安学術叢書、1967年、67-92頁.






6.監視作業員 日誌より(2023年4月3日~30日)


■4月3日 天候:曇り
○○ダムに隣接するトンネル工事現場の見回り業務に正式に配属された。
私は長年、河川工事などの監視カメラを扱ってきたが、ここは規模がまったく違う。上下流ともに視界を遮るものがほぼなく、壮大な景色に圧倒される。ただ、工期が押しているのか作業のテンションも高い。カメラの設置箇所を細かく調整し、24時間録画が行える状態を整えた。
録画機材が正常作動しているか、本格的にチェックを始める。


■4月5日 天候:晴れ
各所に配置した監視カメラのテスト再生を行う。
大きな問題は見当たらないが、一つだけ奇妙な映像を確認。午前3時ごろのフレームに、ヘルメットを被っているかどうかも分からない人影が、トンネルの入り口付近を横切るように映り込んでいる。深夜作業の可能性を考えて作業員に問い合わせたが、「そんな人物は見ていない」とのこと。しかも人数管理システムでも当該時間帯に現場に人がいた記録はないようだ。
単なる影か、機材のノイズかもしれない。明日調整を行う。


■4月7日 天候:小雨
監視カメラで、新しい録画データをチェック。
今回も深夜帯に、前回と同じような姿が一瞬だけ写り込んでいる。防水ジャケットでも羽織っているのかと思ったが、作業員は「そんな格好はしていない」と口をそろえる。しかも本来、夜間作業は中止のはずだ。防犯の観点からも無視できないので、現場チーフと相談したところ「この視点のカメラはセンサー異常が出ていたから、ノイズかもしれない」という結論でいったん保留。
だが、あまり気分がいいものではない。


■4月10日 天候:曇り後雨
監視カメラの点検を行うため、一部エリアで映像の記録を止めて肉眼で夜間監視をすることになった。
問題のカメラがある区画に私も配置され、深夜帯に照明を落として周辺を観察。あれだけ「夜間作業はしていない」という話だったが、遠くにほんの少しライトの動きのようなものが見えた気がして、すぐに周辺を探した。ところが、誰もいないし、足跡のようなものもない。帰ってから録画を再確認しても、やはり“それらしき何か”が動いている。
なぜ見つからないのか、不思議でならない。


■4月12日 天候:快晴
今度は昼間の映像にも、ちらりと不審な人物らしきものが写り込んでいた。
やや遠目だが、同じ服装をしているように見える。慌ててトンネルの近くで作業していたチームに問い合わせても、誰も「そんな人物は見ていない」と言う。しかも、最近現場に関わる部外者は立ち入り禁止になっているはず。朝から現場監督が人員のリストを何度もチェックして確認したが、足りない人も多い人もいない。データ管理の面からもおかしな点はないと報告があった。
―――録画を見返すたびに、どこか落ち着かない気分になる。


■4月14日 天候:曇り
周囲の要望もあり、不可解な映り込みを重点的に調べることになった。
映像をコマ送りで確認すると、確かに“人型”だ。ヘルメットや作業服とも異なるシルエットなのに、まるでそこに本当に存在しているかのようにカメラのフレームを横切っている。どうして誰一人として生身を見かけないのだろうか。撮影アングルを変えても、なぜか映り込むタイミングはほぼ同じ。偶然にしては不気味な一致だ。
現場職員たちは取り付く島もないほど強く否定するし、作業日誌を見ても“該当の人物”の痕跡は一切見当たらない。


■4月16日 天候:雨
上層部にもこの不可解な映像を伝えたが、「工事の進捗に差し障りが出る」として慎重な取り扱いを指示された。加えて、現場に混乱を招かないよう、安易に“幽霊”だとか“大事故の前兆”などと騒ぐことを禁じられた。
一応、現場チームに再度ヒアリングを行ったが、誰も本気にはしていない。作業員Aに至っては「何も見てないよ。ほんとに何が映ってるんだ?」と苦笑いする始末。
自分が気にしすぎなのかと、不安になってくる。


■4月19日 天候:晴れ
不審映像の多い深夜帯に、再びポイントを定めて監視した。
私以外にも数名の職員が同じ場所に目を凝らしたが、やはり“実物”らしきものは発見できない。それでも翌朝に録画を確認すると、くっきりと人影が動いていた。私たちが見つけられなかったのはなぜだろう。ちょっとした角度の問題か、もしくは監視カメラ独特の画質のせいか。
とはいえ、あの動きはノイズや影だけで説明できるようなものでもない。


■4月21日 天候:晴れ
工事の進捗状況を記録する本来の仕事とは別に、この不可解な映像の調査に時間を割いている。
現場監督からは「通常業務を優先しろ」と釘を刺されたが、納得できないまま工事を進めるのも気持ちが悪い。
新しいカメラを増設して、より多角的に撮影してみることにした。
今までは工事の様子が分かるように全体を俯瞰するアングルが多かったが、今回の追加カメラは人物の動きにフォーカスしやすいよう、周辺の崖や通路がよく見える位置にも配置した。


■4月23日 天候:曇り
追加カメラの初回録画をチェック。
深夜だけではなく日中にも、微妙に“あの人影”が記録されている。
ほぼ同じ場所に現れ、トンネル近くのコンクリートの仮枠付近をぐるりと回り込むように動いている。作業員が歩くなら当然わかるはずのルートなのに、相変わらず誰も目撃していないという。
一連の動画をつなげてみると、あの人物はあたかも定期的に現れ、同じような経路を移動しているかのように見える。
もはや単なるエラーとは思えない。現場には何か、私たちの知らない事情があるのだろうか。


■4月25日 天候:晴れ
今朝、追加カメラを整備していた同僚が不思議なことを言っていた。
「新しいカメラなのに、回線が一瞬だけ切れている時間があるんだ。しかも、ちょうど“影”が映る前後に限って……」
言葉に詰まった私を見て同僚は気まずそうに笑った。
「何かあるんだろうな」と小声でつぶやいていた。
私はすぐに上層部に報告したが、当面は“原因不明”ということで結論づけられてしまった。


■4月27日 天候:大雨
雨で工事が中断になる。
仕事が減った分、映像の検証作業に没頭できるのは好都合だ。
現場の騒音が少ないぶん、雑音らしき音声も録音データから探しやすいが、今回も特に声や足音などは拾えていない。ただ、何かが動いているようなノイズは確かにある。作業員たちに改めて聞いて回っても、誰も自分たち以外の人間を見ていないという。だが映像は連日、はっきりと“姿”を映し出している。
そろそろ、何が起きているのか根本から考え直す必要がありそうだ。


■4月30日 天候:晴れ
本日、これまで収集した全映像の比較検証を行い、あることに気づいた。
すると、どうにも説明のつかない点が見えてくる。これで確信した——これがただの見間違いやカメラ不調ではないということを。
何がどう不可解なのか、安易に情報を漏らせない。
ひょっとして、現場の誰かは既に気づいているのかもしれないが、そのことを隠しているのかもしれない。

この日誌にはこれ以上詳細を書けない。だが、間違いないのは、ここに映り込んでいるアレは、決して人間の見間違いでは済まされない存在だ。今の私には、そう記すことしかできない。


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※この記録は、監視作業員が独自に残した日誌であり、
 正式な報告書ではありません。日誌の続きに当たる部分は、
 現場の機密保持のため提出されていないとされています。




7.「胴胴」

山路や洞に現るる妖怪、「胴胴」と称す。其の姿、蛇の如く長大にして、無数の足を持つ。雨夜に忽然と現れ、旅人を見定むるが如し。胴胴は寡黙にして滅多に声を発せず。然れど、その声を聞く者は耳を破られ、異界へ誘われると古伝にあり。よって、耳を塞ぎ、目を伏せ、静かにその場を離れるべし。胴胴の足音響くとき、畏れ敬う心を忘るること勿れ。彼は災厄を招くも、また守護の役を果たすとも言い伝えらるるものなり。
(『山怪綺譚抄』より抜粋)

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【出典】
書名: 山怪綺譚抄(さんかいきたんしょう)
編纂者: 葉山 玄舟(はやまげんしゅう)
成立年: 天保八年(1837年)
版元: 江戸・長屋堂
概要:
江戸時代後期に編纂された妖怪譚の集成。地方の怪異や民間伝承を筆録し、挿絵とともに解説した貴重な資料。山中や洞窟、川辺にまつわる怪異を中心に収録され、その中には「胴胴」や「鎖蛇(くさりへび)」、「影女(かげおんな)」といった独特の妖怪も登場する。玄舟は全国を旅して聞き取った話をまとめたとされ、庶民の口承を学術的視点から記録した先駆的な書物と評されるが、一部には玄舟自身が創作した物語も含まれるといわれる。また、挿絵は彼の弟子である浮世絵師・加藤飛一(かとうとびいち)によるものと伝わる。






8.監視作業員 日誌より(2023年5月12日~22日)


■5月12日 天候:曇り
前任の監視員が突然亡くなったとの報せを受け、急遽この現場に配属された。
着任早々、現場監督から「前の担当者の日誌が残っている。だが、内容には触れないほうがいい」とだけ言われた。
ところが控室のラックには、その「日誌」が堂々と置かれていた。覗いてはいけないと思いつつ、ふと目を落とすと、最後の4月30日付の記録だけ何度も見返した形跡があるようだ。
私の立場もあるし、そこから先は読み進めず閉じたが、やけに不吉な言葉が目に焼き付いている。


■5月13日 天候:雨
現場一帯に計27台の監視カメラが設置されているが、その中で一部が何らかの不調を起こしているようだ。
カメラ本体には大きな問題は見当たらないのに、夜間になると記録が断続的に欠ける。
しかも、前任者が何やら不審な映り込みを調べていたらしい。
詳細は教えてもらえないが、少なくとも彼の死とは無関係だと上層部は強調している。
ただ、この“無関係”という言葉がかえって私の不安を煽っている。
今夜も雨で工事は中断だが、雨音にまぎれて何か大きなうめき声のような音が聞こえる気がしてならない。


■5月15日 天候:晴れ
前任者の日誌を読み返したい気持ちに駆られたが、上層部の意向もあるので踏みとどまっている。
そんな矢先、ベテラン作業員の河東さんから「ここには抹消されたトンネルがあるって知ってるか?」と囁かれた。
話によると、現地調査の際には確かに存在が報告されていたのに、正式な設計図や資料からはいつの間にか消されているらしい。
一応、図面管理担当にも確認を取ったが、「そんなものはない」と軽くあしらわれた。
河東さんいわく、「前の担当者はそのトンネルをしつこく調べていた」と言う。
もしかして、前任者の死に何か関係があるのだろうか。


■5月17日 天候:快晴
不可解な人影やノイズが、まだ断続的に報告される。
今回は明け方の録画にも、それらしき動きが映っていた。
私がこの仕事を引き継いでからの数日で、すでに三度も同様の影がカメラに捉えられている。
作業員の数は厳密に管理されているし、夜間作業も実施されていない。

もし前任者の日誌に書かれていた“正体不明の人物”や“映り込み”が、例のトンネルと結びついているとしたら……。
自分の恐怖心を振り払うように、私は何度も記録を再生して状況を整理してみた。
しかし見るほどに“何か”が存在していると確信せざるを得ない。


■5月19日 天候:曇り後雨
河東さんに誘われ、日暮れ前に少し離れた倉庫の奥へ行った。
そこには埃をかぶった古い現場写真や資料が保管されていて、その中に「例のトンネル」の入口らしきモノが写ったスナップがあった。
写真には視線をそらしたくなるような塗料のシミや、ひび割れがいくつも記録されており、どう見ても安全とは程遠い。

河東さんは真剣な表情で「前の監視員さんは、おそらくこのトンネルを確かめに行ったんじゃないか」と言う。
原因不明の急死と関係があるのかは断定できないが、その“抹消”されたトンネルがただの空洞で済むとは思えなくなってきた。


■5月20日 天候:不明
雨が降ったり止んだりで、工事は大幅に遅れている。
現場もざわついた空気に包まれ、先輩たちの中には妙な噂を口にする人が増えた。
「トンネルの一部が崩落しかけている」「工事完成後に封鎖される」「前任者はそこに行って戻れなくなった」など、憶測ばかりが飛び交う。
そんな中、ある古参スタッフが「詳しくは話せないが、前任者はその場所で何かを“見てしまった”んだろう」と漏らした。
その“何か”がどんなものなのか、私に確かめる手立てはない。
だが、日誌の最後のページに残された簡素なメモを思い出す。そこには一言こう書いてあった——

“何か分からない、だが、なぜか恐ろしくて書けない”


■5月21日 天候:雷雨
夜明け近く、激しい落雷のあとにカメラ4台の電源が一斉に落ちた。
そのうちの一台は、つい先日“人影”を頻繁に捉えていた場所だ。
私は急いで復旧作業に向かったが、現場に着くと、トンネルと思しき道筋へ続く足跡のようなものを見つけてしまった。
しかも作業靴ではない、大きさも形も不明瞭な足跡だった。

誰かが先に入り込んだのかもしれないが、確認する術はない。
下手に近づけば、前任者と同じ目に遭う可能性だってある。私は足がすくんでしばらくその場を動けなかった。


■5月22日 天候:晴れ
私が引き継いでから、わずか二週間ほど。
正直、限界だ。いずれこの不可解な映像の正体や、“抹消されたトンネル”の秘密を暴かなければならない時が来るのだろう。
けれど、私はそれを追求し続ける勇気があるのか自信が持てない。

前任者が書き残した日誌の最後には具体的な言及はなかったが、確実に“工事とは別の目的”を感じさせる記述があった。
私はそれを確かめたいと思う反面、同じ道を辿ってしまう恐怖が胸を締め付ける。

この日誌を読んでくれている誰かがいるなら、どうか覚えておいてほしい。
そして、その理由を追いかけた人間は、皆例外なく戻ってきていないという事実を。


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※これは故・前任監視員の後任であるS氏が記載した記録であり、正式報告書ではない。
 前任者の死の真相、そして抹消されたトンネルに関する詳細は、上層部から極秘事項と
 して扱われているため、一切の公表が許可されていない。







9.巻物じいさん

むかしむかし、山あいの小さな村に、一人のおじいさんが住んでおりました。
耳が聞こえず、声も出せないおじいさんは、村人たちから「巻物じいさん」と呼ばれていました。
おじいさんは毎日、小さな筆を片手に、長い長い巻物に「天 地 星 空 山 川 峰 谷 雲 霧 室 苔」と書き続けていたのです。

おじいさんは村の誰とも話さず、ただひたすら筆を動かしていました。
その姿を見た子どもたちは、「どうしてそんなに書くの?」と興味津々。でも、おじいさんはにっこり笑って、黙ったまま筆を走らせるだけです。
ある日、やんちゃな男の子が巻物を引っ張るいたずらをしました。おじいさんはすぐに気づき、優しくその子の頭を撫でてから、また丁寧に巻物を巻き直しました。

巻物はどんどん長くなり、村の小道や畑を抜け、森を越え、やがて遠い山の峰までも続くほどになりました。
子どもたちは「あの巻物はどこまで伸びるんだろう?」と遊び半分でたどっていきますが、途中で疲れて帰ってくるばかり。
大人たちは、「巻物が邪魔で困る」とぼやく人もいましたが、村長さんは「いや、あれにはきっと深い深い意味があるのだろう」とおじいさんをかばいました。

そんなある日、おじいさんは静かに息を引き取りました。
おじいさんが大切にしていた巻物は、村人たちの手に残りました。その巻物をどうするかみんなで相談していると、巻物の噂を聞きつけたお殿様が、「その巻物を献上してくれれば、小判を千両やろう」と使いの者を送ってきました。

巻物を見たお殿様は、「天 地 星 空 山 川 峰 谷 雲 霧 室 苔」と繰り返し書かれた美しい文字に大いに感動しました。
そして、「この村には誠実な心と優れた技がある」と褒め、千両与えることにしました。

こうして村は豊かになり、巻物じいさんの物語は、子どもたちの間で語り継がれるようになりました。
今でも村の人々は、「おじいさんが書き続けた言葉は、自然を敬う心そのものだったのだ」と、その巻物を誇りに思っています。

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(昭和48年/○○県教育委員会発行の児童向け冊子より抜粋)




「十六字」およ び「百足」の関連資料集成(仮)

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