28.隧道新設工事 重大事故報告書


報告番号:か-008-XXXX
発生日時:1964年8月2日 深夜(詳細時刻不明)
発生場所:県道○号線 隧道新設工事現場 第3作業坑道
報告者:建設会社○○支店 安全管理部 佐野

1. 事故概要

本工事現場において、夜間掘削作業中に大規模な落盤が発生し、作業員5名および現場監督1名の計6名が行方不明となる事態が発生した。
本来、当日の夜間作業は中止の予定であったが、工期短縮の都合により実施されていた。

事故発生後、現場監督の佐伯が単独で現場確認に向かったものの、翌朝までに全員の行方が分からなくなった。
本報告書は、その後実施された捜索活動および現場に残された各種記録に基づき作成したものである。

2. 被害状況

(1) 人的被害
- 行方不明者:作業員5名、現場監督1名(佐伯)
- 負傷者・死亡者:現時点で確認不能

(2) 物的被害
- 発電機、照明機器等の工事用資機材の損壊
- 隧道内壁の複数箇所での崩落

3. 事故発生の経緯

(1) 前兆現象
作業開始直後より、坑道奥部から異常な蒸気の噴出が確認された。作業員による測定では、坑道内の温度・湿度の急激な上昇が記録され、特徴的な腐臭も報告されている。

(2) 事故発生時の状況
午前0時頃、突発的な落盤が発生。作業員からの無線による救難要請があったが、通信障害により発信位置の特定が困難であった。その後、現場監督の佐伯が単独で現場確認に向かったが、連絡が途絶えた。

4. 現場調査結果

(1) 物理的損壊状況
- 坑道奥部:幅約6メートル、高さ約2メートルの崩落を確認
- 工事機材:発電機の破損、照明機器の転倒・散乱

(2) 環境異常
- 白色蒸気の継続的な噴出
- 異常な高温・高湿度の継続
- 腐臭を伴う微細粒子の浮遊

(3) 特異的な現象
- 異常な大きさのムカデの大量発生
- 作業員のヘルメットに不自然な損傷痕
- 引きずり跡を伴う足跡の散在
- 褐色の液体の付着(成分未確認)

5. 推定される事故原因

(1) 技術的要因
- 急速施工による地盤の過度な脆弱化
- 地下水脈の破壊による高温蒸気の噴出

(2) 管理的要因
- 夜間作業強行による安全管理の不備
- 緊急時の対応体制の不備

6. 今後の対応

(1) 捜索活動
- 県警捜査班および専門救助隊の導入
- 二次災害防止措置の徹底

(2) 原因究明
- 地質および地下水脈の詳細調査
- 噴出蒸気の成分分析
- 異常生物の専門家による調査

(3) 再発防止策
- 施工計画の全面的な見直し
- 緊急時対応の体制再構築
- 作業員の安全教育の強化

7. 結論

本事故の重大性に鑑み、隧道工事は一時休止とする。捜索活動と原因究明を最優先事項とし、監督官庁の指示のもと、慎重に対応を進める。工事再開については、徹底的な安全性の確認後に改めて判断するものとする。

報告作成日:1964年8月2日