19.インタビュー(2016年7月2日取材記録よりテープ)

戸黒さんメモ/加藤氏より提供のテープより書き起こし

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【取材日時_2016年7月2日 ●●県●●村○○社境内にて採集】


加藤(以下、加)「すみません、突然お声がけして失礼します。少しお伺いしたいことがありまして……。」

住民某氏(以下、某)「はい? どうかされましたか?」

加「実は、先日ある雑誌の記事で読んだんですが、この地域には夜中に“不思議な祭り”が行われるという話が載っていまして。もしかすると、ここ○○社で執り行われているものではないかと思ったんですが……。」

某「不思議な祭り、ですか。うーん……ちょっと分かりませんね。そういう話は聞いたことがないですよ。」

加「そうですか。私は“加藤”と申します。たまたま近くに寄ったものですから、もし何かご存じならと思いまして。この記事の内容では、夜になると赤い提灯のような光が見えるとか、奇妙な面をかぶって踊る人たちがいるとか……。」

某「はあ……正直、私は何も聞いたことがないですねえ。祭りと言えば、普通は太鼓や笛などの賑やかな行事ですし、そんな奇妙なものとは違うと思いますよ。」

加「そうですよね。私もそう思うんですけど、記事には“地元の人が知らないと言い張る”というような記述があって、逆に興味を持ってしまったんです。もし“実はそれらしい祭りがある”のであれば、ちょっと見てみたいと思いまして……。」

某「うーん、それは……。少なくとも、私は聞いたことがありませんね。ここ○○社に長く関わってますけど、夜に赤い灯りとか、不思議な踊りがあるなんて話は耳にしたことないです。」

加「なるほど。もしかしたら、ここではなく別の場所で行われているのかもしれませんね。やはり地元の方でもご存じないんですね……。」

某「ええ、申し訳ないですが、俺は知らないとしか言えないですね。まあ、この辺は山も多いし、昔ながらの風習があるにはあるんですが……私の周りではそんな話、聞こえてきません。」

加「そうですか……。変なことをお聞きしてすみませんでした。貴重なお時間を割いていただいて、ありがとうございます。」

某「いえいえ。噂になるくらいなら、誰かが口にするものだと思いますけどね。とにかく、俺は知らないですから。」

加「わかりました。すみません、急に失礼しました。それでは、私はもう少し周囲を回ってみます。失礼します。」

某「はい、お気をつけて。……ただね、最後に言っておくけど、俺は何も知らないけど、田舎の風習とかにあまり首を突っ込まないほうがいいですよ。」

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