2024年5月22日、地方紙『東北タイムズ』の記者・河原田卓也は、投稿者「森崎七海」から連絡を受けた。

彼女は大学生で、“友人の失踪”を追っているという。

その友人・高梨悠太(23歳)は数週間前、SNSに奇妙な写真と「探検に行く」と投稿したきり消息を絶ったらしい。

七海から提供された高梨のSNSには、数枚の写真がアップロードされていた。


・崩れかけた鳥居

・朽ちた木造の民家

・草に埋もれた石碑


「この場所、どこだと思います?」


七海の言葉に河原田は写真を凝視する。

見覚えのない風景だが、不気味な既視感を覚えた。

それは単なる廃村の風景とは異なり、何か「見てはならないもの」を写しているような雰囲気があったのだ。


さらに調査を進めると、掲示板にも類似の写真が投稿されていることに気付く。

それらは「地図に載らない廃村」と名付けられ、奇妙な噂が語られていた。

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・投稿者A:「地元民に話を聞いたけど、場所が曖昧なんだ。誰も行ったことがないらしい」

・投稿者B:「鳥居をくぐったら時間が歪むって聞いたよ」

・投稿者C:「俺の友達、ここに行って帰ってきてない」

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こうした投稿は半年前から急増しており、全員が「写真や映像を残した後に失踪」している点が共通していた。

河原田はこの事実を記事にまとめるため、本格的な取材を始める決意をした。