わたしが怪談というジャンルに魅了されたのは二十歳のとき。偶然テレビで稲川淳二さんの怪談を聞いたのがきっかけだった。まくしたてるように語られる恐ろしい話に衝撃を受けたのだった。
はじめのうちは稲川淳二さんが好き、というだけだったのだが、気がつくと怪談──その中でもとくに実話怪談──そのものを好きになっていた。
怪談本を読み漁り、怪談ライブにも足しげく通った(といっても当時はいまほど頻繁に開催されていなかったが)。しかし次第にそれだけでは満足できなくなり、二十代半ばになる頃には自分でも実話怪談を取材するようになっていた。
五十を過ぎたいまでも会う人、会う人に「怖い話はないですか」と聞いて回っているので、取材歴はかれこれ三十年弱になるだろうか。
これから記す、関西地方のT町に関する一連の怪談は、わたしが過去に運営していたサイトに掲載していたものだ。
プライバシー保護のために登場人物の名前はすべて仮名もしくはイニシャルで表記している。また方言によって地方を特定されることを避けるために、登場人物のセリフも標準語に直してある。
その点を理解したうえで読み進めていただけるとさいわいである。
はじめのうちは稲川淳二さんが好き、というだけだったのだが、気がつくと怪談──その中でもとくに実話怪談──そのものを好きになっていた。
怪談本を読み漁り、怪談ライブにも足しげく通った(といっても当時はいまほど頻繁に開催されていなかったが)。しかし次第にそれだけでは満足できなくなり、二十代半ばになる頃には自分でも実話怪談を取材するようになっていた。
五十を過ぎたいまでも会う人、会う人に「怖い話はないですか」と聞いて回っているので、取材歴はかれこれ三十年弱になるだろうか。
これから記す、関西地方のT町に関する一連の怪談は、わたしが過去に運営していたサイトに掲載していたものだ。
プライバシー保護のために登場人物の名前はすべて仮名もしくはイニシャルで表記している。また方言によって地方を特定されることを避けるために、登場人物のセリフも標準語に直してある。
その点を理解したうえで読み進めていただけるとさいわいである。
