[一ヶ月前]~光side~
「舞香、今日雪で早く帰れるらしいぜ」
「え！一緒に帰ろうね！」
今日は雪。俺はサッカー部で、舞香と帰れる日は少ない。俺は嬉しい気持ちを抑え込んで、彼女に笑った。
「舞香置いていくぞー」
「待ってよー」
楽しい会話をしながら帰っていたその時。少年が道のど真ん中で転けてしまった。俺は考えるよりも先に、気づいたら男の子にところにいた。
「光、危ない！」
聞こえた舞香の声。響く車のエンジン音。俺は、まず少年を舞香の方に押した。俺も、「大丈夫だから！」と笑って言って、車を避けた、はずだ。なぜか、俺は少年を押してからの記憶がほとんどない。「大丈夫だから！」と言ったことしかおばえていない。俺は一連の出来事から驚きと疲れで気絶をしたようだ。次に目を覚ました時には、家のベッドにいた。あの気絶した日の翌日で、学校も昼休みくらいだろう。あんまり寝てなかったんだな、今日くらいは休もう。そう自分に言いきかせて、ベッドに横たわった。

翌日、俺は、いつも通り登校したが、なんか様子がおかしい。クラスがどんよりして、男子に挨拶しても誰も気づきやしない。まあ、気にしてないけど。一番気になるのは、舞香。舞香は最近俺を避けている。だから、話しかけても無視されるばかり。どうしたんだろ、、、

[一ヶ月後]
「毎日話しかけてんのに無視すんなよー」
きょとんとしている舞香を見て、俺は違和感を感じた。舞香は体調が悪いのか？無視されてるときは、俺のこと嫌いなんだって思ってたけど違うみたいだ。泣きそうな顔をしてる。一ヶ月前のあの日から、なんか変わったような、でもなにも変わっていない、はずだ。