第三章で述べたように、呪いには常に代償が伴う。多くの呪法は代償を防ぎ、呪いが暴走しないため、呪い方に対して縛りを設けている。

「見られてはいけない」「聞かれてはいけない」「相手の髪を用意しないといけない」「殺すことはできない」。呪いは悪意の技術化であり、これらは全て指向性を持たせるための技術だ。

試しに以下の数字に対して、親族の仇だと思って、何か悪いことが起こることを祈って害意を向けてみよう。

52871713130

どうだっただろうか? 頭痛や吐き気、気分の変化を感じた人がいるだろう。人を呪えば穴二つという言葉の通り、縛りの少ない呪いや、縛りを破った呪いは、多くの場合自分にも還ってくる。今回は儀式も害意も不十分だったため還ってくる呪いは酷くとも頭痛程度だったが、より大きな不幸を起こしたい場合は、最新の注意が必要となる。

続いて具体的な呪術の種類についてだが[後略]



人を呪わば穴二つ、なんて。

あんたのその穴を、どうしようもない欠落を、俺ではやっぱり埋められなかったのか。