クラスでおはよー！とさまざまな方向へ飛び交う中、〇〇が'扉を開けるとその声は一気に方向を一直線に変え、''転校生''だからと言わんばかりに周りにクラスメイトは集まっていく。〇〇のコミュニケーション能力は遺憾無く発揮され、二日目にして初日よりも交流が増えたように見えた。

「私転校生で人気者だからさ！別々で入ったほうがいいんじゃない？」

クラスに入る前、〇〇は馬鹿にしてきたが確かにその通りなため別々に入った。
案の定僕の方向には一ミリたりとも注目が向かない。いいことなのか悪いことなのか、僕からしたらいいことだけど。

「はぁ〜疲れた！」
「お疲れ様。人気者は大変そうで」
「それは馬鹿にしてる？」

いやいや。と否定しながらも少しいじっていたことがバレたことに驚く。
でも今は高校3年生だし逆に気づかないほうがおかしいと思う。

「よぉ〜〇〇！！随分と楽しそうじゃねーか！」
「この会話が楽しんでいるように見えるならよほど目が悪いと思う」
「お前去年から女子と喋ってるところなんて見たことがねぇんだよ！」

笑いながら言う〇〇を横に〇〇も笑って「女子と喋ったことないんだ」と独り言を言う。また何かされるんだと内心不安で仕方ない。