三年前から始まったホラー番組、『本当にあった怖い話、の続きの話』
普通のホラー番組と違ったのは、紹介した話を番組スタッフ総出で調査し、真相を確かめるという点。
当時は深夜帯にも関わらず、そこそこ人気がありました。

 私はこの番組のプロデューサーをやっていて、視聴者から送られてきた怖い話から使えそうなものを選んだり、調査の統括が仕事でした。
語尾が過去形なのは、もうこの番組が放送終了になっているからです。
とある視聴者から送られた、一つの怖い話を調査していくにつれ浮かび上がってきた恐ろしい事実。
それを一緒に見届けたスタッフ達は全員、私含め仕事を退職しました。
放送終了の原因は、この大量退職による人員不足です。

 結局、最後に調査した怖い話は世に出ることなく、その時の責任者であった私に調査資料一式が譲渡されました。
なぜ私が資料を受け取ったのかは覚えていませんが、スタッフの誰もが触れるのさえ躊躇うのを見て、断れなかったのでしょう。
資料達はその後、引越しをするために大掃除をしている途中。押入れの奥の奥から埃をかぶって出てきました。
おそらく、番組内では一番力を入れた企画だったので捨てるのを惜しむ気持ちと、気味が悪いという気持ちがせめぎ合って結局捨てることはできず、押入れにしまっておいたんだと思います。

 どうしても、今のままじゃ捨てれない。でも、持っていたままでも気味が悪い。
なので、出来事を小説として書き気持ちを精算しようと思いつきました。

 これから書く物語は、全て現実で実際に起こった出来事です。







 全て書き切ったら、資料は全て捨ててしまおうと思います。