事故物件兼廃墟探索ニャンチューバーのヨシキです!

 今日の事故物件廃墟探訪はですね。ある夫婦が住み始めて一か月も経たないうちに失踪となり、その後に住んだ家族も最終的に全員が失踪したという曰く付きのアパートとなります。廃墟となった今でも怪奇現象が起きることはもちろんのこと、長期間滞在すると神隠しにあうという噂も尽きません。そんな有名某アパートの一室に本日はやってきました。みなさんのコメントを待っています!

 ○○さん。今日も生配信ですか?途中でダレませんか?

いつも通りの生放送ですよ~。編集をして動画として出して何かあってもみんな信じてくれないでしょ?僕だって怪しみますから。もちろん、何かが起きる保証なんてないので、中ダルみする可能性はゼロとは言えません。でもまずは偽物じゃないことの証明を優先したいんです。それに今日の場所は期待してくれてもいいんじゃないでしょうか。

皆さんカメラに映っている範囲でお気づきになったことはありませんか?ヒントはですね。廃墟にはよく見かけるにも関わらずこの廃墟には一切ないものです。とりあえずカメラで周りを映してみますので考えてみてくださいね。

 ……時間になりました。皆さん分かりましたか?そうですね。落書きです。心霊スポットにはスプレーなどで一部で使われるような言葉やテレビでは流せない記号などの落書きが書いてあるものです。きっとヤンチャな廃墟探索の先人たちが書き残したのでしょう。たまに落書きがないところもあるんですが、共通として物理的に人が行きづらい場所か、または心霊的に本当にやばいと言われる場所というのがあります。この場所はカギが壊された玄関度を開けば入ることができるので前者ではないということになります。となると後者になってくるわけで、皆さん恐怖映像に期待しかありませんよね!

○□さん。たしかに廃墟になって時間たっているにも関わらずきれいだわ

△×さん。玄関の鍵は壊しているのに落書きないのは意外

××さん。了解道中膝栗毛。今日は期待しかない

 さて、それでは今回やってきた廃墟の説明を続けますね。ここはアパートの四階の角部屋に位置します。階段から奥に向かって五番目の部屋になりますので部屋番号は405号室だったと思われます。先ほども言いましたがこの部屋に最初に住んでいた夫婦は一月も経たずに行方不明になります。後にも3組の家族がこの部屋に住むことになりますが、そのすべての家族が失踪を遂げることなってしまいました。以降は誰も住むことはなかったのですが異常な状態はまだ続きます。隣接する部屋、階下の部屋などから、アパートのオーナーに苦情が多く届いたそうです。

 誰も住んでいないのに隣や上から壁や床を叩く音がする。男のうめき声が隣の部屋から聞こえてきて気持ちが悪い等々の報告があったそうです。あまりの気味の悪さからアパートの住人は次々に出ていきます。オーナーも対策として、お祓いを頼んだり家賃を下げるなどしましたが、効果はなく入居者が増えることはありませんでした。どうにもならず、オーナーはアパート売却することを決意します。けれどもそれが実現することはありませんでした。

 怪奇現象の影響で買い手が現れなかったのか。いえ、そうではありません。アパートをつぶして土地を再利用しようと手を挙げた業者はいましたし、新たに建てる物件に契約を交わした人はいたそうです。ただ契約当日、オーナーが現れなかったんです。警察が調べると、契約の前日まではオーナーは普段通り過ごしていましたが、最後にあった人にアパートに向かうと言ってそのまま失踪していました。そして物理的に明け渡す手続きができなくなくなり、そのまま廃墟となって今に至るというわけです。

 廃墟になった後はお決まりのパターンです。まずはテンプレのように肝試しに訪れる人が出てきます。ここでもアパートは評判を呼ぶことになりました。ラップ音などの物音やうめき声が聞こえたりするのはもちろんのこと、人によっては人影が見えたりもしたそうです。そして、ある日ついに事件が起きてしまいます。

 グループで肝試しに来た若者たちがいました。アパートに入って早々に物音やうめき声が聞こえたそうです。グループの中でも恐怖に我慢できなくなった人からは部屋を出ようと意見が出るのですが、残りの一部はまだ人影を見ていない、部屋も全て周りきれていないなどと言って居残ることを主張します。話し合いの末、アパート居残り組とアパートを出て自分たちの車で待機する組に分かれます。待機組はほっと一息をついて車内で待っていたのですが、いつまでたってもアパート居残り組が戻ってきません。全ての部屋をゆっくり周ったとしてもせいぜいが10分ほどで終わるはずです。すでに30分は経過しています。携帯電話で連絡を取ろうにも電波が届かないところにいるとアナウンスが流れるだけ。自分たちの携帯電話のアンテナはフルで立っているのに、目の前のアパートに入った相手に電波が届かない。そんなことあえりえるでしょうか。待機組はアパートに戻ることは避けたかったのですが、友人たちが心配なのもたしかです。このまま放置するわけにはいきません。恐る恐るアパートドアを開き、玄関先から友人たちの名前を呼びます。しかし、返事は一向に返ってくることはありません。だからといってもう一度部屋に入っていく勇気はその場の誰にもありませんでした。悩んだ末、明るくなってから部屋の中に入って様子を見に行くことになりました。朝になり全員で固まりながら居残り組を探し始めます。けれどどこを探しても部屋の中には誰もいなかったそうです。当初は自分たちに見つからないように勝手に帰ったのだと憤慨したそうですが、居残り組の家族から帰宅しないという連絡を受けて事体は変わります。警察に連絡をすることになりますが、居残り組の姿は誰一人として見つからず、結局は自ら失踪したとして片づけられたそうです。この事件があって以降はここを訪れる人はグッと減り、度胸試しで来たとしても恐怖のあまりすぐに出ていくそうです。

 そんなわけで訪れても怖くてすぐ出ていくことで有名なこの一室の中で朝まで生配信を行く予定となっています。そしていつものように配信中に異常現象をカメラに収めたいという目的はあるのですが、今回はいつもの探索とは違うテーマがあったりします。皆さん、それがなにか分かる方はいらっしゃるでしょうか?

 ○○さん。死体がどこかに隠されているのか壁を割って中を探してみる

昔の小説にそういうのがありましたね。残念ながらハズレです。実は一連の失踪事件を事前に調べてみたんですけれども、ある共通点が最初に失踪した夫婦にだけ当てはまらないことが分かったんです。先ほど話した肝試しで消えた若者も含め失踪事件の現場は、最初に失踪した夫婦を除いて、今いるアパートのこの場所で起きているんです。当時はこのアパートのエントランスや廊下に防犯用のカメラが置いてあったらしんですけど、後に住んだ3組の家族は家に帰った映像を最後に姿を消したそうです。対して最初に失踪した夫婦は旅行用と思われるボストンバックを持ち、アパートを出て行った映像を最後に二人は姿を消したそうです。ちなみに夫婦の行く先は誰も知らないとのことでした。

僕はここに違和感を覚えました。最初の失踪事件とその後の失踪事件は意味合いが全く違うのではないかと。だから今日はですね。いつもの探索のみだけではなく、失踪事件の真相を解明するというテーマを掲げてきたわけです。

×△さん。8888

△□さん。ほーん、いつもより面白そう

○×さん。この場所に朝までいるのはやばそう予感♪

○○さん。期待。がんがれ

本日の予定としては室内探索、その後はいつも通り明け方までの雑談タイムになります。探索場所のリクエスト、異常現象の確認、僕への応援コメントなどいつでもお待ちしていますのでよろしくお願いします。いいねとお気に入り登録もよろしくお願いします!