ネオンと喧騒の入り乱れた街を歩いていた。嘘と愛憎の渦巻くこの街は、なぜだか酷く美しく見えた。
残酷な夜の世界。それでも、残酷なものほど美しく見えるものなのだろう。
何かから逃げるように、この街を歩く。知り合いに会ったら、あいさつを交わして。キャッチの言葉を聞こえない振りをして無視したり。そうやって気を紛らわせてふと、あの人の笑顔が脳に浮かんで消えた。私を救ってくれたあの太陽みたいな笑顔と温度。絶対的な安心感。あの人の目を見れなくなったのは、いつからだっけ。いつも、目を逸らしてしまう。全て、剝がれてしまいそうになるから。隠した本音も、建前も、感情も。太陽みたいな人だから。暗闇でしか生きられない私には眩しすぎる。それでも、手を伸ばしたくなる。焦がれるとわかっていても、その温度に触れたくなる。湯冷ましとはまた違う、あの人の温もりに甘えたくなる。
信じたい。それでも、裏切られた過去が全てを邪魔する。この人も、いつかは捨てるのではと。
『今日は月が奇麗ですね』
言葉にならない独り言は、空気を汚すだけだった。
残酷な夜の世界。それでも、残酷なものほど美しく見えるものなのだろう。
何かから逃げるように、この街を歩く。知り合いに会ったら、あいさつを交わして。キャッチの言葉を聞こえない振りをして無視したり。そうやって気を紛らわせてふと、あの人の笑顔が脳に浮かんで消えた。私を救ってくれたあの太陽みたいな笑顔と温度。絶対的な安心感。あの人の目を見れなくなったのは、いつからだっけ。いつも、目を逸らしてしまう。全て、剝がれてしまいそうになるから。隠した本音も、建前も、感情も。太陽みたいな人だから。暗闇でしか生きられない私には眩しすぎる。それでも、手を伸ばしたくなる。焦がれるとわかっていても、その温度に触れたくなる。湯冷ましとはまた違う、あの人の温もりに甘えたくなる。
信じたい。それでも、裏切られた過去が全てを邪魔する。この人も、いつかは捨てるのではと。
『今日は月が奇麗ですね』
言葉にならない独り言は、空気を汚すだけだった。

