街の喧騒を背に、宛もなく走る。
息は上がり、苦しく。
けれど繋いだ手は離さず、ただ走り続けた。
もっと遠くへ。もっと。人のいない、2人だけの場所へ。
「もう、いいよ。」
「え?」
繋いだ手が、緩む。
「どんなに走ったって、大人からは逃げられない。」
「それは、」
「貴方も、わかっているでしょう?」
「いやだ。このまま二人で逃げよう。」
「成人もしてない私たちで逃げるには、乗り越えなければならないものが多すぎる。」
なぜ、どうしてと疑問が頭を埋め尽くす。けれど、
「それでも、逃げよう。きっとあるはずなんだ。僕や君が、安心して息のできる場所が。」
僕はもう一度強く、彼女の手を握り直した。
「逃げようって私が言ったから。優しい貴方は、連れ出してくれた。それだけで、充分。ありがとう。」
サイレンが近づく。多方、親が連絡を入れたのだろう。
「そんなの、嫌だよ!行こう。逃げよう。」
ここじゃないどこかに。なんて子供じみた考えは、優しく解かれた手とともにすり抜けた。
「またね。また、生きて会えたら、その時は。」
もう一度手を繋いでね。そう言って彼女は少し笑って、サイレンの方へ歩き出した。
息は上がり、苦しく。
けれど繋いだ手は離さず、ただ走り続けた。
もっと遠くへ。もっと。人のいない、2人だけの場所へ。
「もう、いいよ。」
「え?」
繋いだ手が、緩む。
「どんなに走ったって、大人からは逃げられない。」
「それは、」
「貴方も、わかっているでしょう?」
「いやだ。このまま二人で逃げよう。」
「成人もしてない私たちで逃げるには、乗り越えなければならないものが多すぎる。」
なぜ、どうしてと疑問が頭を埋め尽くす。けれど、
「それでも、逃げよう。きっとあるはずなんだ。僕や君が、安心して息のできる場所が。」
僕はもう一度強く、彼女の手を握り直した。
「逃げようって私が言ったから。優しい貴方は、連れ出してくれた。それだけで、充分。ありがとう。」
サイレンが近づく。多方、親が連絡を入れたのだろう。
「そんなの、嫌だよ!行こう。逃げよう。」
ここじゃないどこかに。なんて子供じみた考えは、優しく解かれた手とともにすり抜けた。
「またね。また、生きて会えたら、その時は。」
もう一度手を繋いでね。そう言って彼女は少し笑って、サイレンの方へ歩き出した。

