補遺資料①

■甲府事件
 1975年2月23日午後6時頃、甲府市立山城小学校2年生のいとこ同士の男子児童2名が帰宅途中にオレンジ色のUFOを目撃した。
 児童の話によると、UFOは二人を追いかけるように飛行して来たため、逃げて付近の墓地に隠れたという。これにより彼らはUFOを見失うが、程なくブドウ畑に降り立ったUFOを再度発見し、機体から現れたチョコレート色でシワシワののっぺらぼう状態の搭乗者を目撃する。児童のうち1名は背後に回り込んだ搭乗者に肩をたたかれ、恐怖でその場に座り込んでしまうが、もう1人はその場から逃げて家族を呼びに行き、家族が駆けつけた際には搭乗者の姿はなく燃えるような物体がブドウ畑にあったという。児童1人の母親は空に銀色の物体が回転していたと証言し、父親は消えかかる光を見たと述べた。当時の母親の目撃証言は録音されておりテレビ番組で公開されている。
 目撃した児童とその家族の証言に加え、甲府市環境センターの管理人も少年たちがローラースケートで遊んでいた場所の上空で光体を目撃したと証言している。また、7年後の1982年には、UFO着陸現場付近を車で走行中だった保険外交員の女性が、その搭乗者らしき人物に遭遇したと語っている。
                           〝甲府事件〟Wikipedia

■ミステリー・サークル
 ミステリー・サークルは、田畑で栽培している穀物の一部が円形(サークル形)に倒される現象、あるいは、その倒された跡。円が複数組み合わされた形状や、さらに複雑な形状のものもある。英国を中心に世界中で報告されている。英語ではクロップ・サークル (Crop circle) やコーン・サークル(Corn circle)という呼称が一般的である。
 1980年代に謎の現象として注目され、宇宙人説をはじめとするさまざまな原因仮説が示された。1990年代に入ってからは、製作者自身による告白や超常現象懐疑派による検証が進み、人為的なものと判明した。
 1990年9月17日、福岡県糟屋郡篠栗町の稲田で直径20メートルと5メートルのサークルが出現した。英国のミステリー・サークルが超常現象としてテレビ番組等で紹介されていた日本では全国ネットのニュース番組で取り上げられ、多くの見物客が現地に押しかける騒ぎになった。篠栗町ではミステリー・サークルのテレホンカードを売り出すなど、町おこしに活用している。それをきっかけに2か月間に福岡県と佐賀県で5箇所で10個のサークルが出現するなど日本各地でミステリー・サークルが発見され、マスコミでも大きく取り上げられた。
 篠栗町のミステリー・サークルは、超常現象否定派の物理学者である大槻義彦が発生から1週間後に現地調査を行い、同年の月刊文藝春秋12月号に「ミステリー・サークルの真犯人」と題するレポート記事を掲載。プラズマ特有の現象が確認できるとして、「プラズマ弾性体」によってできた自然現象による本物だと断定した。
(中略)
 1991年の10月、福岡県内で窃盗の常習犯として警察に検挙された高校生12人のグループが、篠栗町ミステリー・サークルを作ったのが自分たちだと自白し、いたずらと判明。大槻は「自分が調査するまでの1週間で現場が荒らされていた」「一部がいたずらであっても全てがそれで説明できるとは思わない」とする釈明コメントを出したが、この報道以降、日本におけるミステリー・サークル発生報告はほとんどなくなりブームは鎮静化した。
                     〝ミステリー・サークル〟Wikipedia

■うつろ舟の蛮女
『兎園小説』「うつろ舟の蛮女」
 享和三年(1803年)の春二月二十二日の午後、当時寄合席だった小笠原越中守(石高四千国)〔『梅の塵』では小笠原和泉守〕の知行所、常陸国〔現・茨城県〕にある「はらやどり」という浜〔『梅の塵』では「原舎浜」〕の沖合い遥かに舟のようなものが見えた。浦人が多くの小舟を漕ぎ出し、その舟を浜辺まで曳いてきた。舟をよく見ると、形は香盒〔お香に使う入れ物〕のような丸い形状で、長さは三間〔約5・5m〕余り、上半分には「ガラス障子」の窓があり、窓には防水のために「チャン〔松脂〕」が塗ってあった。舟に下半分は鉄板でできた筋金で補強されていた。岩礁に当たっても砕かれないようにしたものだろう。上部の透き通った窓からは舟内がよく見えた。皆で船内を見ると、異様な服装の女性が一人いた。
(中略)
 女性の眉と髪の毛は赤く、顔色は桃色で、頭髪は白い入れ髪が背中に長く伸びていた。その髪が動物の毛か、糸を撚ったものかは誰にもわからなかった。言葉は通じず、どこから来たのか聞くこともできなかった。この女性は約二尺〔約60cm〕四方の箱をひとつ抱えていて、特に大切なものと思え、ひと時も放そうとせず、その箱に人を寄せ付けなかった。
                   江戸「うつろ舟」ミステリー 楽工社 加門正一