私は愛知県にある◯△大学に通う志村と言います。
将来はテレビマンになることを目指しており、大学では映像について学んでいます。

現在、番組の制作についての講義を受けており課題としてドキュメンタリー作品を制作することになりました。
ドキュメンタリーという枠組みだけが決まっており、何をどういった視点からどのように表現するのかは受講者に委ねられています。

私は「記憶」というものをコンセプトに制作することを決めました。

ドキュメンタリーとは、一切の虚偽なく「事実」のみを繋げていくことで、対象となるものの価値を生々しく表現することだと思います。

一方「記憶」とは非常に曖昧なものです。ある「事象」が起きた後、時間が経つにつれ人間の脳内で捻じ曲がり、都合の良いように改変されていってしまうものです。

もし人の「記憶」に焦点を当て、その時に何が起こったのかを探り繋いでいったとしたら、「記憶」というものがいかに曖昧なものなのか「事実」として突きつけられるのではないでしょうか。

美しかったと「記憶」していたことは、本当に美しいの一言だけで片付いてしまうことだったのでしょうか。その「事象」に対して生じた強い感情だけが「記憶」として残されていくのです。

これは一人の女性がもつ「記憶」を辿ることで、判明したある「事実」の記録です。