一九九九年の七の月、恐怖の大王によって地球は滅亡する――……。
読者の皆様は、子どもの頃、若い頃にそんな熱狂的なノストラダムスブームがあったことを覚えておられるだろうか。我々のような週刊誌のみならず、テレビのワイドショーなどで学者が大真面目に、恐怖の大王が象徴するものとは何かということを討論していたものである。
あの頃は、空前の世紀末、オカルトブームだった。助かるためには何をすべきであるとか、我々の団体に入れば裁きから逃れられるだとか、胡散臭い連中が軒を連ねていた。もちろん、一九九九年の七月に地球は滅亡しなかった。そこからオカルトをもてはやす風潮は廃れていったのだが、近年になって、また盛り返しているという。
YouTube動画の隆盛である。サイトを見れば、有象無象の心霊現象や黒魔術を取り上げたチャンネルがあり、中には数万人、数十万人の登録者数があるチャンネルも。
大人がエンターテインメントとして楽しむのならば、自己責任である。怖い話やホラーを愛好する人間は多い。嘘を嘘として楽しむ心の余裕がある人間の趣味であると、筆者は思う。
しかし、此度のオカルトブームにおいては、主役は子どもたちである。可愛らしいアニメキャラが、合成音声によって語る動画はなるほど、親しみやすさを感じる。しかし、そこで語られるのはおまじないなどという可愛らしいものではない、のろいの儀式についてである。
「消しゴムに好きな人の名前を書いて、誰にも触られないように全部使い切ったら両想い? そんなの効果ないよ。おじさん知らないの? 今はね、〇〇様っていう神様にお願いすればいいんだよ」
と、小学生である筆者の姪が見せてくれた儀式は、まるきりこっくりさんであった。
(中略)
「本当はね、もっと効果のある術もあるらしいんだけど……私は、ちょっと。生き物を殺すのは……」
いけにえが必要な儀式すらYouTubeでは投稿されているらしい。しかも、それを気軽に視聴することができてしまう。最近、小中学生による傷害事件や殺人未遂の報が届くのは、ひょっとするとこうした動画の影響かもしれない。
一刻も早い規制が求められる。
読者の皆様は、子どもの頃、若い頃にそんな熱狂的なノストラダムスブームがあったことを覚えておられるだろうか。我々のような週刊誌のみならず、テレビのワイドショーなどで学者が大真面目に、恐怖の大王が象徴するものとは何かということを討論していたものである。
あの頃は、空前の世紀末、オカルトブームだった。助かるためには何をすべきであるとか、我々の団体に入れば裁きから逃れられるだとか、胡散臭い連中が軒を連ねていた。もちろん、一九九九年の七月に地球は滅亡しなかった。そこからオカルトをもてはやす風潮は廃れていったのだが、近年になって、また盛り返しているという。
YouTube動画の隆盛である。サイトを見れば、有象無象の心霊現象や黒魔術を取り上げたチャンネルがあり、中には数万人、数十万人の登録者数があるチャンネルも。
大人がエンターテインメントとして楽しむのならば、自己責任である。怖い話やホラーを愛好する人間は多い。嘘を嘘として楽しむ心の余裕がある人間の趣味であると、筆者は思う。
しかし、此度のオカルトブームにおいては、主役は子どもたちである。可愛らしいアニメキャラが、合成音声によって語る動画はなるほど、親しみやすさを感じる。しかし、そこで語られるのはおまじないなどという可愛らしいものではない、のろいの儀式についてである。
「消しゴムに好きな人の名前を書いて、誰にも触られないように全部使い切ったら両想い? そんなの効果ないよ。おじさん知らないの? 今はね、〇〇様っていう神様にお願いすればいいんだよ」
と、小学生である筆者の姪が見せてくれた儀式は、まるきりこっくりさんであった。
(中略)
「本当はね、もっと効果のある術もあるらしいんだけど……私は、ちょっと。生き物を殺すのは……」
いけにえが必要な儀式すらYouTubeでは投稿されているらしい。しかも、それを気軽に視聴することができてしまう。最近、小中学生による傷害事件や殺人未遂の報が届くのは、ひょっとするとこうした動画の影響かもしれない。
一刻も早い規制が求められる。
