最初は幼稚園の時、お泊まり会の夜に停電になっちゃったんですね。部屋の中真っ暗で保育士さん達てんやわんやで、トイレに行きたくても怖くて言い出せなくて半泣きになってたらお兄ちゃんがおんぶして一番近いトイレに連れて行ってくれました。保育士のお兄さんじゃないです。
 次は小学生の時に校外学習で青少年の家みたいな施設に泊まったんです。最終日の前夜には男子達のリクエストで肝試しする事になりました。籤引きで決まったペアの男子と祠に水を供えに行ったその帰りに道を横切った小動物にパニックになった相方が私を置いて逃げちゃったんですね。懐中電灯も地図も彼が持ってたもんだから、ビービー泣きながら彷徨ってると、懐中電灯を持ったお兄ちゃんが迎えに来てくれました。
 中学生の時も塾が終わった頃に私の自転車だけタイヤに釘が刺さってて困ってたらお兄ちゃんが担いで持って帰ってくれました。
 一体お兄ちゃん何人いるのって、高校入ってからは数えるのやめました。三人増えたと思ったら二人いなくなったりするので。いえ家出とか離婚とかじゃないですよ。心当たりがあるとすれば、山とか、自然豊かなロケーションで滞在するとお兄ちゃんが出てくるみたいなんです。幼稚園も塾も近くに山がある立地だったんですよ。曰くはない事ないですけど、お兄ちゃんが増えるのと関係があるかは判断つかないので何とも……。
 来月の合宿も山中のペンション何ですよね。どんなお兄ちゃんが出てくるんだと楽しみにしないで下さいよ、それって私がトラブルに巻き込まれるの期待されてるの同義ですよね。トラブルの原因の後日談、知りたいですか?