学生時代、家族とも学校とも上手く折り合いが付けられない時期があった。そんな時は親の従妹(以下華沙音さん)の家に遊びに行っていた。詳しい事は今も当時も判らないが、更に遠い親戚に一軒家を譲られた……というより押し付けられたらしい。(当時の話だが)未婚で恋人も居ないのに家主の華沙音さん以外の気配がするのだ。
台所からアイスを食べるだの食べないだの男子達の会話がして、引き戸を開けると華沙音さんが一人で冷蔵庫を整理していただけだった。二階でダラダラしている最中にふと窓を見ると、庭で大学生くらいの男の人と女子高生が華沙音さんの原付を整備していて、ベランダに出てその場所を見直したら人も原付も最初から存在していなかったように消えていた。長風呂の傾向にある華沙音さんが入浴中、脱衣所の前の廊下で「姉ちゃんお風呂で寝たらだめだよー」と声を掛ける誰かがいる。近所の人に華沙音さんの弟さんの彼女だと勘違いされた事もあった。
怖くないのかと聞いてみた事はある。実害はないから特に問題ないと言われた。その後は進学や就職なんかで華沙音さんとはすっかり疎遠になってしまった。それでも何となく、あの家で今も暮らしているんだろうという確信はある。絶対逃がしてくれないでしょ、あのご兄弟達。私はまあまあ受け入れられてたけど、ブラックリストみたいなの作ってたっぽいし。
台所からアイスを食べるだの食べないだの男子達の会話がして、引き戸を開けると華沙音さんが一人で冷蔵庫を整理していただけだった。二階でダラダラしている最中にふと窓を見ると、庭で大学生くらいの男の人と女子高生が華沙音さんの原付を整備していて、ベランダに出てその場所を見直したら人も原付も最初から存在していなかったように消えていた。長風呂の傾向にある華沙音さんが入浴中、脱衣所の前の廊下で「姉ちゃんお風呂で寝たらだめだよー」と声を掛ける誰かがいる。近所の人に華沙音さんの弟さんの彼女だと勘違いされた事もあった。
怖くないのかと聞いてみた事はある。実害はないから特に問題ないと言われた。その後は進学や就職なんかで華沙音さんとはすっかり疎遠になってしまった。それでも何となく、あの家で今も暮らしているんだろうという確信はある。絶対逃がしてくれないでしょ、あのご兄弟達。私はまあまあ受け入れられてたけど、ブラックリストみたいなの作ってたっぽいし。



