学校で私の居場所がなくなっていくと,家での家族に対する態度にも変化が生じた。笑顔がなくなり,悪いことが起こるのはすべて他人が悪いと思い込み,人は必ず裏切るんだと人を信じることを拒否するようになった。
友達はいなくなり,先生たちは見て見ぬ振りをし,両親は仕事が忙しいと私の話を聞くことを拒絶した。ネットの世界だけが私を癒してくれた。
味方がいなくなった中学三年の夏休みに,私は家を出て帰らないことを決めた。行き先は決めていなかったが,幼い頃から貯めていた僅かばかりのお小遣いを持って東京へ行けば中学生の私でもなんとか生きていけると漠然と考えていた。
幼い頃に母親に連れられて東京へは何度か行ったことがあるので,当時を思い出しながら駅の券売機で切符を買い,慣れない電車に乗って車窓から外の景色を眺めて過ごした。
流れる景色が自分を知らないところに連れて行くようで不安になった。
「誰か,助けてくれないかな……私がいなくなったことに気づいた大人が私を迎えにきてくれないかな……」
電車が揺れるたびに不安が大きくなり,駅に停まりドアが開くたびに居なくなった私を探してくれる大人に迎えに来て欲しいと心の奥底で願いながら知らない土地の景色を眺めた。
同じ車両に乗る大人たちは皆無関心で,スマホをいじっているか寝ている人しかいなかった。
友達はいなくなり,先生たちは見て見ぬ振りをし,両親は仕事が忙しいと私の話を聞くことを拒絶した。ネットの世界だけが私を癒してくれた。
味方がいなくなった中学三年の夏休みに,私は家を出て帰らないことを決めた。行き先は決めていなかったが,幼い頃から貯めていた僅かばかりのお小遣いを持って東京へ行けば中学生の私でもなんとか生きていけると漠然と考えていた。
幼い頃に母親に連れられて東京へは何度か行ったことがあるので,当時を思い出しながら駅の券売機で切符を買い,慣れない電車に乗って車窓から外の景色を眺めて過ごした。
流れる景色が自分を知らないところに連れて行くようで不安になった。
「誰か,助けてくれないかな……私がいなくなったことに気づいた大人が私を迎えにきてくれないかな……」
電車が揺れるたびに不安が大きくなり,駅に停まりドアが開くたびに居なくなった私を探してくれる大人に迎えに来て欲しいと心の奥底で願いながら知らない土地の景色を眺めた。
同じ車両に乗る大人たちは皆無関心で,スマホをいじっているか寝ている人しかいなかった。



