幼い頃は大人たちから明るく元気な聡明な子供だとよく褒められた。可愛いものが大好きで，お気に入りのピンクのスカートやフリルのついた洋服でないと外出したがらず母親を困らせることもあった。物心がつくと大人たちが私を褒める言葉の裏側を理解するようになり，それと同時に大人たちが喜ぶ発言や表情，そして何をすれば満足してもらえるのかといった行動を身につけていった。

　そして小学校に入ると些細な仕草や洋服の選び方などで「この子，あざといね」と大人たちから言われるようになった。それがどういった意味なのかは理解できなかったが，一部の大人たちの視線に幼い私に対する敵意のようなものが込められているのを感じるようになった。

　小学生のときにはあからさまなイジメはなかったが，中学生になると突然激しいイジメが始まった。

　きっかけは同じクラスの女子が好きだった男の子が私に優しく接してくれたことだった。私にとってはどうでもよいことだったのだが，その女子にとっては大事だったに違いない。その子のグループが突然私の悪口を学校中で言いふらし，その子の友達が通う塾を通して他の小学校でも私の悪評が拡がっていった。

　当然，ネットの掲示板でも明らかに私とわかるように学校名とクラスと一緒に卑劣な悪口が書き込まれた。