単独縦走の学生、消息絶つ
山形・秋田県境で捜索本格化

【仙台発】東北大学山岳部四年の岩崎健太さん(22)=仙台市北山三丁目=が、山形・秋田両県の県境付近で行方不明となっている。両県警は27日午後から捜索を開始したが、28日未明現在も有力な手がかりは得られていない。

岩崎さんは9月24日午前6時ごろ、仙台市内の下宿を出発。奥羽山脈の林道約80キロを南北に単独で縦走する計画を立てており、25日午後までに下山する予定だった。26日になっても連絡がないため、山岳部の仲間が警察に通報した。同大山岳部によると、岩崎さんは昨年から単独行を好み、これまで十数回の山岳経験を積んでいるという。

母親のさと子さん(47)は「普段から山に慣れていたので安心していましたが、今回は連絡が途絶えてしまい…」と憔悴した様子で話した。

現場周辺は連日の雨で渓流が増水しており、山形県警山岳救助隊約20人が懸命の捜索を続けている。ヘリコプターの投入も検討されたが、悪天候のため見合わせているという。岩崎さんの所持品や足取りについては手がかりがつかめておらず、両県警は付近の避難小屋や林道沿いを重点的に捜索する方針だ。
(北斗新聞・吉田竜也)