名阪時事 2003年(平成15年)9月4日 朝刊 21面
SE不明、北アで捜索難航
防災ヘリ出動も手がかりなし
【長野発】北アルプス山系で行方がわからなくなった名古屋市千種区在住のシステムエンジニア、大槻良治さん(38)=同区春岡二丁目=について、長野県警山岳救助隊は4日までに3日目の捜索を行っているが、依然として大槻さんに関する有力な手がかりは見つかっていない。
県警によると、大槻さんは8月31日午前9時ごろ、自宅からデジタル一眼レフカメラなど約10キロ相当の撮影機材を積んだレンタカー(名古屋ナンバー)で出発。9月1日午前7時30分ごろ、長野・新潟県境に通じる林道「東山線」付近の駐車スペースで、無人のレンタカーが確認された。車内には地図や非常食と思われる袋が置かれていたが、大槻さん本人が携行していたと思われるリュックやカメラは見つかっていないという。
2日午前7時からは防災ヘリ「みなみ」を投入し、上空から捜索を実施。しかし、悪天候や雲がかかりやすい地形などの影響で視界不良が続き、作業は難航している。大槻さんの勤務先の上司は「休暇を取って北アルプスの写真を撮りに行くと聞いていた」と話しており、県警は引き続き付近の山域を集中的に捜索する方針だ。
(名阪時事・鈴木雄二)



