ヒヤリとした感覚がとても心地良い。
街にあるプールとは違って塩素臭くもない。

「なにチマチマしてんだよ」
そう言われたかと思った次の瞬間、大翔に腕を掴まれて川の中に引き込まれていた。

浅いと思っていた場所は以外と深くて、あっという間に太ももまでつかってしまう。
真由たちが動き回ることで小魚たちが一斉に逃げ出していくのが見えた。

「な、俺の想像通りビキニだったろ?」
大翔が目配せして言うので、真由は睨み返しておいた。

「なぁ、向こう岸に廃墟があるぞ」
そう言ったのは随分川の奥へと行っていた泰河だった。

「廃墟? ここって昔人が住んでたのか?」
大翔が不思議そうな顔になって質問する。

「建物があるってことは、そういうことなんだろ? ちょっと廃墟探索でもしてみるか」
「それいいね!」

泰河の提案にすぐに乗ったのは玲央奈だった。