「うん。さすがにあんな経験のあとじゃ続ける気がしなくて。今でもあんな風に捨てられてる子がいるかもしれないと思うと……」

「だよな。俺もこの論文を書き終わったら、薬物更生施設に入ろうと思ってる」

「でも、それってあの子たちに教えられたことだから、他にもやるべきことがあるよね」

「それってなんだ?」

「あの山で起きた子どもたちの悲劇を風化させないこと。そのために私は論文を2作品作るつもり」

よく晴れた空の下、ふたりは外へと歩き出したのだった。


END