映像が終わって我に返ったとき玲央奈の体は木の枝から逆さ吊りにされていた。
木の枝の上にはふたりの男の子が登っていて、起用にロープを結んでいる。

そんな玲央奈の超頭部がかち割られていて、血がボトボトと滴り落ちた。
「こうしておけば保存食になるんだよ」

近くにいた女の子の笑顔に吐き気がこみ上げてくる。
こらえきれず体を折り曲げてその場に嘔吐してしまった。

吐いても吐いても気持ち悪さは消えてくれない。
この村にいる限り、気分の悪さは続いていくだろう。

「よしできた。それじゃ鬼ごっこを再開しようか」
男の子たちがスルスルと木の枝からおりてきて声をかけてくる。

しまった。
今の間に距離を開けておくべきだったんだ。

そう思ってももう遅い子どもたちの視線はみんなこちらを向いている。
玲央奈を助けるために自分の卑劣さを暴露してしまったからだ。