「だけどこっちのお姉ちゃんの方が卑劣だよ?」
男の子が全裸の玲央奈を指差して言った。

「どうだよね。教授と付き合ってお金もらってたんだ」
「卑劣だよねぇ」

まるで楽しいことのようにキャッキャッとはしゃぐ子供たち。
玲央奈がガタガタと震えながら真由を見つめた。

「で、でも……」
他になにかなかったか。

玲央奈を超える卑劣なことが。
考えても思い当たることはなかった。

元々地味で目立たなくて、その分友達も少なくて悪い経験だってほとんどしてこなかったからだ。
あぁ、そうか。

だから私は玲央奈のことを本当に好きになっちゃんだ。
私が憧れているキラキラ女子だから。

真由は助けを求めるように大翔へ視線を向ける。
大翔は左右に首を振ると、真由の手を掴んで数歩後ずさりをした。

それを見た子どもたちが一斉に玲央奈へ襲いかかった。
「イヤアア!!」

玲央奈の絶叫が村中に響き渡ったのだった。