普段は冴えない真由でもSNSの中だけではキラキラしていられた。
『いいね』を押してもらえたり、感想をもらえると嬉しくてやめられなくなった。

もっともっと自分を見てほしくて玲央奈と近づいて友達にもなった。
アルバイトをして少し高級なブランドバッグを買って、写真だけ撮ったら返品しに行ったりもした。

こんなことするなんておかしい。
頭の片隅では自分でもそう思っていたけれど、やめることができなかった。

SNSを使えばこんな自分でも人気者になれる。
いつしか真由はSNSを中心に生活するようになっていた。

「それがどうかしたの?」
女の子がキョトンとした顔で言った。

他の子供たちもうんうんと頷きあっている。
「だ、だから、私は卑劣なの! 玲央奈を助けてあげて!」

そこまで言って初めて自分が玲央奈を大切に思っていることに気がついた。
人気を得るために近づいたのに、知らない間に友達だと思っていたみたいで、おかしくなった。