「わからない」
左右に首を振る大翔を見て余計に不安は募っていく。

どれだけ自信がないことでも『できる』と信じてやってきた大翔でも断言できない状況にあるんだ。

真由はゴクリと唾を飲み込んでまた子供たちへ視線を向けた。
泰河を食べて満足したのか、その表情は明るい。

けれど鬼ごっこはこれで終わりではなかった。
子供たちの視線が動けなくなって腰を抜かしている玲央奈へ向いたのだ。

玲央奈は必死に逃げようと這いずりはじめる。
傷口から流れた血が土の上で筋を引いている。

「次はお姉ちゃんの番かな?」
ほとんご動けなくなった玲央奈を前にしても子どもたちは容赦がなかった。

泰河に首を折られた子供が楽しそうに笑いながら玲央奈の前に立ちふさがる。

ブラブラとまゆで振り子みたいに揺れている顔を目の前にして玲央奈が小さく悲鳴をあげ、その場で失禁してしまった。