泰河の体はみるみる小さくなっていき、最後には骨にこびりついた肉片まできれいに削ぎ落とされて食べ尽くされていた。

子どもたちの手や口元は泰河の血に濡れていて、その臭いは隠れている真由のもとまで漂ってきた。

「真由、大丈夫か?」
その声にハッと息を飲んで振り返るといつの間にか大翔がいた。

子供たちの奇行に気を取られている間に近づいてきていたみたいだ。
「大翔……」

少ししゃべるだけで嘔吐感がこみ上げてきて両手で口を覆う。
音がすればここにいることがバレてしまう。

「見ちゃったんだな」
大翔が眉間にシワを寄せて真由の体を抱き寄せる。

川で冷えたはずの体はいつの間にか熱を帯びたように熱くなっている。
信じられないことばかりが続いているせいかもしれない。

「私達も殺されるの?」