子どもたちが山のようになって覆いかぶさり、泰河の体を貪っていく。
「あ……あ……」

その光景に自分でも知らない間に声が漏れて出ていた。
逃げなきゃ。

今すぐここから逃げなきゃ。
そんな真由の脳裏に不意に映像が流れ込んできた。

小さな子どもたちばかり5人が一本の縄で縛られて歩いている。
先頭と後方には大人たちがいて、みんな手に農具を持っている。

それは大昔の罪人を連れて行くときの光景とよく似ていた。
縛られている子どもたちは泣いていたり、怒っていたり、無表情だったりと様々だ。

その奇妙な一行は山の中へと入っていった。
山はあまり整備されておらず、獣道を上へ上へと進んでいく。

『あっ』