玲央奈を取り囲んでいた子供たちがなにからコソコソと話をはじめたかと思うと、今度は泰河へ視線を向けた。
それに気がついた泰河が咄嗟に走り出す。

子どもたちとの距離はほんの数メートルしか離れておらず、すぐに腕を掴まれていた。
「痛てぇな！　離せよ！」

子供の腕を振り払おうとしてもうまくいかない。
子供は泰河の腕や足、胴体などにしがみつけてついに身動きが取れなくなってしまった。

「誰か、助けっ！」
泰河の言葉は最後まで続かなかった。

腕にしがみついていた子供が泰河の腕に噛み付いて肉を引きちぎったのだ。
そこから鮮血が溢れ出し肉片が飛び散った。

次に腹部に噛みつき、柔らかな臓器が飛び出して地面に垂れ下がった。

太ももに噛みつかれたときついに立っていられなくなって泰河はその場に膝をついてしまった。