「本当のことでしょ! あの男は私のマンションに入り浸ってて、一円も払わずに暮らしてた! 私の財布からお金を盗んでたんだから!」

ここばで暴露してしまえばあとはもうやけくそだった。

玲央奈は今まで泰河がやってきた卑劣な出来事をすべてぶちまけはじめた。

「付き合い始めてからすぐにお金を貸してくれって言い出して、それが帰ってきたことなんて1度もない! 今まで何度も何度もたかられて、そのために私は教授と付き合って金を工面するようになったの!」

すごいスクープだ。
真由はゴクリと唾を飲み込んでふたりの様子を伺った。

泰河はその場から逃げ出すこともできずに玲央奈を睨みつけている。

このふたりはただのバカップルだと思っていたけれど、そんな裏があったなんて。

ここにスマホがあればこの場面を撮影できたのに。
うずく気持ちを押さえられず、真由は拳を握りしめた。