「ち、違う! そんなことしてない!!」

玲央奈が必死になって否定するけれど、それは大学内でも噂になっていることだった。

とある教授の部屋から玲央奈がひとりで出てきたところを何人もの学生が目撃している。

ただそれだけなら妙な噂も立たないだろうから、きっと決定的場面を見た生徒がいるんだと思っていた。

【ミスコン女子、教授と熱愛! 友達だったからショックだなぁ】
咄嗟に浮かんできた題名に真由は苦笑いを浮かべた。

こんな状況じゃなければスクープとしてSNSに乗せて、私も一躍有名になれたかもしれない。

まだそんなことを考えてしまう自分がいた。
「本当に違うんだってば!」

玲央奈の悲痛な叫び声は子供に響かない。

気がつけば玲央奈の周りには5人の子供達がやってきて、取り囲まれる形になっていた。

卑劣な人間から捕まえるというルールは本当だったようだ。