鬼ごっこをするだけでこれほど喜ぶなんて、やっぱりどこかおかしい。
真由はゾッとして自分の体を抱きしめた。

「それじゃ、ジャンケンで鬼を決めるけど、いいか?」
とにかくルールに則って行動しようと大翔が提案する。

けれど男の子が左右に首を振ってそれを否定したのだ。
「ううん。鬼は僕たち子供。逃げるのはお兄ちゃんたち4人でどう?」

その提案に大翔がとまどった様子を見せる。
「それでいいんじゃねぇか? さっさと終わらせてここから出ようぜ」

何も返事ができない大翔を横目に泰河が言う。
5人対4人でも、すぐに捕まって遊びを終わらせるつもりなんだろう。

本当にそれで外に出ることができるのか怪しいけれど、とにかくやってみるしかない。
「そ、そうだな。じゃあそれでいいよ」