「お兄ちゃんたちだぁれ?」
そんな声が建物の奥から聞こえてきて真由は悲鳴を上げそうになった。

薄暗い部屋の奥へと視線を向けると、そこには10歳くらいの男の子が膝を抱えて座っていたのだ。

「子供!?」
驚き、声をあげる大翔。

こんなところで子供がひとりでなにをしてるんだろうか。
そう思ったときだった。

「おい! こっちに子供がいたぞ!」
と、泰河の声が聞こえてきた。

ふたりで建物を出て声がした方へ向かうと、建物と建物の間に5歳と6歳くらいの男の子と女の子が立っていた。

ふたりとも服は泥だらけで髪の毛も乱れ、浅黒く日焼けした顔をしている。
「君たち、どうしてこんなところにいるの?」