「!」
ばたっそんな音でこける私、望月翠は幼い頃から不幸体質。
「なんでこんなにダメダメなんだろう…」
でも、今日は新たな出会いの場である高校の入学式。私は地元の高校には行かず電車で1時間ほどある都心部の黎明高校に進学した。だから友達は0。今日で友達作るぞ、と心の中で意気込みながら学校への道を歩いて行った。
無事に入学式が終わり、次は教室で自己紹介をすることになった。
「みんな、おはよう!今日から君たちの担任になった入道海斗だ!1年間よろしくな!」
私はものすごく熱い先生だと思った。こんなに熱い人は初めて出会う。先生の後の人は少し気の毒だなと思いながらクラスメートの自己紹介を聞いていた。あぁ、ついに順番が回ってきてしまった。自己紹介は苦手だ。人前で話すのはもちろん、なんせこの不幸体質があるからもっと嫌になってくる。今年こそは何も起きないことを願いながら私は席を立った。
「初めまして、暁中学出身の望月翠です。1年間よろしくお願いします。」
必要最低限の自己紹介を済まし席に座る。今年は何も起きなかった、そう安堵した。
「次、自己紹介を頼む。」
先生がそう言ったが返事はない。私は今まで緊張しすぎて後ろの席の人がいなかったことに気づかなかった。
「いないみたいだから、次行こうか。」先生がそう言った。その瞬間、急に扉が開いて地響きが起こるのではないかと思うぐらいの速さで誰かが滑り込んできた。不幸にもその人が私の机の方に突進してきて机に激突し止まった。激突したと同時に私にも机の足が当たった。「ぁ、ごめんなさい!」彼はそう耳元で叫んだ。私はこういう事には慣れているから大丈夫なのにと少し思った。「夕凪、大遅刻だぞ。」「すみません、お腹が痛くて…」そう彼は返事した。「まぁ、色々言いたいことはあるが今は自己紹介をしてもらう。」「あ、はい。えー、 薄明中学出身の夕凪幸太です!好きなことは写真を撮ることです!1年間よろしくお願いします!!」「よし次ー」後ろの席の夕凪くんが自己紹介を終えると次の人に順番が回った。
全員の自己紹介が終わり、解散となった。帰る準備をしていると後ろから声をかけらら、振り返ると夕凪くんがいた。私がどうしたのと聞いても反応がない。頭にはてなが浮かぶ。
「用がないなら帰ってもいい…?」
「あ、待って!さっきはごめんなさい、怪我してない?」
「大丈夫」
「そっか、よっかったー。でもお詫びはさせて!」
「お詫び…?」
「うん!明日の放課後って空いてる?」
「空いてるけど…」
「じゃあ明日お詫びにご飯奢らせて!」
彼がそう言いニカッっと笑った。やっぱり彼の笑顔は眩しい。
「じゃあ俺先生に呼ばれてるから!また明日!」
「あ、うん。また明日。」
タッタッタッタと軽やかな音で走って行く彼を見送り私も帰路についた。帰る途中、やっぱり不幸な事に天からザバーっと私のところだけ雨が降った。「すみません!」「いえ、大丈夫です。」手が滑ってバケツの水をこぼしたみたいだ。ずぶ濡れで帰る道は4月でもやはり寒かった。明日は夕凪くんとご飯を食べに行く。友達はできなかった。明日にはできればいいなと思いながら寝床についた。
ばたっそんな音でこける私、望月翠は幼い頃から不幸体質。
「なんでこんなにダメダメなんだろう…」
でも、今日は新たな出会いの場である高校の入学式。私は地元の高校には行かず電車で1時間ほどある都心部の黎明高校に進学した。だから友達は0。今日で友達作るぞ、と心の中で意気込みながら学校への道を歩いて行った。
無事に入学式が終わり、次は教室で自己紹介をすることになった。
「みんな、おはよう!今日から君たちの担任になった入道海斗だ!1年間よろしくな!」
私はものすごく熱い先生だと思った。こんなに熱い人は初めて出会う。先生の後の人は少し気の毒だなと思いながらクラスメートの自己紹介を聞いていた。あぁ、ついに順番が回ってきてしまった。自己紹介は苦手だ。人前で話すのはもちろん、なんせこの不幸体質があるからもっと嫌になってくる。今年こそは何も起きないことを願いながら私は席を立った。
「初めまして、暁中学出身の望月翠です。1年間よろしくお願いします。」
必要最低限の自己紹介を済まし席に座る。今年は何も起きなかった、そう安堵した。
「次、自己紹介を頼む。」
先生がそう言ったが返事はない。私は今まで緊張しすぎて後ろの席の人がいなかったことに気づかなかった。
「いないみたいだから、次行こうか。」先生がそう言った。その瞬間、急に扉が開いて地響きが起こるのではないかと思うぐらいの速さで誰かが滑り込んできた。不幸にもその人が私の机の方に突進してきて机に激突し止まった。激突したと同時に私にも机の足が当たった。「ぁ、ごめんなさい!」彼はそう耳元で叫んだ。私はこういう事には慣れているから大丈夫なのにと少し思った。「夕凪、大遅刻だぞ。」「すみません、お腹が痛くて…」そう彼は返事した。「まぁ、色々言いたいことはあるが今は自己紹介をしてもらう。」「あ、はい。えー、 薄明中学出身の夕凪幸太です!好きなことは写真を撮ることです!1年間よろしくお願いします!!」「よし次ー」後ろの席の夕凪くんが自己紹介を終えると次の人に順番が回った。
全員の自己紹介が終わり、解散となった。帰る準備をしていると後ろから声をかけらら、振り返ると夕凪くんがいた。私がどうしたのと聞いても反応がない。頭にはてなが浮かぶ。
「用がないなら帰ってもいい…?」
「あ、待って!さっきはごめんなさい、怪我してない?」
「大丈夫」
「そっか、よっかったー。でもお詫びはさせて!」
「お詫び…?」
「うん!明日の放課後って空いてる?」
「空いてるけど…」
「じゃあ明日お詫びにご飯奢らせて!」
彼がそう言いニカッっと笑った。やっぱり彼の笑顔は眩しい。
「じゃあ俺先生に呼ばれてるから!また明日!」
「あ、うん。また明日。」
タッタッタッタと軽やかな音で走って行く彼を見送り私も帰路についた。帰る途中、やっぱり不幸な事に天からザバーっと私のところだけ雨が降った。「すみません!」「いえ、大丈夫です。」手が滑ってバケツの水をこぼしたみたいだ。ずぶ濡れで帰る道は4月でもやはり寒かった。明日は夕凪くんとご飯を食べに行く。友達はできなかった。明日にはできればいいなと思いながら寝床についた。