1月20日。

今日私は運命的な出会いをしたのかもしれない!
なんてのはちょっと大げさ?
だけど本当に素敵な男性に出会ったの!


大学生になったら女子校時代には経験できなかった素敵な出会いがあるって信じてた!
それが今日だったんだよ。
彼の名前は足立健くん。


なんだかアイドルとか俳優っぽい名前じゃない?
足立くんと知り合ったきかっけは大学の友だちからの紹介。
といっても合コンとかじゃなくて、友達と大学近くのファミレスでランチをしているときに偶然足立くんがやってきたの。


足立くんは背が高くていかにも好青年って感じの人で、友達を見つけると笑顔で近づいてきた。
「今からご飯?」
って、友達に質問した声は少し高くて、でも心地よい鈴みたいな音色だった。


それから足立くんは私に視線を向けて、軽く会釈してくれたから、私もハニカミながらお辞儀した。
「高校時代の同級生の足立健くん。こっちは岸本イズミさん」


友人の雑な紹介に内心ハラハラしたけれど、足立くんは優しい笑顔を見せてくれた。
その頬にはエクボが浮かんでいて、急に少年ぽくなって、なんだかドキドキしちゃった。
そのままの流れで足立くんは私の友達の隣に座って、一緒にごはんを食べた。


足立くんは細身だけれどよく食べる人で、唐揚げ定食とパンケーキとパフェまで食べてた!
私も自分で注文したカルボナーラを食べていたんだけれど、チラチラと足立くんの顔を確認することで精一杯で、味はいまいち覚えてない。


食事中に色々な話もして、足立くんは隣町の大学に通っていること、ひとり暮らしをしていることがわかった。
それに……彼女がいないってことも!
これ重要だよね!!


一緒にいた友達はなんとなく私の気持ちに気がついていたんだと思う。
食事が終わりかけのころ、さりげなく席を立って私にウインクしてきたの。


このままなにもなく足立くんと別れるのがどうしても嫌だった私は、勇気を出して足立くんの連絡先を聞いちゃった!
そしたら足立くん、なんて言ったと思う?
「先に言われちゃったな。実は俺も連絡先を聞こうと思っていたんだ」


だって!
可愛いエクボを浮かべて頬を少しだけ赤くしてそう言う足立くん。
今思い出してもすごく可愛い!
ってことで無事足立くんの連絡先をゲットして帰宅。


あぁ、なんだか夢みたい。
ここからが私の青春ってことでいいよね?
あ、ちなみにこのランチは足立くんがどうしてもってことでおごってくれたの。


私が慌てて財布を出そうとしたら、横からスッとスマホ決済してくれた。
おごり方までスマートで素敵!