「今日はこのあと退魔協会に行って妖を収めたら終わりだな。一緒に帰ろう」
「うん」
龍真に手を繋がれ、結珠はまた赤くなりながら頷いた。
結珠と龍真は退魔師だ。
彼女らが属する組織では基本的には専用のスマホを使って退魔をする。
低級、中級、上級と階級が分かれており、結珠は低級で龍真は上級だった。
龍真とはお隣同士だった。
お隣とは言っても結珠の家は普通の民家であり、龍真の家は豪邸だった。
通う学校も塾もなにもかもが違う。お隣でなければ出会うことなどなかった。
龍真は優しくて、結珠を妹のようにかわいがり、よく結珠と一緒に遊んでくれた。
龍真の家系は代々が退魔師だったのだが、あるとき、龍真のデビュー戦となる退魔のとき、結珠が結界の中に間違って入りこんでしまった。
ありえないミスだった。
結珠はそのときにケガを負い、以来、龍真はそれまで以上の過保護さを見せるようになっていた。
結珠が龍真に憧れて退魔師を目指したときにも、彼が必ず退魔に付きそうという条件つきで許可されたほどだった。
その条件は退魔協会にも通達されており、長く退魔協会に貢献してきた藤小路家の願いならばと承認されている。
だから結珠はいつまでたってもひとりで退魔をさせてもらえない。相手がどんなに弱い妖の退魔であっても。
「うん」
龍真に手を繋がれ、結珠はまた赤くなりながら頷いた。
結珠と龍真は退魔師だ。
彼女らが属する組織では基本的には専用のスマホを使って退魔をする。
低級、中級、上級と階級が分かれており、結珠は低級で龍真は上級だった。
龍真とはお隣同士だった。
お隣とは言っても結珠の家は普通の民家であり、龍真の家は豪邸だった。
通う学校も塾もなにもかもが違う。お隣でなければ出会うことなどなかった。
龍真は優しくて、結珠を妹のようにかわいがり、よく結珠と一緒に遊んでくれた。
龍真の家系は代々が退魔師だったのだが、あるとき、龍真のデビュー戦となる退魔のとき、結珠が結界の中に間違って入りこんでしまった。
ありえないミスだった。
結珠はそのときにケガを負い、以来、龍真はそれまで以上の過保護さを見せるようになっていた。
結珠が龍真に憧れて退魔師を目指したときにも、彼が必ず退魔に付きそうという条件つきで許可されたほどだった。
その条件は退魔協会にも通達されており、長く退魔協会に貢献してきた藤小路家の願いならばと承認されている。
だから結珠はいつまでたってもひとりで退魔をさせてもらえない。相手がどんなに弱い妖の退魔であっても。