未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

「ただし、試験勉強は俺と一緒にすること」
「龍ちゃんはほんと過保護」
「嫌なら試験はなし」
「嫌じゃない! やる!」
 龍真と一緒に勉強できるなんて、断るわけがない。
「いい子だ」
 龍真は結珠の頭をぐりぐりと力強く撫で、髪がぐしゃぐしゃになる。
「もう、また!」
 結珠は龍真の手が離れるとすぐに髪を整える。
 龍真の慈愛に満ちた目に気が付いて、結珠はタルトに目を戻した。
 きっとあのとき好きって言ったのは、妹としてってことなんだろう。
 いつか恋人ポジションに昇格することはできるのだろうか。
 思って、かあっと頬が熱くなる。
「結珠?」
 龍真がけげんな様子で結珠のほうを見る。
「なんでもない」
 結珠はごまかしてタルトを口に含む。
 甘ずっぱい味が口いっぱいに広がり、結珠の胸はどきどきとときめきを加速した。
 その横では、タマが幸せそうにおやつをほおばっていた。