未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

「退魔協会までお送りします。車を持ってきますよ」
 そう言って彼は少し離れたところに止めた車に向かう。
「帰ったら結珠にはお説教だ」
「えー?」
 龍真の言葉に、結珠は抗議の声を上げる。
「勝手に行ったんだからな。タルトはなしだ」
「そんなあ」
 結珠はしょんぼりと肩を落とした。
「どうしてひとりで行ったんだ」
「早く一人前になって、龍ちゃんに認めれたかったから」
「とっくに結珠のことは認めてるのに」
「絶対、違う」
 結珠は抗議の目を向ける。
「保護される妹じゃなくて、竜ちゃんと対等になりたいの」
「いいの、俺に守られてれば」
 言って、龍真は結珠の頭を抱きかかえる。
「俺の大事な宝物。本当は低級でも退魔に出させたくない」
「そんなのひどい……」
 宝物と言ってくれたのは嬉しいが、それではいつまでたっても龍真の足手まといになってしまう。
 龍真は結珠の頭をそっと撫でる。
「結珠が大切だからだよ」
「ケガのこと、まだ気にしてる? 気にしないでいいよ」