そうして凪に飲ませようとするのだが。彼女はもはやそれを飲み込む力もない。
目からは光がどんどん失われていく。
「凪、駄目よ、凪!」
両親を失ってただひとりの肉親になった。
ふたりで支え合って生きて来た。
彼女は自身の安全と引き換えに助けてくれたのに、どうして自分は凪を救えないのか。
「お願い、飲んで」
凪は声もなく目を閉じ、その首がかくんと力なくと垂れた。
「凪……!」
羽月は叫んだ。
自分はなにをしてきたのか。
唯々諾々と運命に流されて、大切な妹の命を失って。
なにが命の使いだ。
なにが命の夢見鳥だ。
夢を見ていたのは自分だ。
なにもせず足掻きもせず、自分が守るべきだった妹に守られて。
嘘を信じてまほろばで遊び暮らして。
羽月は妹の命を奪った小刀を逆手に構えた。
「羽月、なにをする!?」
鳳羽の叫びに答えず、羽月はその刃を自身の胸に突き立てる。
「羽月!」
鳳羽の声など届かない。
目からは光がどんどん失われていく。
「凪、駄目よ、凪!」
両親を失ってただひとりの肉親になった。
ふたりで支え合って生きて来た。
彼女は自身の安全と引き換えに助けてくれたのに、どうして自分は凪を救えないのか。
「お願い、飲んで」
凪は声もなく目を閉じ、その首がかくんと力なくと垂れた。
「凪……!」
羽月は叫んだ。
自分はなにをしてきたのか。
唯々諾々と運命に流されて、大切な妹の命を失って。
なにが命の使いだ。
なにが命の夢見鳥だ。
夢を見ていたのは自分だ。
なにもせず足掻きもせず、自分が守るべきだった妹に守られて。
嘘を信じてまほろばで遊び暮らして。
羽月は妹の命を奪った小刀を逆手に構えた。
「羽月、なにをする!?」
鳳羽の叫びに答えず、羽月はその刃を自身の胸に突き立てる。
「羽月!」
鳳羽の声など届かない。



